EP2 変身!!色とりどりのカラス達2/3
「なんだ、お前達は...残りの八咫烏の力...奪ったのか。よくやった、さぁその力、頂こう」
その言葉を聞き、レッドは察する
「あいつが、八咫烏の力を奪った...人間型のモンスター!?」
「お前達...人間...なのか?」
翼を持った金色の人型モンスターが降りてくる
その姿はレッド達と似ている...が翼を持ち、全身が金色である
3人とモンスターの間に立つと、その金色のキマイラは3人を観察する。レッド達も同様だ
「私たちと似ている」
「俺たちは翼は無いけどな」
カササギのコックピット、マルティナもその様子を見ている
金色のキマイラは翼を下ろし、周辺に散らばるモンスターの死骸を見る
「オーラ...導く力はお前達が持っているな??」
モンスターと人の中間の様な声、本能的に恐怖を感じる声
「残念だが、お前にこの力を渡すわけにはいかない!!世界の霊獣は俺が守る」
レッドがそう告げると、金色のキマイラは笑い始める
「フフフフフ...人間が俺たちに敵うわけないだろ...生き残るのは、俺たちだ」
その言葉を聞き、身構える3人
「...まぁ、いい...今日のところは見逃してやる...」
金色のキマイラはカササギを見る
「邪魔が入りそうだからな」
金色のキマイラが手を上げると、モンスター1匹1匹の上に魔法陣が形成され、モンスター達はジャンプし、その魔法陣に吸われる様に姿を消す
「お前!!人間なのか!?モンスターなのか!!??」
ブルーが怒鳴る
「...さぁな」
金色のキマイラは、フッと笑う
「名を名乗れ!!」
ブルーは続けて怒鳴る
「名が知りたければ、自分から名乗るもんだよ。お嬢ちゃん」
「何を!!私たちは戦!!」
レッドが慌てて、ブルーの口を塞ぐ
「ふがふん」
「バカ、部隊言おうとしたろ!?」
「戦?...隊??...」
金色のキマイラは怪訝に見る
「俺たちは、八咫烏に導かれた。お前が八咫烏から奪った力を取り戻す為にな」
レッドが右手にオーラを溜めながら、話す
金色のキマイラはそのオーラを見て
「ならば、俺の名を覚えておけ。俺はブリッツ。人類を絶滅させる者、そしてモンスターの頂点に立つ者の名だ」
そう言い、ブリッツは翼を広げ、右手を上げると、魔法陣が形成され、転移し、居なくなる
「今は、あいつと戦わなくて、正解だったな」
ブリッツが居なくなると、レッドとブルーはその場に座り込む
レッドは膝をつき、ブルーはその場に倒れこむ
「はぁはぁ、現実か...これ...私たち...キマイラになってしまったのか?」
「次から次に、設定盛りすぎなんだよ。理解が追い付かないって」
「二人には悪いが、早くカササギから離れるぞ。隊長に見つかる」
「元に戻れるのか俺たち」
「あぁ、問題ない」
3人ではない声がし、3人はハッとし警戒する
3人の前に、いや足元に小鳥のサイズ、手乗りサイズのカラスがいる
「八咫烏...なのか?」
カナタが小鳥に尋ねると、小鳥はコクっとうなずく
3本足でもなければ、翼も4枚ではなく、普通のカラスだ...ただサイズが小鳥サイズで、なんと言うかアニメやぬいぐるみみたいな可愛らしさがある
「とりあえず、森へ。そこで変身を解除しよう」
森へ移動する3人と小鳥サイズの八咫烏
「ここまで来れば、大丈夫だろう。感知能力が高くなっているはず、嗅覚、聴覚、視覚など感覚が鋭くなっているはずだ」
3人が辺りを警戒する
「うん、人間はいなさそうだ」
感覚が研ぎ澄まされている。森の木々の葉音が、虫や動物の気配、風の流れ、五感が今までとは違う
「さっきの戦闘中、いつもよりもモンスターの動きがよく見えたのは、そういうことか?私たちはキマイラになってしまったのか?」
戦闘中は、夢中で気づかなかった感覚に、ブルーは感動と同時に不安になる。あのモンスター達と同類になってしまったのかと
「質問はあとだ、まずは変身とやらを解除する方法を教えてもらおう」
グリーンが八咫烏に迫る
「うむ、そのスカーフを外すだけだよ」
ネクタイを緩める様に、首とスカーフの間に指を入れ、ゆっくり引くとスカーフは外れ、光が全身を包むと、元の人間の姿に戻る3人
「良かった...」
ローズィーが安堵し、寝転がる
「色々と整理させてくれ、八咫烏。俺たちに何をしたんだ?」
ライオネルとカナタは、小鳥サイズの八咫烏の前に座る
「私はこの地域では、神の使いと言われている。私が存在する事で、世界各国の霊獣が一ヶ所に集まる事が出来るのだ...逆を言えば、私は世界の霊獣の位置を把握出来ていた」
「なるほど、だからモンスター...ブリッツは八咫烏と融合して、世界の霊獣を見つけようとしていたわけだ。霊獣と融合する為に」
ライオネルが予測すると、八咫烏はうなずく
「この50年間、ずっとモンスターと戦っていたのか?」
「そうだ」
カナタは、八咫烏の返答を聞き、心が苦しくなる。自分達、カプトは何も知らなかった、知らない所で、人を守り、戦っていた八咫烏...辛かっただろうに
「そしてあの金色...ブリッツってやつに融合されそうになったって事か」
「油断したよ。モンスターと融合した人間が私を狙っていたとは、考えが及ばなかった」
「今もあいつが狙っているって事は、霊獣の位置がわかる能力はあいつには無いのか?」
「あぁ、融合されかけた時、私の体を分離し殆どの能力が奪われてしまったが、霊獣の位置が分かる能力と私の残りの能力を3人に分配して渡したのだ」
「その結果の、変身、か」
カナタとライオネルは考えこみ、自分達の置かれた状況を整理し、確認しようとするが
「つまり八咫烏の能力を使って、他の霊獣を見つけて保護、あの金色や他のキマイラやモンスターは、八咫烏の力でボコすってことだろう?...話が長いよ」
ローズィーが転がったまま言う
「簡単に言うなローズィー」
「カナタが深く考えすぎなんだよ」
2人のやり取りを見て、ライオネルは、やれやれと苦笑する
「いや、そう思ってくれていい」
「確かに霊獣を探すにしても、モンスターを相手にするにしても、ブリッツを倒して八咫烏の力を取り戻すにしても、俺たちカプトは最適の部隊かもな」
ライオネルは納得するが、視線の先のカナタとローズィーは言い合いをしながら、追いかけ合っている
「俺たちで良かったのか?第1小隊の方が任務遂行能力は高かったかもしれないぞ」
「いや...君たちがいいんだ。君たちが」
八咫烏は、懐かしそうな目でカナタを見ている




