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戦闘動物保護部隊CAPUt!!〜愛しい駆除対象の英雄たち〜  作者: 柴犬乃ぐんて
第2部【異世界転移は、悪夢の始まり】
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76/104

EP20 カプトとして、人間として6/6

その頃、雷斗は唖然としていた


「なんなんだ」


脱ぎっぱなしの隊員服、まるで高校生の部室の様な乱雑とした部屋。シャワーホースは床に置いてあり、会議の前に使ったのであろう、水滴が滴り落ちている。トイレは、用を足す為だけの場所という感じであり、殺風景である

 床に落ちていた服をバサバサッと振りさばき、何事もなかった様に、椅子にかけるライオネル


「まーくつろいでくれよ」

「まだ来てそんな経ってないのに、散らかりすぎでしょ」

「雷斗、何を言ってる整理整頓は軍人の基礎だぞ」

「その言葉、そのまま返します」

「ガハハ、貴重な男だけの空間だからな。たまには良いだろ。気を使わなくても」


ステーションでも、スペースシップでも男女混合での共同生活、確かにライオネルが言う様に貴重な空間ではあるが…


「おい、カナタも副隊長になんか言えよ」


雷斗がカナタを呼ぶと、パンイチのカナタが奥から顔を出す


「いいだろ、たまには」

「はぁ〜、お前らって本当に」


雷斗は観念し、荷物を降ろすと、椅子に腰掛ける

すると雷斗は、ジッとカナタをみる。その眼光は鋭く、カナタの肌に突き刺さるようだ


「なーカナタ。お前、白の事どうしたいんだ?」


雷斗の突然の質問に、カナタは思わず硬直する


「どうって!?」


カナタは、その質問の意図を測る


もし叶うなら、将来、一緒に生きたい


そう思った時、江ノ島での白の発言を思い出す


「もし、私がいなくなっても、悲しまないでね」

「カプトは辞めないよ。もちろん死ぬつもりもない。でも危険な任務があるじゃない?私たちはいつ死に別れてしまうか…やっぱり分からないし、お互い生きていても、離れる日がいつか…来ると思うの…たぶん私はクラゲと同じ、死ねば身体も残らないから」

「恋人になって欲しいとか、そういう事じゃないの…私は…ダメなんだよ」

「私はいつかカナタと離れてしまう。絶対の必然なの…その時が来た時、カナタに悲しんで欲しくないの…大好きだから」


白は、何かを隠している。いつも明るくしている白だが、時折、深い悲しみを背負った表情をしている事がある事を、カナタは知っている


「白ってさ、たまに悲しそうな表情するよな、雷斗はその理由を知ってるのか?」

「すぐ質問を質問で返すよな…」


雷斗はそう言うと、少し間をおき


「白は、6年前家族で交通事故に遭って、それより前の記憶が無いらしい…」


それを聞いて、ライオネルは


「隊長も言ってたな。スカウト時に聞いたらしいが」


それにショックを受けているのは、カナタだ


「俺は…知らなかった」

「昔は早く記憶を取り戻したがってた…けどな、ここに来てからは、記憶が戻って別の自分になるのを怖がっている」

「そうなんだ…」

「それこそ男同士の時にしか聞けねーからな。カナタ、白をどうしたい。一線引いていないと、辛いのはお前かもしれないんだぞ」


そういう雷斗の胸はざわつく

嘘をついている

俺は早くあいつを取り戻したい

カナタは関係ない

一線引いて、白との距離をあけて、遠ざけているのは、自分だ


「なぁ、カナタ」


カナタは、じっと考える

脳裏には、白の笑顔や騒いでいる時の表情、色んな白の事を思う


「想いが離れない様に、努力するさ。それにまずはこの任務で、白を守り、狙撃を成功させ、生きて帰る、俺だけじゃなくて、全員な。まずは生きて、生きて、その時、白が、皆がそばにいてくれたら、俺は満足だよ」


笑顔を作るカナタ

それを見て、フッと笑う雷斗


「叶えばいいな」


雷斗はそう言うが、カナタはそれは何処となく、叶わぬ想いに対して言ってる様な、拒絶の様な気がしてしまう



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