EP23 義足の少年と一角獣4/5
その頃、アンホ アルファ地区U.K.方面軍の全ての基地で警報が鳴り響いていた
「本当か!?」
U.K.方面軍の部隊長は、入ってきた情報に驚愕している
「まさか、50年ぶりにアイツが現れたのか」
「映像、出ます!!」
モニターに、ある生き物が映し出される
50mを超える巨体、白く輝くその巨体の頭部は竜の様に長い顎髭をたくわえ、体は鹿や馬の様であり鱗に覆われ、一番の特徴は額の真ん中に弓なりに反り、グルグルとねじれている巨大な角がある
「間違いない…霊獣ユニコーンとモンスターが融合した『霊獣キマイラ』モノケーラだ。緊急事態宣言コンディション・ブラック発令!!」
鵲にいるカナタとライオネルも、ローズィーと同様の耳鳴りと頭痛に襲われていた
「副隊長、これって」
「あぁ、霊獣だな」
ピピピピピとカプトステーションからの通信を受信した呼び出し音が鳴る
「こちら、ライオネル」
ライオネルがその通信に出ると、マルティナの声がする
『ライオネルくん、先程霊獣ユニコーンの霊獣キマイラ、モノケーラが出現、U.K.方面軍からコンディション・ブラックが発令され、カプトにも応援要請があった。すぐに現地のアンホに連絡、情報を共有して欲しい』
「了解、しかし俺達は何も武装を持っていません。どうします!?」
『武器は無くとも、避難誘導の協力は出来る。戦うばかりが、協力ではないよ』
「そうですね。第1小隊、隊長はどうされます?」
『それなんだけど、白鷺は、既に解体が始まっている…私の采配ミスだよ、今のカプトは緊急出動は無いから、でも鵲が現地に居てくれて良かった』
「現地!?」
『ローズィー君がいる病院付近だよ』
隊員室
ライオネルとの通信を切る、マルティナは雷斗と白を見る
「霊獣ユニコーン、ユニコーンを捕らえるには、処女の娘を連れてきて誘惑させるって方法が定番らしいけど?」
マルティナがそういうと、3人に妙な間が生まれる
「…セクハラです」
白が、ジト目でマルティナを見ると
「私が行ってもいいけど…」
マルティナがそう言うと、2人は口を開けて固まる
「でもユニコーンを玉化するには、君の魔法陣が必要だ」
マルティナが冷静にそう言うと、雷斗は
「牛鬼はキマイラ化したギュウガのまま玉化させてしまったから、牛鬼の力を引き出せるか分からない。ユニコーンは出来れば、キマイラ化を解きたいが…」
「レッドに頼むかい?」
「どうやってだよ。それにレッドの分離は、元の動物、あのオオカミは死んでしまっていただろ…霊獣でもどうなるかは分からないだろ」
「やってみる前に、君は否定的だね」
マルティナを睨む雷斗
「なら、お前がどうにかしてみせろよ、マルティナ・フヨウ」
それを聞いて、しばし考えを巡らせるマルティナ
「イングランドか…確かにヴァルバリキアは、ヨーロッパに生息していると見せかけるには、良いのかもしれないね」
飄々とした態度でそう言うマルティナに、雷斗は苛立つ
「よく言うぜ。隊長が今ステーションに居ないのは、無理があるだろ」
「なら、君が向かうしかないね」
「ったく」
それを聞いて白は
「でもファルベカラーズは来ないかもしれないよ。レッドがいなきゃ分離は試せないよ」
心配そうにマルティナにそう言うが、マルティナは
「…たぶんカラーズは誰かが出てくるよ」
マルティナは、なぜか確信したような表情をしている
「彼らが霊獣キマイラを放っておくはずがない。レッド君が理想ではあるけど、他のカラーズでもコンタクトを取ってみる価値はある」
それを聞いている雷斗が難しい顔をする
「どうしたの?」
白が異変に気づき、雷斗に尋ねる
「…モノケーラは霊獣キマイラで間違いないんだよな?」
「報告書を解析した結果そうなっているよ。あの容姿だもの」
モノケーラの色々な動物が混ざった様な容姿は、キマイラである事を疑う余地はない…が
「イングランド周辺は、キマイラどころか、モンスターの気配は無い…これじゃ転移魔法陣の展開は無理だな」
「それって」
2人はマルティナを見る
「モノケーラはキマイラじゃない…霊獣って事だね。しかしユニコーンにしては、伝説や文献と容姿が違いすぎる」
「どうする?副隊長に連絡して、モノケーラは霊獣だって伝えるか?アンホが討伐してしまったらヤバイぞ」
「そうしたいけど、それを証明する手立ても説明も出来ない…雷斗君、第2小隊の皆の場所に魔法陣を展開する事は?」
「それは無理だ。人間の気配は感知出来ない」
「……」
「どうする、霊獣の力を手放す事になる」
「ファルベカラーズが現地に現れたらどうだい?」
少し考える雷斗
「グリーンは接点がないから無理だ…レッドも無理だな…ブルーなら…いやそれでも、ブルーが金色のオーラを使えばだが、感知出来るかもしれない」
「なら…ファルベブルーの登場に賭けるしかないね…」




