EP18 総集編!!ここから読んでも大丈夫!?大報告会!!4/5
「モンスターが融合した個体には触手がある事があります。オルトロやギュウガなど強敵であれば触手を持っている事が多いんです」
「面白い仮説だね」
「俺は触手の無い個体で人の言葉を喋る個体が、モンスター以外の力を持ったキマイラだと推測しています」
「触手が無く喋る個体か、ブリッツ、ヴァルバリキア、レッド、ブルー、グリーンがそうだな」
「やはりエグゼとカラーズは、特別な個体だという事じゃないのか?」
各部隊長が口々に意見を述べる
「そうとも言えますが…異質な個体がいるんです。魔法陣は触手の有無に関係なく使用出来るんですが、魔法陣を使わない触手のあるキマイラは、先ほどのキマイラAB、フィジカルのみで戦うキマイラにあたるはずなのです」
「ギュウガもそうだったな」
「しかしこれまでのデータの中で、触手を持ち、魔法陣を使わずに、特別な攻撃をする個体が1人だけいます」
カナタはある3Dモデルを指差す
皆がカナタの指が指す方をみる
「神音です」
映像の中の神音が触手を束ねてビームを撃っている
「俺はエグゼとカラーズの中でも、この神音だけは、特別な何かがあると思っています。容姿はアムカに似すぎているし、もっと過去のアムカの事を知れれば、神音の事が詳しく分かるかもしれない」
カナタの発言を満足そうに見ているマルティナ、そして
「皆さんどうでしょう。我々カプトは各地の禁足地にいるキマイラを駆除するために各国に伺います。キマイラ駆除の作戦行動中にエグゼ、カラーズが出現した時には、我々に対処を任せて頂けますか?」
「バカな、アンホはブリッツに対抗する為の軍でもあるのだぞ」
「はい、ですから私達カプトは対抗するのではなく、生態調査を兼ねて戦うって事です」
マルティナの意見を聞き、サイラスは納得する
「なるほど、生態調査ですか。確かに都市部に攻撃を仕掛けてきたエグゼやカラーズに対して、我々アンホでは、そんな悠長な事は出来ないですね」
「私達がこれから相手にするキマイラが、先ほどカナタ君が示したキマイラC、霊獣だった場合、エグゼか、カラーズが現れる確率が高いと思われます」
「分かりました。エグゼ、カラーズの生態調査はカプトに任せようと思います。アンホはブリッツの言うアムカの復活に備えて、軍備強化を進める方針を取ろうと思い…」
その後も会議は数時間続いた
会議が終わり、会議室から個々に出ていく隊員たち。マルティナがカナタを呼び止める
「ありがとうカナタ君、君のおかげで議論がスムーズに進んだよ。私達カプトの動きがより明確になったよ」
「いえ、礼なんて…あの隊長……隊長はなぜ、エグゼとカラーズは戦っていると思いますか?」
「それは霊獣を守ろうとするカラーズと、霊獣を得ようとするエグゼの利害が一致しないからでしょ?」
「そうなんですけど…エグゼは『アムカ復活の日は近い、人類は我々に滅ぼされるか、アムカに淘汰されるか、選ぶがいい』と言ってました。ある意味、エグゼはアムカの復活を阻止しようとして、人類の味方になり得るのではないかって」
「その逆もあり得るかもしれない」
「その逆?」
「アムカの復活を阻止して、エグゼが人類を滅ぼそうとしている。アムカに淘汰されるか選べと言っているという事は…アムカの都合のいい世界は、エグゼにとって都合が悪いだけで、人類にとっては絶滅を避けられる選択肢かもしれないね」
「そうか…そうも考えられるか」
「カナタ君の理想の『全ての生物が共存出来る世界』とは、どちらもかけ離れた世界、だね」
「はい」
「私は君の理想、君なら叶えられるかもしれないって思ってるよ」
マルティナはポンっとカナタの肩を叩き、自室へ戻っていく
「どういうつもりだ!マルティナ・フヨウ!!」
自室に戻ったマルティナは、部屋にいた雷斗に胸ぐらを掴まれ壁に叩きつけられる
「くっ、どうした、何がそんなに気に食わなかったんだい」
「さっきの会議だ。故意に俺たちの情報を開示していたな!!」
「考えすぎだよ。動物の生態を熟知し、調べる事が大好きなカナタ君の意見に賛同し後押ししただけだよ…それにカナタ君の考えをまとめたおかげで、私たちが動きやすくなったんだよ。感謝して欲しいくらいだ」
マルティナを離す雷斗は、落ち着きがなく、部屋をウロウロと歩く
「そうだが…神音が、俺や隊長とは違う事まで、気付くとは思わなかった…カナタが、白の事に気付いたら、どうするんです」
「どうするって…雷斗君、君の望みは彼女を助ける事だろう?ファルベブリッツ」
雷斗は、頭を抱え、椅子に座る
「白に…神音に…アムカの力を封印している事に、アンホや第2小隊やカラーズが気付いてしまったら…計画は終いだ」
「私はそれは気付きようが無いと思うけど」
「俺は!!俺は……あいつを取り戻したいだけだ…アムカを白の身体から分離しなければ、そのうち白は死んでしまう…あいつがいなくなってしまう」
「だからレッドに頼むのは手だと言っているだろう?カラーズがアムカ派のモンスターである確率が低い事は、先ほどカナタ君が説明していたじゃないか」
「レッドは信じられない、あいつは効率よく殺しにくる…あいつの金色のオーラが本当に分離する力があるのか分からないしな」
「話し合う余地はあるでしょ、今回の会議での決定で、私達エグゼが立ち回りやすくなったのは確かだ、霊獣の力を集めながら、白君とアムカを分離出来る力を探そう」
「八咫烏の力があれば、導きの力で、その力を持つ霊獣を探し出せるのにな」
「どの道、白君とは別れが待っている…もう6年、一緒にいて白君にも情があるでしょう?」
「白は…」
雷斗は、拳を強く握る
その様子をみるマルティナは、少し考えた後に話し始める
「カラーズは、私が鎌鼬から力を受け継いだ様に、八咫烏の力を受け継いだと見ていい。カラーズの誰かが導きの力に覚醒してから仲間にするなり、ギュウガの時の様に吸収出来る玉化させればいいじゃないか」
「白の中のアムカの覚醒の方が早いかもしれない」
「じゃあ尚の事、神音になり、アムカの力を解放するのはやめた方がいいと思うわ。今回の三箇所同時襲撃はやはり早かったんだよ…アンホを刺激するには、やはり早かった」
雷斗は答えない、座ったまま、床を見つめている
「私は…鎌鼬のホワドの力を手に入れ、君達の存在を知り、人類を皆の気持ちを裏切ってでも、平和を作る事を目指しているよ。全てを手に入れる事は出来ないかもしれないけど、私の気持ちなんて、この任務には必要無いと思っているわ」
マルティナは、雷斗の前にしゃがみ、手を握る
「6年、白君と一緒にいる君の気持ちはどうかな?本当に白君を失ってでも、アムカと白君を分離させて、彼女を取り戻したい?」
手を握るマルティナを、振り払う雷斗
「白は納得している。納得しているんだ…あいつの身体は……」
ゆっくり立ち上がるマルティナ
「君は…人の気持ちをもっと理解した方がいい…別れを経験した事のある人に話を聞いてみるのもいいかもしれないよ」




