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戦闘動物保護部隊CAPUt!!〜愛しい駆除対象の英雄たち〜  作者: 柴犬乃ぐんて
第2部【異世界転移は、悪夢の始まり】
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74/103

EP20 カプトとして、人間として4/6

マルティナ達が三亜市のベースキャンプに到着したのは、現地時間の22日の夜だった。到着するなり、早速作戦の概要をアンホとカプトで共有する


全隊員の前にマルティナが立ち、モニターには簡易的であるが、エルドキナを閉じ込めている隔離区画、禁足地の全体図が表示されている


「エルドキナは【キマイラの五界説】でいう【通常キマイラ】か【霊獣】と思われる個体です。まずはその選別も含めた行動の為、私達カプトは3組に分かれて行動する。狙撃班は狙撃手に元橋白、観測兼護衛として、ライオネル・ロードと臨春嶺森林公園の展望台に配置」


隔離区画の北側の山中にある臨春嶺森林公園に【狙】という字が緑色で表示され、その南側に狙撃ポイントとして赤丸で囲われた場所が表示される


「狙撃班のいる臨春嶺森林公園からまっすぐ南に通る鳳凰路は見通しが良い場所になる、ここを狙撃ポイントに設定。ただ情報は20年前の情報だ。木々の成長や廃墟の状況は、確実に変わっているはず、禁足地に入ってエルドキナに察知されるわけにはいかないからね、白君の狙撃ポイントは当日判断になる、いいね?」

「了解」

「なお今回使う特殊弾の性質上、最大射程は1200mと考えられる、エルドキナの感知距離との差は200mほどしかない事を皆十分理解して欲しい」


続いて西側の海岸線から臨春嶺森林公園までラインが引かれる


「アンホ・イプシロン隊にはこの臨春嶺森林公園よりも北に前線を配置してもらい、エルドキナが展望台よりも北側を中心に隔離区画から絶対に出ないようお願いします」


中国方面副隊長マーが答える


「大丈夫です。それは我々の通常任務ですので」


禁足地、つまりキマイラを閉じ込めている隔離区画から出ない様に常日頃見張っているのも、地球世界政府の任務なのだ


「頼りにしてます。エルドキナの誘導を私マルティナ・フヨウとローズマリー・タケハヤ。城雷斗とカナタ・マテラスの2班で行う。つまり男女で分かれる」


するとヴァンが質問をする


「なぜ男女で分かれる?」

「それについては、カナタから説明します」


カナタはマルティナの隣に立ち、モニターに過去のエルドキナの戦闘記録と情報を表示しながら、説明する


「エルドキナは、通常キマイラとするのなら、アンホの皆さんのほうがお詳しいと思いますが、ヤマカガシの仲間がキマイラ化した個体だと予想されます。生態的には、毒を飛ばして攻撃するなどヤマカガシと同種の蛇に似ているからです。そして、今時期は冬眠をしている蛇である為か、エルドキナは12月と1月は、他の時期に比べ、行動が著しく低下しています、そしてこの時期に限って戦闘記録を見ると」


モニターの情報が切り替わり、戦闘負傷者の男女比が、日付とともに表示される


「これは?」

「現在の隔離区画に追い込まれる前のエルドキナは、秋から12月に戦闘を行なった際、その日その日で、女性がいる小隊は襲っていない事が分かりました」


マーがそれを見ながら


「つまり男性しか襲わないと?ヤマカガシはそういう生態なのですか?」

「いえ、ヤマカガシにはそういった生態はありませんが、ヤマカガシは秋期、11月頃発情期を迎える為、その本能が同性への攻撃、つまり女性への攻撃になっているのではないかという仮説を提唱しました」

「エルドキナはメスだという事ですか?」

「女性を攻撃する日は、男性のみの小隊を襲わず、逆に別の日には女性がいる小隊を襲わない日もある事に注目しました」

「どういう事です?」

「これまでの戦闘記録を見ると、戦闘に参加した兵の男女比は8:2なので、男性が襲われている事が当たり前だったので、見落としていたんです。男性のみを襲う日があるって事を」


ヴァンが腕を組み、感心しながら


「日によって、襲う性別があるという事か」


マルティナはその様子をみて、微笑む

カナタがさらに説明する


「はい。これまでの研究では、キマイラに発情期はありません。ヤマカガシと融合した事で起こったバグみたいな物だと考えられ、ホルモンバランスが崩れた結果、その日の体調次第で、男女どちらかを繁殖のライバルと考え、攻撃していると仮定出来ます」

「だから、男女で別れるって事か、蛇に人間の男女が区別できるのか?」

「あくまでもこれまでのデータでその傾向があるという仮説です。しかし作戦を成功させる為、1%でも考えられるのなら、対処はしておくべきだと思います。そして以上の事から、エルドキナは【霊獣】よりも【通常キマイラ】に分類される個体だと言える確率は高いと思われます」


ヴァンは、カナタを見つめ


「貴様、【キマイラの五界説】の提唱と、エルドキナの事についてよく調べたな」


ヴァンは立ち上がりカナタを褒めると、マルティナをみる


「貴様の事は気に入らんが、貴様の部隊の隊員は気に入った」

「いい部下でしょ?」

「あぁ、お前にはもったいないな」


ヴァンは、皮肉っぽくそう言うと


「カナタ・マテラス!!」


カナタを大声で呼ぶ


「はい」

「存分に戦ってくれ、エルドキナを追って生きてきた俺には、隔離区画に追い込み、監視する事しか出来なかった…お前になら討伐されても悔いはない」

「ありがとうございます」

「対エルドキナ防護服でも毒霧の中の呼吸は3分しか保たん。毒弾を直撃されたら即死だ。生きて帰ってこい」


ヴァンの激励に敬礼をするカナタ


「激励してるんだか、脅してるんだか」


その様子をみて、マルティナは苦笑する


「では改めて、アンホには隔離区画の維持と、モンスター発生に注力して頂きたい。カプトは、先ほどヴァン部隊長も言っていらしたが、血清があるとは言え、毒には最大限の注意を」


「了解(一同)」


カプトの皆が敬礼をする


「前回のオルトロ討伐は、ファルベカラーズ、レッドの邪魔もあった。今回は《《人間の手で》》エルドキナを討伐してみせる目的もある。皆、宜しく」


マルティナが敬礼すると、アンホの隊員たちも敬礼をする



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