EP2 変身!!色とりどりのカラス達3/3
カササギの横に白鷺が着陸している
マルティナは後からやってきた雷斗と白に状況を説明している
「と言うのが私が見た状況だ」
「そのカラス人間は何者?キマイラじゃないんですよね」
「それに第2小隊の3人はどこに行って...」
と雷斗がカササギの中を見ていると
「おーい、隊長~~」
森から第2小隊の3人がやって来る
ローズィーとカナタがお互いの肩で支え合い、ライオネルが手を振っている
「ライオネル君!!」
マルティナ3人は、ライオネル達の元に駆け付ける
「聞いてください隊長、信じられない数のモンスターがいたんです!!」
カナタとローズィーは安堵の表情を浮かべ、崩れ落ち、ローズィーが肩で息をしながら話す
「私も見た、3人はモンスターと戦っているキマイラを見なかったか!?」
「モンスターと戦う?例の索敵目標の事ですか!?」
「ローズィー君そうじゃない、いや...そうなのか??」
考えるマルティナ
「隊長、俺たちはカササギで偵察中、目標と思われる大型の鳥類キマイラ発見。この大鳥居のそばに着陸。その後、モンスターが大量に転移して来ました」
「あの大災害の魔法陣。モンスターが転移する合図だったんですよ!!」
カナタが興奮しながら報告する
ライオネルもカナタも嘘は言っていない
「すぐに森に避難。目標と思われる大型の鳥類キマイラはロストしてしまいました。申し訳ありません」
ライオネルが謝罪すると、マルティナは困惑する
「私が見た緑色や色とりどりのカラス型は人間サイズだった...しかも3匹、いや4匹か」
マルティナが目にしたのは、赤、青、緑、金色のカラスの様な人間
「分裂したのか?まさか、そんな事...」
「しかしあの数のモンスターはどこへ?」
ローズィーが知らないふりをしながら、マルティナに尋ねる
「その中の3匹、赤と青と緑がモンスターを倒していたんだ。私は彼らに守られたんだ」
マルティナが辺りを指差す。各所に激しい戦闘の痕がある、がモンスターの死骸はほとんど無い
「その人型カラスに攻撃されたモンスターは、絶命するとチリになってしまうみたいだ」
「確かに数体だけですね」
オーラで攻撃したモンスターの死骸は分解された様に爆散していっていた事を思い出すカナタ
「その人型カラスの能力なんでしょうか?」
「可能性はある。しかしなぜモンスターとキマイラが戦うんだ?」
マルティナは、ずっとあれから混乱しているのだろう、話ながら状況を整理している感じだ
「正義の味方とか!?」
白が目を輝かせる
「隊長達の情報収集は、どうだったんです?」
「私と白君でこの先の町で聞き込みをしたところ、神の使いと呼ばれた金色の八咫烏が大災害の時にその町をモンスターから守ってくれたと...そうだ、あの3匹は八咫烏と何か関係が…だが金色のカラスの様な人型もいたが、私を助けてくれた緑色たちとは敵対関係のようだった。そうだ、人の言葉も喋るんだ」
マルティナがまた思考する
「俺たちが見た大型の鳥類キマイラも人の言葉を発してました、確かに八咫烏かもしれません。足が3本でしたし」
マルティナの考察をカナタが補足する情報を出す
「伝説の生き物だろ、八咫烏って、ネッシーがいるってよりもあり得ないだろ。隊長、しっかりしてください」
雷斗は、マルティナとカナタ達のやりとりを馬鹿にする
「確かに金色じゃなかった、普通の黒だった」
雷斗の意見に乗っかる様に、ローズィーがそういう
「そのカナタの頭の上の子カラスみたいな色か?」
ローズィーに確認する様にカナタの頭の上を指差す雷斗。小鳥サイズの八咫烏がカナタの頭にいつの間にか座っている
「なにそれ」
白は興味津々だ
「あっ、森に逃げる時に保護したんです」
「カラスは保護対象じゃないだろ」
カナタが慌てて返答するも、雷斗がすぐに論破する。カプトは、絶滅危惧種をモンスターからの被害から守る為に一時保護もしている
「どうする、一応保護班を呼ぶかい?」
カナタの頭の上にいる八咫烏を撫でようとするマルティナ
「い、いえ…絶滅危惧種でもないですし、妙に懐かれて離れないので…ステーションに連れて帰れませんか?」
と、カナタ
「ステーションで飼いましょう!!」
白の提案に難色を示すマルティナ
「そ...そうしましょう」
ローズィーも白の提案にのる
「お前がそんな事言うなんて珍しいなローズィー」
雷斗が怪訝な顔をする
「こんな小さい子、ここに無理に置いていく事も出来ないでしょ」
ローズィーが慌てた様に弁明する。雷斗が八咫烏を見ると、八咫烏は目をキラキラさせて、雷斗を見る
「あの数のモンスターと会敵したのに、生きて帰れたわけだしな」
「コイツは幸運のカラスかもしれないぜ」
「古来よりカラスは吉兆の鳥ともいうし」
カナタ、ローズィー、ライオネルの3人は口々にお互いの発言を擁護する
「俺には、魔女の隣にいるイメージだが?」
雷斗は乗り気ではないが、白はノリノリだ
いつもの様にワイワイと騒ぎだす面々。それを見て大きくため息をつくマルティナ
「色んな事がありすぎた...周辺にモンスターが居ないか、もう一度索敵し、異常がなければ退却する」
「了解(一同)」
バーチャル上のカプト会議
カプト、αからεそして地球世界政府の代表がバーチャル上で会議をしている。ε(イプシロン)からマルティナとタン司令が出席しており、先の件を報告している
「世界の霊獣を、モンスターが狙っているだと?」
「そもそも霊獣とは何かね」
各代表の質問にマルティナが答える
「34地区に伝わる、日本古来より伝わる伝説のカラス、八咫烏の様に、伝説上の生物の事だと思われます」
「そんな、非現実的な」
「しかし、そもそもモンスターの存在も、50年前までは非現実的でした。古来より語り継がれている生物が本当にいても不思議ではありません。現に私は、八咫烏の力を持っているであろう、ヒーロー達を目撃しました」
「ヒーローだと?コミックの読みすぎでは?」
「私は彼らに助けられましたが、同じ存在が各地域に存在しているかは、わかりません。しかし伝説の生き物、霊獣と言われる様な存在は、各地域に伝承があるはずです。八咫烏も我々はキマイラとして処理するはずでした、しかし逆に私は助けられた。もし地域の霊獣を発見し、仲間に出来れば、モンスターを絶滅させる事も可能なのではないでしょうか?」
「しかし、伝説の生き物なんて...」
カプトβ(ベータ)北アメリカ、ラテンアメリカ地区の代表が何やらハッとする
「15年前に、大型の霊長類キマイラを駆除したが...まさかビッグフットだったってオチじゃないだろうな」
黙ってしまう、各代表達
「なぜ狙ってるかは、現時点ではわかりません。しかしもし霊獣と思われる様なキマイラを発見した際には、何卒ご配慮をお願いします」
マルティナが、頭を下げ。努力目標として会議は終了する
司令室から退出するマルティナ。その部屋の前にある人物が歩いてくる
「どうでしたか、会議は?」
「努力目標って事になったわ」
「まぁ、上々ですね」
その人物の言葉に、マルティナが申し訳なさそうにうなだれる
「我々カプトは、モンスターと戦いながら、生き物を探して保護するには、最適な組織ですからね。マルティナ隊長」
マルティナは答えない
「お前はもう、こちら側なんだ、マルティナ・フヨウ」
その人物は、マルティナに顔を近づける
「あの八咫烏が分裂した3匹を捕まえて吸収して導きの力を得る...もし導きの力を得られなくても、カプトにいれば最強の霊獣に会えるかもしれないからな」
マルティナの表情が、徐々に恐怖に染まっていく
「...期待してますよ」
そう言い残しその場を去る人物
「ごめん...みんな...ごめん...」
通路の隅で、マルティナはそう言いながら、拳を握る
涙をグッとこらえ、上を向く
「これが...私の望み......だから...」
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