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戦闘動物保護部隊CAPUt!!〜愛しい駆除対象の英雄たち〜  作者: 柴犬乃ぐんて
第1部【戦闘動物保護部隊CAPUt】
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58/106

EP16 三箇所同時襲撃!!vsスーパーオーラ3/3

マンハッタン、7thアベニュー上でモンスターをなぎ倒しながら、徐々にセントラル・パーク跡に向かっていくブルー。すでに15、6体のモンスターがブルーの攻撃により蒸発している

そして州軍とアンホも後を追うようにラインを上げている

 ブリッツは時間を見る。作戦開始から既に15分。ストリートにある街頭モニターでは、このニューヨークの惨状が報道されており、やはり通信障害のせいかロンドンや江ノ島の映像は流れず、状況は確認出来ない


「ブルーか…」


前回レッドが現れたのはイベリア半島、グリーンは日本、ブルーはオーストラリアだった。もしファルベが現れるとしたら、ここに一番現れる確率が高いと予想されていたのは、ブルーだ。グリーンに至っては日本以外で確認されていない為、神音《カノン》のいる江ノ島にはグリーン、ヴァルバリキアのいるロンドンはレッドだろうと予想していた

 一番厄介なグリーンが現れた時の対策はしていたが、杞憂で済んで良かったと考えつつも、この場にレッドが来てくれれば、日本の状況など探る必要もなくなり、不安材料が無くなったのだが……


「…あと5分…減らせる時に軍を減らすか…」


ブリッツは、ブルーを完全に舐めて相手にしていなかった


ブリッツは上空に大きな魔法陣を描く。それは火の玉の魔法陣だ。巨大な火の玉が現れ、軍の最前線のラインに飛んでいく


上空から降るように飛んでくる巨大な火の玉


「火って事は、何かが燃えてるって事だよな」


ブルーは、走り出す


火が存在する為には可燃物、酸素、熱源が必要であり、逆にこれらの要素のいずれか一つでも欠ければ、燃焼は起こらない

 これを理解していれば消火は容易い。例えば木が燃えているなら、酸素を断つ、木そのもの(可燃物)を取り除けばいい。水をかける行為は熱を下げる、酸素を断つ事が出来るというわけだ

 天ぷら油などの油火災は気化ガスが燃えている状況の発火点370℃以上の油に、100℃で蒸発する水をかけても、水と油はそもそも交わらず、比重の違いもあり水蒸気爆発を起こしてしまう、対処方法として、初期消火として消火器が推奨され、もし消火器がない場合は蓋をし、酸素を断つ方法もある。酸素を断つ、温度を下げる事が最善策というわけだ。(消火器にも色々な種類があり、それぞれの火災に合う消火器を使う必要がある)


ブルーは、火の玉が飛んで来るという事は、その中心部には、可燃物があると予測したのだ、もし中心部に物体が何もないのであれば、可燃ガスが飛んでいるだけなのだ


走るブルーは、火の玉を目掛けて、足にスーパーオーラを纏ったジャンプキックをする


「うおぉりゃーーーーー」


巨大な火の玉はブルーを飲み込んだかと思われたが、スーパーオーラの蹴りが放つ衝撃波にも似た風圧により霧散する


ブルーはそのまま上空でクルクルと回転し、ブリッツのいる目の前のビルの屋上に立つ


「久しぶりだな、ブリッツ」

「あぁ久しぶりだね、失礼なお嬢ちゃん」

「お嬢ちゃん扱いしてると、痛い目みるぞ」

「確かに、火球魔法陣《ウサドウィ》を蹴散らすとはな…しかし空も飛べないお前に、俺が捕らえられるわけないだろ?」

「うさ?ドゥィ??」


時計をみる、神音《カノン》の場所に行くまであと4分


「3分…遊んでもいいぞ?」



テムズ川を挟んで対峙するヴァルバリキアとグリーン

ヴァルバリキアはビッグ・ベンから降りて、ウェストミンスター橋の西側に、グリーンは東側にいる


「さすがに声は届かないかな…殺気だって…怖い怖い」


ウェストミンスター橋の全長は250m、幅6m。橋の上にはモンスターが10体ほどいる。グリーンは緑色のオーラの盾を構え、向かってきたモンスターの攻撃を防ぐと、オーラを纏わず、通常のパンチでモンスターを倒しながら向かってくる


「話し合いは…難しいか」


橋の上の最後のモンスターが倒され、いよいよグリーンがオーラシールドを構え、身を隠しながらヴァルバリキアの眼前に向かってくる


「お前は何者だ!!!!」


殴りかかる寸前にグリーンはオーラシールドを解き、拳にオーラを纏う


「器用な」


オーラを纏っているだけ攻撃範囲が大きくなっているグリーンの拳。しかしヴァルバリキアはその攻撃を自分の身体に風を纏わせる事で回避する。ヴァルバリキアからはグリーンの背中が見えている、そのまま手首のブレードでグリーンを斬りつける。だがグリーンのオーラシールドが背中に展開され、弾かれ、今度はグリーンは回し蹴りをスーパーオーラを纏った状態で放つ


身体に纏っていた風がスーパーオーラにかき消され、回し蹴りを受けてしまうヴァルバリキア。橋の中央部分まで、ふっ飛ばされてしまう


「強いね…甘いレッドとは違う」


グリーンは、ヴァルバリキアの飛ばされた中央部分まで歩いてくる

 ビッグ・ベンを見るヴァルバリキア。時刻は4時18分


「あと2分…か」


バッと手を前に出すヴァルバリキア。するとグリーンは警戒して立ち止まる


「ちょっと話さない?グリーン様…私、アナタのファンなんだ」


ヴァルバリキアの発言に戸惑うグリーン


「何言って……時間稼ぎか?」

「本心だよ。レッドに聞いてないのかな」

「…お前がアムカと敵対して、ブリッツに協力してるって事は、聞いているがな」

「レッドは1番大切な事、伝え忘れているじゃないか」

「お前、ホワドとはどういう関係があるんだ」


グリーンの言葉に、ヴァルバリキアは一瞬動きを止める


「どういう関係って…どう思うんだい?」

「アムカ事案で、ホワドは明らかにアムカの味方だったはずだ。マンハッタンを滅茶滅茶にしたキマイラだからな」

「へー…グリーンはあの戦いを知っているんだ。レッドは無知だったけど…ね」

「答えろ」

「グリーン様…私を《《もう一度》》助けてくれないかな?私の目的はブリッツとは違うんだ」



レッドの拳に纏う金色のオーラ「スーパーオーラ」が徐々に大きくなっていく

しかしレッドは悟る、刀に宿した時ほど大きくは出来ない、自分の拳が耐えられない、そして制御が困難であり、オーラの収束に時間がかかる


神音《カノン》は、レッドの纏うオーラに恐怖して、身動きが取れないでいた

最初の転移から18分、最悪あと2分でブリッツが駆けつけてくれる約束になっている、逃げに徹すれば2分は耐えられるだろう


レッドのスーパーオーラは集まる事なく小さくなり、消えてしまう


「くっ、刀じゃなきゃダメなのか」


レッドのスーパーオーラは瞬発力と爆発的な威力が特徴だ、レッドの抜刀術との相性が良く、インスピレーションが容易で、オーラを溜めやすかった。しかし何にも収まっていない拳では、オーラを集める時間がかかってしまい、収束はしないのだ


スーパーオーラは最大級に警戒しなければいけない攻撃だった、だから神音《カノン》は、スーパーオーラの消失に戸惑う


レッドはそれを見逃さなかった


砂浜を叩きつけ、砂を巻き上げ視界を奪うと、一瞬で距離を詰め、赤いオーラを拳に込める


神音《カノン》を捕らえたレッドの右ストレートは、触手にガードされながらも、撃ち込まれる


モンスターの数が減っていた江ノ島は、通信障害が軽微になり、生放送が可能になっていた。報道ヘリのTVカメラが、レッドの攻撃でふっ飛ばされる神音を映し出す




ブルーはブリッツとの圧倒的な力の違いを見せつけられていた

前線は後退し、7thアベニューで世界的にも有名なタイムズスクエアまで後退していた

火球魔法陣《ウサドウィ》を連発し、モンスターをけしかけられ、徐々に後退するブルーをアンホの地上部隊は援護するが、その火球魔法陣《ウサドウィ》の照準が戦車に合わせられ、幾度となく爆発を起こす。ブルーは歩兵隊を守ろうと、不慣れな小さくしか展開出来ないオーラシールドで、攻撃を防ぐ

上空からブリッツは加速し落下しながらの蹴りをブルーに入れる

地面に叩きつけられ、跳ね上がるブルーの頭を握り、起き上がらせるブリッツ

ブルーはブリッツの腕を掴み、必死に振り払おうとする


「やはり、取るに足りないな。お前たちは八咫烏に選ばれようとも、力を使えないんじゃ意味ないな」


ブリッツはブルーを投げ飛ばすと、大型モニターにめり込む


ブリッツの目に他のモニターの映像が飛び込んでくる


それは先程の、レッドが神音《カノン》に赤いオーラの右ストレートを打ち込み、神音《カノン》が、海面を何度も跳ねながら、吹っ飛んでいる


その映像が、その場にあるモニターに次々と映し出される


「…カ…ノ…ン」



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