EP24 王たる器は、君にあるか!?1/5
【麒麟】中国神話の伝説の生物。龍、鳳凰、霊亀と並び四霊と呼ばれる霊獣である
混同しやすいが、朱雀、青龍、白虎、玄武の四神とは別ではあるが、この麒麟を加え【五神】と呼ばれる事もある霊獣だ
「八咫烏様、どういう事です。ユニコーンじゃないんですか?」
雨宮が尋ねると、クロ助はうなずき
「麒麟は我ら霊獣の中でも圧倒的上位の存在で、泰平の世に現れると言われている霊獣なんだ」
「泰平の世って…平和って事ですよね」
モンスター被害、ブリッツ率いるエグゼの出現、アムカの復活の兆し、戦争の兆しと、不安材料はたくさんあるが、雨宮はハッとする
「確かに兆しはあっても、国家がぶつかる様な戦争は起こっていない…紛争よりもモンスターの対処が優先だった…そしてモンスターの目撃数も過去一で減っていて、キマイラの発生も稀、しかも禁足地化していた地域を2つ開放している…」
「ただ麒麟は過去に泰平の世とは、ほど遠い時代に現れた事がある。春秋と呼ばれた時代の中国と、50年前の太平洋大災害直後のイングランド、つまり今回と同じ場所に現れたのだ…50年前はキマイラと恐れられて攻撃され、ほかのモンスターと戦い、辺りを破壊してしまった。春秋の時は、捕らえられ、その神聖なはずの姿を不気味だとして恐れをなし、見世物にされ、全てを終わらせたと言われている」
「…じゃあ今回は、なぜ現れたと?」
「麒麟は、従える王を見つけた時に、姿を現すんだ」
「王?」
「この世の覇権を取る者って事だ」
「その覇権を取る者って…」
「…分からぬが、我の力を持つカナタ達3人が麒麟の現れた場所にいる…確かめに来たのかもしれない」
「ちょっと待って下さい。アンホは麒麟を、モノケーラとして討伐しようと攻撃を仕掛けています!!止めさせないと!!」
「麒麟は本来、非常に穏やかで優しく、足元の虫や植物を踏むことさえ恐れるほど殺生を嫌う…反撃はしないはずだ。だが敵と見做されれば…だからカナタ達に『何があっても戦うな』と伝えなければ」
「急いで通信が出来る作戦室へ行きます!!あっでも、どうやって麒麟って伝えれば…」
「なら、これを持っていけ」
クロ助は、本棚から一冊の本を取り出す
雨宮が作戦室へ向かうと、第1小隊の3人と、フブキとキムがモニターに映る現場の映像を見ている
「隊長、第2小隊との連絡は!?」
「10分前にコンディション・ブラックが発動された事を連絡、住人の避難誘導などを指示したよ」
「もう一度、通信をつなげて下さい」
雨宮の発言に、マルティナもフブキも驚く
「作戦中だぞ、整備員が出しゃばるな」
とフブキは叱るが、雨宮は続ける
「整備長、隊長、これを見て下さい!!」
雨宮は古びた本を広げると、そこに描かれている絵を指さす
「これは!?」
マルティナが雨宮に尋ねると、雨宮は指している指をページの上に滑らせ、そこに書いてある文字を読む
「麒麟です」
雨宮の真剣な声と目に、ただならぬ雰囲気を感じる一同
「しかし現地のアンホの報告では、ユニコーンの霊獣キマイラ【モノケーラ】だと報告を受けています」
キムがそれに反論する
「しかしそれはカナタが提唱した【キマイラの五界説】より前の基準だ…もし霊獣だったら、コンディション・ブラックは不当だろ」
そう言われてキムは、答えを求める様にマルティナを見る
「確かに、今イングランドに出現しているモノケーラは、この絵に似ているし、現にモノケーラは出現してから、その場でじっとして軍を攻撃していない…もし霊獣だとしたら、確かに問題だけど…この絵に似ているだけでは、アンホの行動を止めるほどの説得力は無いよ」
「だからこそ第2小隊だけでも、この情報を伝えるべきだと思うんです!!」
雨宮は食い下がる
フブキやキムにとっては、雨宮の主張は理解出来ても《《組織で動く者》》としては容認出来かねるが、マルティナにとっては好都合だった
第2小隊が、霊獣を保護出来れば、カプトの存在意義が大きくなる
「急を要する事態だと私も思う。第2小隊と共にアンホのサイラス統括に連絡、その旨を伝える。キム君、統括への連絡をお願い出来るかな」
「承知しました」




