EP19 雨宮死す!?消えた第1小隊??? 3/4
昼の休憩時間、カナタの部屋から出た雨宮は、まず倉庫の鍵を事務室に取りに行くのだった
事務室に着いた雨宮は、キムに用件を伝え、倉庫の鍵を借りると、施設の鍵の借用書に名前と時間を記入していた
「雨宮君、ちょうど良かった」
そこにマルティナが偶然居合わせたのだ
「アルファステーションに、アーガスの役員、鷹値さんがいらっしゃっている。急遽第1小隊で会いに行く事になってね、付き合ってくれないかな?フブキ整備長の了解は取ってあるから」
「了解…しました。でも午後からの狙撃銃の調整はどうします?」
「時間があれば、戻って来てからやりたいが…いいかな」
「今日工作室は、第1小隊しか使う予定無いですから、いいですよ」
「すぐにアルファステーションの小型スペースシップが停留所に迎えに来る。雷斗君と白君はもう整備室に行っているはずだから、声をかけて連れて来てほしい」
「了解しました」
雨宮は倉庫の鍵をポケットに突っ込むと、整備室に急いだ
整備室の工作室には、すでに雷斗と白が作業をしており、白の狙撃銃をバラして、中の掃除など整備を行なっていた
「ストップ、ストップ。作業は一旦中止」
雨宮は工作室に入るや否や2人に声をかけ、マルティナの言葉を伝える
「早く行かなきゃ」
「うん」
雨宮が急かすと、白が不用意に動いてしまい、工具や銃のパーツが床に散乱してしまう
「あーやっちゃったー」
「何やってんだ」
混乱する白に悪態をつながら、雷斗がパーツを拾おうとするが
「いいよ、後にしよう。今日は第1小隊しか使わないから、帰ってきたら掃除しよう。もう迎えが来ちまう」
3人は散らかしたまま、工具室を後にする
アルファステーションでは、アーガスの役員鷹値とアルファ地区イギリス方面軍部隊長イーサンと全アンホ統括部隊長サイラスとカプト部隊長マルティナ、そしてその第1小隊隊員とカプト整備班主任の雨宮での会談となった
これは今は割愛しておく
雨宮がアルファステーションに行っている間、整備員の大岡は探し物をしていた
大岡はスペースシップ白鷺と鵲は、もうすぐ新型のスペースシップと入れ替えで民間に引き払う予定になっており、書類をまとめる作業をしていた。多くの書面はデータとしてあるので、問題ないのだが、メーカーからの書類など一部はデータ化されておらず、倉庫内の金庫に保管されている事が分かったのだ
それに気づいたのは、雨宮がアルファステーションから戻る30分前、17時20分頃だ
倉庫の鍵を事務室に行くと、先に食堂に行った為キムはおらず、代わりに経理のオジさん山田が対応してくれた
「おやぁ?」
借用書のファイルと共に鍵を出してあげようとした山田だったが、倉庫の鍵がキーケースの中に無い事に気付く
「鍵が無いねぇ、誰が返してないのかな」
借用書のファイルを開くと、最後に倉庫の鍵を借りた名前は雨宮になっている
「雨宮くんが借りっぱなしにしてるみたいだね」
「雨宮さんなら居場所知ってます。雨宮さんから貰って、使ったら私が返しに来ますね」
「うん。分かったよ、使ったら返しに来てねー」
借用書の記名欄を大岡の名前に書き直す
今日、雨宮は第1小隊の付き添いで工作室にいると知っていた大岡はそう言うと、工作室に向かった
「あれ?」
雨宮もいなければ、散らかったままの工作室。仕事は出来るが感覚型の雨宮の性格で、今日の事務的作業や整理整頓をフブキに任されている大岡は、雨宮が《《また》》散らかしたまま出て行ったのだと、思った
「もう…雨宮さんのこういうところ、イヤなんだよなぁ」
頬を膨らませたまま工作室を出る大岡。部屋を出ると、格納庫から出てくるアサクラと目が合う。雨宮と自分とも仲がいいアサクラがいた事で、愚痴ってしまう
「雨宮さんどこにいるか知ってる!?」
「工作室じゃないの?」
「いないんだよ。まったくどこに行ったか知らないけど、鍵を持ったまま出歩いてるみたいなんだよね。ホントあのズボラなところはどうにかして欲しいと思わない!?」
「雨宮さんの良い所でもあるし、作業終わったから、整理したら一緒に探そうか?」
「私、もう少し探したら整備長に聞いてみるから、他に誰か知ってそうな人がいたら聞いてみて」
「りょうかーい」
この後、アサクラは格納庫の片付けと手洗いなどを済ませ、食堂でカナタ達に雨宮の事を聞く事となる
大岡は、他の場所で雨宮を探してみたものの見つからず、整備長室に赴く
ドアをノックし、中から返事がある
「失礼します」
部屋に入り、扉を閉めると、その場で姿勢を正し、直立する大岡
「どうした?」
フブキは多くのモニターに、先日の同時襲撃事案や近年のキマイラの映像を流し、忙しそうにキーボードを叩きながら、何かをシミュレーションし、数字とにらめっこしている
その表情は…怖い
「あっ…あの…雨宮主任を探しておりまして、こちらではないかと思い伺いました」
大岡は、緊張でやや声が震えている。こんなに集中しているフブキの仕事を邪魔してしまったのではないかと、内心はハラハラしている…なかなか答えが返ってこない
フブキはようやく手を止め、大岡をみる
「雨宮なら、マルティナ隊長とアルファステーションに行っているはずだ」
「了解しました。ありがとうございます」
すぐに退出しようとするが
「雨宮に何か用だったら、俺が変わるが?」
フブキは大岡を呼び止める
「そんな、雨宮主任に用事ではなく、倉庫の鍵を雨宮主任が持ち出している様なので…」
いつもより動きがバタつく大岡を、じっと見るフブキ
「そうか、大岡には書類を頼んだったな。金庫の書類が必要なんだろ」
「はい」
フブキが腕時計を見る
時刻は17時45分
「あいつはいつ帰ってくるか分からん。俺のマスターキーを使おう」
「ありがとうございます」
「規約で貸す事は出来ないからな。俺も行こう」
フブキが立ち上がると、大岡は何度も何度も礼をする
大岡とフブキは共に倉庫へ向かう
倉庫をフブキのマスターキーで開けると、大岡は奥の金庫へ向かう
久しぶりに倉庫に入ったフブキは、見慣れない箱や、養生シートに包まれた何かが乱雑に置かれている事に気付く
何気なく箱を開けたフブキの顔は、みるみるうちに鬼の形相になっていく
「大岡、手の空いている者を呼べ、この辺りの中を検める」
整備室にいた整備員10数名が倉庫に呼ばれ、箱を開け、養生シートを剥がす
箱の中には大量のエロ本、養生シートに包まれていた物は、なんとある姿をした白の立像だった、しかも1体ではない、養生シートが包んでいる物は10体はある
その作業がはかどらない1人の整備員
「どうした、ヨウマオ。体が震えて手に力が入ってないな」
フブキに肩を掴まれたヨウマオは、呼吸も荒くなっていく
「持ち主を知っているんだな、ヨウマオ」
雨宮の部屋の前、フブキがヨウマオの首根っこを掴んだまま、マスターキーで鍵を開けると、数人の整備員が部屋に突入。整備員達は、棚やベッドの下、シャワールームにトイレの排気口まで徹底的に調べる
1人が入り口で待機するフブキのもとへ戻って来る
「整備長…黒です」
「よし、部屋の物を全て倉庫へ持ってこい」




