EP19 雨宮死す!?消えた第1小隊??? 2/4
整備長室には、誰も居なかった
そうフブキも大岡も居ないのだ
「皆…どこに…」
アサクラは、ガタガタと震え始めている
その様子を見て
「雨宮、第1小隊、大岡もフブキ整備長…いったいどこに行っちまったんだ?」
ライオネルは冷静に考えているが、カナタもローズィーも心中は穏やかではないようで、フブキの部屋からすぐに何処かへ行こうとしている
「おい」
「副隊長!!皆に何かあったんですよ、俺、雨宮の部屋に行ってきます」
カナタは雨宮の部屋へ
「私、事務に行ってみます。外出したのなら、届け出が出てるはずです」
ローズィーは事務室へと走る
雨宮の部屋の扉に手をかけるカナタ。部屋の扉は引き戸であり、手をかけると少し開く、施錠されていない
「雨宮入るぞ」
ゆっくり扉を開けて、中を確認する
なんと、部屋の中は空っぽ、家具も何もない
「えっ!?」
一度出て部屋を確認する、確かに雨宮の部屋だ
「どういう事だよ…悪い夢でも見てるのか」
まるで雨宮の存在が消えてしまった様な感覚に陥る。はじめから雨宮という人間はいなかった…と
最近もこの部屋で話し合ったじゃないか…自分たちの秘密を話し合ったじゃないか…雨宮は存在している
「くっ」
カナタは自分に言い聞かせる様に、雨宮の事を思い出す
カナタが部屋から出ようとすると、そこにローズィーがやってくる
「なんだこれ」
ローズィーもまた雨宮の部屋を見て絶句する
「何も無いんだ…もぬけの殻だよ」
「事務に行ってキムに話を聞いた。雨宮は昼過ぎに倉庫の鍵を借りて、その後、マルティナ隊長に呼ばれたって」
「隊長に!?」
「それに鍵の借用書ファイルには、確かに最初は雨宮の名前が書かれていたのに、大岡に書き換えられているんだ」
(第1小隊もいない、雨宮は存在を消された様になっている…何か関係が?)
「とりあえず倉庫に行ってみよう」
カナタが提案すると、ローズィーもうなずき、2人は倉庫のある区間に走る
カプトステーションは、定期便が到着する出入り口に事務室があり、その隣には応接室と隊員室、次に会議室があり、食堂兼談話室と続いている
事務、調理員、隊員の居住区と、整備員居住区に区画が分かれ、整備長室があり、それに続いて整備員居住区、奥に隊員の簡易訓練スペースや試し撃ちの射撃場などがあり、その奥に整備室と巨大な格納庫がある。倉庫はさらにその奥にあり、大型ダストシュートも完備されている
「キャーーーーーー」
走るカナタ達の鼓膜を甲高い女性の叫び声が貫く
聞き覚えのある声だ
カナタの走力が一段上がる
「白!!!!!」
格納庫から倉庫へ続く通路には、今しがた叫んだ女性が、横たわり、ガタガタと震え、目には涙をためている
「白、大丈夫か」
カナタは、白の頭を腕で包み込み、自分の胸に引き寄せる
「…......カナタ」
涙声の白の身体は震えている
「何があったんだ。今までどこに」
「カナタ…私…怖いよ」
カナタは白を撫でる事しか出来ない
それを見ているローズィーは、通路の先に雷斗がいる事に気付く
「雷斗、何があったんだ」
「…何って」
「第1小隊がどこにも居なくて、私たち探してたんだよ。雨宮も一緒じゃないのか!?」
ローズィーがそう言い雷斗が答えようとすると
「雨宮!?誰それ…知らない」
と白が冷たく言い放つ
「おい、雨宮だよ、整備の」
カナタもそう言うが、白は先ほどまでの震えている白では無い、無表情になり、冷たく言う
「私そんな人知らない…あまみや??」
カナタとローズィーは絶句する
そんな様子を見ていた雷斗は、大きなため息をつく
「この先にいるよ。フブキ整備長と隊長と副隊長も一緒だ」
雷斗が奥の倉庫を指差すと、アサクラと大岡がやってくる
「あっカナタさん、今呼びに行こうかと、雨宮さん見つかりました…あははは」
アサクラが、やや冷笑気味に言うと、大岡が隣で
「馬鹿な先輩には近づかない方が良いと思います。皆さんお騒がせしました。解散しましょう」
と皆冷ややかで、さっきまでの焦りや雨宮の身を案じていた気が、どんどん冷静になっていくカナタとローズィー
カナタが倉庫の扉に近づくと、中から叫び声と怒鳴り声が交互にしている
「何が…」
カナタが扉のノブを掴むと、大岡が後ろから声をかける
「見ない方が……」
カナタは振り向き大岡を見る。大岡はカナタの目を見てはいない、中で行われている行為に目を背けたいようだ
カナタが意を決して倉庫の扉を開けると、大型ダストシュートが起動しているらしく、赤と黄色の回転灯が回っている。その光がフブキやマルティナを逆光で照らし、2人をライオネルと何人かの整備員が見守る
3人の視線の先には暗さと逆光でよく見えないが数人が立っているようだ
フブキが1人を掴み上げ、ダストシュートに投げ込む
「ギャーーー」
雨宮の声だ!!
雨宮の叫び声が倉庫の中に響き渡る。そしてまた次の人を投げ入れようとしている。マルティナもライオネルもそれを黙って見ているだけだ
「何をしてるんですか!!」
カナタは、フブキに駆け寄り、その手を掴む
「なんだカナタ…邪魔するのか」
「邪魔するのかって、あなたは何をしてるんですか!!!」
「ゴミを捨てているだけだが?」
「ゴミだなんて、そんな」
そのやり取りを見て、マルティナが声をかける
「カナタ君、よく見るんだ」
フブキが掴んでいる人を見るカナタ
それは白だ
「白!!?」
一瞬ギョッとするが
「白の人形!?」
なんとそれは水着姿の白の立像だった
そしてその周りには、大量に箱詰めされたエロ本が散乱してる
「フブキ整備長、お慈悲を」
「ならん」
また白の立像がダストシュートに投げ込まれると、雨宮と数人の整備員が叫んでいる。雨宮達をよく見ると後ろ手に縛られており、足も拘束されている
エロ本や白のフィギュアや立像がダストシュートに消える度に、彼らの叫び声が倉庫に響く
「なんだ…これ」
ローズィーは呆れている
すると、同じく呆れ顔のマルティナが
「何から話せば良いのやら…」




