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戦闘動物保護部隊CAPUt!!〜愛しい駆除対象の英雄たち〜  作者: 柴犬乃ぐんて
第2部【異世界転移は、悪夢の始まり】
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75/102

EP20 カプトとして、人間として5/6

人間の手で…


オルトロ討伐戦を思い出して欲しい


 カナタ達からすれば、オルトロとレッドの戦いの後に、ヴァルバリキアと名乗る人型のキマイラが介入、アムカが復活する事など一方的に話され、ブリッツと共に消えた…という感じだ


しかしあのオルトロ戦は、マルティナが特務大尉に任命された初任務でもある


 あの時、マルティナは、ヴァルバリキアに変身し、第2小隊よりも先にオルトロを発見し、速攻で討伐を完了させ、《《第1小隊との戦闘》》によって討伐したと偽装するつもりだった


 禁足地のキマイラをカプトが討伐したという実績が必要だったのだ


 今回のエルドキナ戦もカプトの戦果が必要である為、《《人間として》》討伐する必要がある、それは白にも雷斗にも釘を刺してはいるが、またファルベカラーズが現れるかもしれないという疑念は払拭出来ない

 ファルベカラーズは何者たちなのか、マルティナに見当はまだ無かった


 八咫烏を発見し、旧関西地区に出動する任務を作り、雷斗《ブリッツ》が八咫烏を吸収するチャンスを作ったはずが、先行で放ったモンスターを倒していく存在が現れた

 それはまるで昔見たヒーローのようで、胸が高鳴ったのだ。特に身体が大きく自分を包むように守ってくれたグリーンには、一瞬で心を奪われた


 あと6年早く、ブリッツより早く彼に出会っていれば、自分は今の運命を選んではいない



 8年前、当時のカプトと地球世界政府が合同演習を行なった。その頃のマルティナは、地球世界政府の兵士であり、階級は少尉で小隊長だった

 合同演習で同士討ちをさせ、クーデターを目論むカプトと政府軍の士官をマルティナは偶然に知り、唯一カプトで交流のあるタンに相談。しかしその最中、クーデター軍が行動を起こし、合同演習部隊と白兵戦メインの戦闘となった。


 結果はマルティナのいち早い行動の功績は高く、タンの類まれなる機転と戦術でクーデター軍を抑え込める


 クーデター軍は、マルティナ以外の小隊の隊員達全員と別の2小隊であり、マルティナだけがクーデターを企てていた事を知らなかったのだ。その戦闘でクーデター軍は全滅をした。クーデターが成功すれば、マルティナは口封じに殺されていただろうし、失敗すれば新米尉官の起こした事件として処理される予定だったのだろう


 このクーデターも、一部の兵が起こした《《気の迷い》》として処理され、大々的に報道はされたが、報道された期間はあまりにも短かった


 この時、マルティナに地球世界政府軍に対しての疑念が生まれ、正当な手続きを踏み、タンの協力もあり、カプトへ移籍をした、それが合同演習クーデター事件から1年後の事だ


 それからさらに1年後、今から6年前に【アムカ事案】は起こった


 その頃はまだ静止軌道衛星上のステーションがメインステーションと2基のステーションしかなく、地区関係なく、緊急出動する部隊は各ステーションで生活をしていた。当時タンとライオネルはイプシロン地区、マルティナはベータ地区に所属しており、ニューヨーク州マンハッタン島でキマイラ同士が戦い始めたとの通報を受け、マルティナも所属するベータ地区担当の小隊が出撃した


 その時、暴れていたのが鎌鼬《かまいたち》のホワドだ。ローズィーの身体を裂き、家族を殺したキマイラ…いや霊獣だ


戦火は広がり、別地区のカプトの部隊も派遣され、マンハッタン島は戦場となった


 そして雷斗と白…と出会ったのだ


 もしも先にグリーンに出会っていたら、どうなっていただろうか?


自分らしくない考え方に、マルティナはフッと笑みをこぼす



「どうしたんです?何が面白いんですか?」


会議後、スペースシップ白鷺に向かう際、女性陣3人。突然微笑むマルティナを見て、ローズィーが質問する


「思い出し笑いってやつだよ。ローズィー君、明日は宜しくね」

「はい、隊長とツーマンセルは久しぶりで緊張しますが、宜しくお願いします」

「大丈夫、この1週間、十分訓練した。自信を持って」

「はい」


ローズィーは私物をまとめたリュックサックを背負っており、何やら緊張した面持ちで白鷺の前に立つ


「どうしたの?」


そんなローズィーを見て、白がきょとんとした表情で質問する


「私、白鷺《シラサギ》に乗ったことないし、勝手なイメージだけど、第2小隊の鵲《カササギ》より、清楚なイメージだなって」

「同じサギなのに?」


漢字で読むと白と書いてある白鷺《シラサギ》に純白のイメージはあるが、言葉の響きはシラサギもカササギも◯◯サギだから、白には同じに感じていた


「それ、カナタに言ったら長いよ。鵲《カササギ》は、スズメ目カラス科だから鷺《サギ》じゃないっ」


ローズィーは、カナタの声や身振りのマネをしながら言う


「ははは」


白はそれを見て笑う

2人のやりとりを見て、マルティナが微笑みながら話す


「そもそも白鷺《シラサギ》って鳥もいないんだ。今度カナタ君に聞いてみるといい」


そう言われた2人は少し嫌そうな顔を作りながら、笑い合い、歩みを進める


 スペースシップ白鷺《シラサギ》の中に入ると、ローズィーは、目を輝かせる


「本当に同じ機体ですか…綺麗」


整っている、全ての備品が整理整頓され、シャワー室も蛇口には水垢も無く、シャンプーやボディーソープの底や出口に石鹸がこびり付いても無く、トイレもホテルの様に綺麗で、何よりも可愛らしい装飾がされており、落ち着いた空間を演出している、白の趣味らしい


「白鷺はSUNシリーズの90番台だから、100番台の鵲《カササギ》の方が使い勝手は良いし、基本構造は鵲の方が、デザインは洗練されているはずだけど?」


ローズィーの発言を不思議がるマルティナ


「…そうかもしれないですけど…やっぱり使っている人の差………なのかなぁ」


ローズィーは胸に手を当て、自分自身に問う


「雷斗、卒倒してない…よな」


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