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戦闘動物保護部隊CAPUt!!〜愛しい駆除対象の英雄たち〜  作者: 柴犬乃ぐんて
第2部【異世界転移は、悪夢の始まり】
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67/103

EP19 雨宮死す!?消えた第1小隊??? 1/4

軌道衛星上に並ぶ6つの宇宙ステーション

その中の1つの元々カプトを統括していたメイン宇宙ステーションは、世界政府軍とカプトがアンホに再編され、アンホアルファ地区部隊の駐在ステーションとして運用され、他4つが各地区のアンホが在住しているステーションとなっている

 元々カプトイプシロン地区のステーションとして使われていた宇宙ステーションが、再編後のマルティナを部隊長とするカプトのステーションとして使われている


 2週間後の12月22日にイプシロン地区中国方面での、キマイラ「エルドキナ」の討伐に向けて、作戦を練り、訓練をするカプト隊員達


 それを支える整備員、事務員、食堂調理員もまた討伐作戦に向けて、動いていた


そんな中…事件は起こったのだ



昼休憩の時間

カナタの自室にいるカナタと雨宮は、先日の同時攻撃事案の映像を見ていた


「あのさ、神音《カノン》が使っていたビームって何を飛ばしているんだろう?」


映像の中でビームを撃つ神音《カノン》を観ながら、カナタは雨宮に疑問をぶつける


「一番近くで見ていたお前が分からなきゃ、俺が分かるわけないだろ」

「そりゃそうなんだけどさ、照射と連射を使い分けているよな」

「だな。6本の触手を束ねたビームは照射、1本で撃つビームは連射…って感じだな」

「照射を当てられた戦車は一瞬で装甲が融解、連射は5発連続で当たった場合に融解している。照射は、上下左右に振る事が出来ないから、戦車隊や歩兵隊に対しては連射を選んで攻撃しているみたいだ」


映像の神音《カノン》は確かに、6本束ねている時はビームを大きく振る事が出来ないみたいで、ヘリに対して攻撃している時も狙っているというよりは、ヘリの動きを予測して、飛行ルートにビームを置いている。横に広がっている戦車隊には、触手を自由に動かせる連射を使っている様に見える


「使い分けが解れば問題ないだろ?」

「SFだったら、金属粒子とか何らかの荷電粒子を砲弾として撃っているって事になるんだろうけど…神音《カノン》は、キマイラ…一応生物だろ?生物からそんなもん出るか?」

「うーん、今更、そんな常識言われてもなぁ」

「粘液…体液…排泄物…なら」

「きたねぇな」

「それこそ近くで見たからこその印象なんだけど…レーザーライフルの光線に似ていた様な気がするんだよ」

「レーザーライフル…か。そういえばカナタ、レーザーを刀で受けたとか報告が上がってたな」

「うん」

「レーザーライフルは高出力マイクロ波を使ったレーザーだ。簡単に言うと遠距離で照射出来る電子レンジだな、だから生物のみを死傷させる兵器として注目されている。アルミ合金やステンレスで出来てるライフルで受けていたら角から放電してしまう危険性がある、刀はいい判断だったな」

「マイクロ波って電波だろ?なんでレーザーライフルは可視光線が出てるんだ?」

「あれは高出力のマイクロ波が空気中の塵や水分子を焼くから可視光線になるんだよ」

「神音《カノン》のビームも同じ様な原理だったらって…」

「電波を飛ばす動物なんていないだろ。電気はどうだ?デンキウナギとかみたいに電気器官があるとか?」

「そうか動物に備わっている能力と想定するなら…イルカやコウモリみたいな超音波はどうだろう」

「確かに、超音波振動での摩擦熱を使うのなら…」


雨宮は神音《カノン》の映像を見ながら


「そうか!!」


雨宮は何かに気づき立ち上がる


「どうした?」

「もしかしたら、神音《カノン》のビームの謎が解けたかもしれない、ちょっと待ってろ」


雨宮は意気揚々と部屋から出ていく


しかし休憩時間内に雨宮は帰ってこない

カナタは「まぁ手間取ってるんだろ」と気にもせず、隊員室に向かった



その日の夕食時


「えっ雨宮がいない!?」


ローズィーとライオネルと共に食堂で夕食を取っているカナタに、ヘルメット姿が印象的な整備員アサクラが話しかけてくる


「昼休憩でカナタさんの部屋に行ったっきり戻らないんですよ」

「思いついた事があって、休憩時間中に部屋から出ていったよ」

「サボる様な人じゃないんだけどなぁ」


アサクラは困った様子で、カナタの隣の席に座ると


「何か言ってませんでした?」

「神音《カノン》のビームは何で出来てるかって話をしてて…それ以外は…」


カナタは向かいに座るローズィーをチラチラと見る


「なんだよ。私に関係ある事か?」

「関係はないんだけど…」


ライオネルがそれを見て


「女性の前で言いにくい事もあるだろ」


するとカナタは、ローズィーに弁明する


「言えないわけじゃないけど…雨宮の秘蔵品が、どこにあるか分からなくなったって」

「あいつ…10月末にカナタの部屋に隠してたの処分したじゃないか、まだあったのか」


ローズィーは呆れているが、その横でライオネルが


「人間だって動物だぜ。腹は減るし、眠くなるし、性欲だって湧く、長期休暇以外はこんな宇宙ステーションで過ごしてるんだ。犯罪を犯したわけじゃないからな、理解してやれとは言わないが、断罪しようとするなよ」


と諭す。それを聞いたローズィーは、口を尖らせながら


「私は理解してますよ。じゃないとどこかの誰かさん達がイチャイチャしてるのを見て見ぬふりなんかしませんって」


と言いながら、カナタを見る


「なんだよ…イチャイチャなんて」

「あれがイチャイチャじゃなきゃ、何がイチャイチャなんだよ。10代かよ」

「別に…普通に話してるだけじゃないか」

「カナタ?」


ローズィーは、諭すようにカナタの目を覗く


「私はカナタだって言ってないぞ。正直に言いなよ、白の事どう思ってるのかな?」

「どうって…」


ぎこちなく動くカナタ


「…動物の事、あんなに流暢に話すくせに、人間の求愛行動はどうやったら良いか知らないのか、カ・ナ・タ?」

「そんな事より、雨宮が行方不明なんだろ。探そうぜ」


カナタがそう言うと、辺りを見渡しているライオネル


「副隊長、どうしたんです?」

「そう言えば、第1小隊って昼以降見たか?」


今日の訓練は小隊ごとに動いているが、ライオネルが知る限りのスケジュールでは18時には訓練を終えていたはずだ


するとアサクラが


「雷斗さんと白さんは、13時前に整備室にいらっしゃいましたよ」


時計を確認する

現在時刻は18時14分だ


「今日の第1小隊の訓練って?」

「銃火器の性能の見直しですね。そんなにかかる作業ではないんですけど、雨宮さんが居ないんで、苦労してたみたいです。僕は格納庫で溶接作業していたので、チラ見でしたけど」


ライオネルの問いに、アサクラが答えると、カナタも思い出したように


「確かに昨日、白も18時には、食堂に行けるって言ってたけど」


ローズィーの視線が気になるカナタ


「そんな目で見るなよ」

「そんな目って、どんな目だよ」


カナタとローズィーがいつものように、やいのやいのと騒いでいる


「とりあえず、整備室の武器庫に行ってみるか」


ライオネルの提案に、アサクラと共に3人は整備室に向かう




「なんだこれ?」


整備室の武器庫横にある工作室

そこは主に隣の射撃場での試し打ちをして、調整を行う為の作業場である


「白の狙撃銃だろ、これ」


カナタが見つけたのは、デスクの上にバラバラになった白の狙撃銃。バラバラになっているだけではなく、まるで作業途中で誰かに邪魔され、連れ出されたかのように、乱雑に散らかっている


「アサクラ、これって」

「ごめんなさい。知りませんでした、まさか、こんな…放置される事なんて…」

「雨宮を探しに、ここには来なかったのか?」

「僕は来てないです。僕は作業を終えて格納庫から出たときに、こちら側から大岡が来て、雨宮さんを探してるって言ってたから、こっちには来てなくて」


アサクラは、バタバタと手を動かしながら説明する。カナタは白の狙撃銃のパーツを集めながら


「白に何かあったんじゃないだろうな」


カナタは静かに怒っている


「落ち着けカナタ」


ライオネルは、そう言いながら声は戦場にいる時の様な真剣さを感じる


「何か事件があったにせよ、ステーションの中だ、誰かに見つからずに、雨宮と白を誘拐した…なんて事はないだろ?冷静になろう。アサクラ、大岡はどこにいる?」

「食堂に居なかったから、整備長室でフブキ整備長に報告書を提出しているのかも」

「わかった」


2人の会話を聞いて、ローズィーが口を挟む


「雷斗も居たはずだろ?もし誰かが白をさらったとしても、流石に雷斗が抵抗出来るだろ!?」


ローズィーの疑問に、ライオネルは「雷斗が連れ出した」可能性を考えるが、それでは目的もわからない為、心の中に収める


「雷斗も一緒にいるだろ。雨宮も白も誘拐されたとは限らないんだからな」

「でも部屋がこんな状態で」


カナタは珍しく動揺している


「まずは大岡に会おう」


ライオネルは、カナタの肩に手を置くと、カナタは静かにうなずく


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