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戦闘動物保護部隊CAPUt!!〜愛しい駆除対象の英雄たち〜  作者: 柴犬乃ぐんて
第1部【戦闘動物保護部隊CAPUt】
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52/103

EP14 魔法が科学に!?【マジックポケット】4/4

翌日、ロンドンに移動し、マルティナとライオネルが、アンホのヨーロッパの数国の幹部とタンと極秘裏に合流出来たのは、さらに日をまたいだ、26日深夜3時になろうとした頃だった。廃ビルの一室に集まり、話し合いが始まっていた


「モントゴメリー派は、その【マジックポケット】の技術で覇権を取ろうとしていると見ていいだろう」


アンホのイギリス方面部隊長イーサンが言う


「平和的な技術ではあります。使いようによっては、物流業界が震撼しますね」


基本的には、マルティナやライオネルの懸念点は合致していたが、しかしタンはそうは思っていない様だ


「うーん、それは思い過ごしかもしれないな。疑似重力システムの技術と、水やエネルギーを出し入れ出来る技術…同じ物とは思えないが…」

「…確かに」


するとライオネルが発言する


「ブリッツが使用したギュウガを玉にしたあの魔法陣が、霊獣の力を抜き取る魔法陣の可能性は高いと思います。魔法陣の解析が進み、システム化出来たら兵器として使えるのでは?」

「ライオネル、しかしブリッツがギュウガを召喚したり、ギュウガの力を使ったという報告は無い」

「そうですが…ファルベレッド、ブルー、グリーンが、もしその結果だとしたらどうです?」

「その結果?」

「はい…例えば…人が変身した姿だとしたら…」


それを聞き、タンとマルティナ以外はあり得ないと一蹴する


「何を根拠にそんな事言うんだ、ライオネル君」

「隊長もファルベに初めて遭遇した時、言ってたじゃないですか、八咫烏の力を持ったヒーローじゃないかって」

「確かにそうだけど…」

「もし、既に霊獣の力を抜き取る魔法陣が解析されてて、【マジックポケット】を使って、その力を使う事が出来るとしたら!?」

「それは時系列が合わないよ。あの遭遇のおかげで、魔法陣がブラックボックスのプログラムの解析のきっかけになったと言っていたじゃないか」

「しかし隊長、それもアーガスの人間が言ってるだけですよ。事実は分かりません」

「確かにね」


2人の話を静かに聞いていたタンは


「だとしても、ライオネル。疑似重力システムは重力を封じ込めて使用してるという事ではなく、エネルギーをコントロールしている技術だ。やはり違う技術と見た方がいい。しかしライオネルの言う様に、人が変身しているかもしれないと言うのは、私も考えになかった…確かに…その線も考えておくべきかもしれないな」


ライオネルの発言を肯定する。するとマルティナは、これまで隊内でしか話してなかった持論を話し始める


「タン中将、私はファルベブリッツが、モンスターの頂点に立つ者と言った事に違和感を持っていました。あの生物をモンスターと呼んでいるのは、人間です。ブリッツが人類に合わせてそう言ったのか、ブリッツが人間だから、そう言ったのか、疑念を持っていました。ファルベの4人が、アーガスハイインダストリーのアイテムか、魔法陣の力を使って変身しているとしたら…やはりアーガスハイインダストリーは、徹底的に調べる必要があると思います」


と意見する。しかしその場の幹部達は


「同じアイテムを使ってるとしたら、アーガスハイインダストリーは、変身前の両方と認識があると言う事になるし、モンスター同士を争わせているのであれば、問題はないんじゃないのか?」

「我々は、地球世界政府に起因する人類同士の戦争を止める事を目的にしてるのだからな」


などを口にする、その言葉を待っていたのは、ライオネルだ


「我々がモンスター同士の潰し合いを望んでいる様に、モンスターも人類同士の潰し合いを狙っているとしたら、どうです?わざと魔法陣のシステムを人類に渡して、覇権争いを仕掛け、戦争を促しているとしたら?」

「【マジックポケット】の技術はモンスター側から提供された技術だと!?モンスターにそんな文明や知能があるとは思えないが?」


イギリス方面部隊長イーサンがそう言うと、タンは思考を巡らせる


「確かに…ブリッツ、アムカ、人語を話すモンスターやキマイラは確認されている…と言う事は、言語を使って考えを伝える…そもそも魔法陣は科学だとしたら…」


タンが思考を深くしていると、幹部達が口々に


「八咫烏も人語を話したのだろう?あれもキマイラなのでは?」

「人語を話すキマイラは、魔女のアムカ、ファルベブリッツ……駆除されたオルトロもそうか」

「後は、次にカプトが駆除予定の中国にいる、大蛇エルドキナ……それにカマイタチ、双剣のホワドか」


ライオネルが、その言葉に反応する


「双剣の??ホワド???」

「あぁアムカ事案の時に、マルティナ特務大尉が駆除したキマイラだ」


幹部の説明を聞いたライオネルは、マルティナを見る


「ライオネル君は知らなかったかな?」

「いえ、知ってました…鎌鼬《かまいたち》のホワドですよね」


そう、鎌鼬《かまいたち》のホワドという事は知っている、しかしそれが双剣と言われていたのは知らない…確かに日本以外の人に鎌鼬《かまいたち》と言っても伝わらないから、双剣なのか…双剣のヴァルバリキアとの関係は……


「今はまだ答えは出ないだろう。今後もアーガスハイインダストリーとモントゴメリー、フー両将軍の動向を逐一報告する事が先決だろう。我々は世界政府軍を私利私欲で使われない様に努める…我々だけで出来る事は少ないが、地球世界政府から戦争を起こす様な事が絶対に無いように動かねばならない。ファルベの4人については、カプト、アンホが随時対応、カプトはアーガスハイインダストリーに技術者を派遣し、内情を探ってもらいたいが…マルティナ」

「了解しました」

「今日は解散だ。また情報を共有しよう」


マルティナが時計を見る

時刻は、午前4時になろうとしていた


マルティナは廃ビルから外に出ると、先に出たタンを呼び止める

まさに迎えの車に乗ろうとしていた、タンは運転手に合図を送ると、マルティナに近づく


「どうした?」


そこに後からビルを出るライオネルも合流する


「タン中将…私…」


マルティナの唇が少し震えている


「隊長?」


マルティナはビクッと振り返る、ライオネルがいた事に気付いていなかったようだ


「マルティナどうした?顔が真っ青だぞ」


マルティナは、伏せ目がちだ


「タン中将…今日は…ありがとうございました……集まって頂いて」


深々と礼をするマルティナ


「アーガスハイインダストリーの情報を持ってきてくれて、こちらこそ礼を言うよ。ありがとうマルティナ。戦争を企んでいる者を洗う、今後も宜しく頼むぞ」


礼をするマルティナの頭を撫でる


「おっと、こんな事すると、セクハラで怒られるな」


と、手を引き、笑うタン

マルティナはその間も、礼をしている


時計が4時を示す




少し前、11月25日 22時27分

ニューヨーク、セントラル・パーク跡近くのBARで、雷斗とローズィーが飲んでいる

あれから食事をして、その後飲みに行き、2軒目のBARである


雷斗は時計を気にする


「ローズィー、そろそろホテルに行こう。飲み過ぎだ」


テーブルで今にも酔い潰れ寝そうになっているローズィーの肩を揺らす


「食事だけって言ったのに、飲ませて、ホテルにまで誘うなんて、最低だぞ…」


寝ながら言うローズィー


「違う。お前をホテルに送るって言ってんだよ。近くに取ってないのか?」

「…取ってない」

「まじかよ…ニューヨークだぞ、ここ」


すると、ローズィーの腕に付いている通信端末が着信音を鳴らす


『アレックス』


と、名前が表示されている


「…アレックス」


雷斗はその名をみて、つぶやく。ローズィーの元夫の名前だ

寝そうになっていたローズィーは、その名をみて、目を見開き、表示を隠そうとする


「出ろよ。迎えに来て貰えって」


そう言って、BARを後にする雷斗


「雷斗!!」


すぐに追いかけるが、雷斗はすでにいない




雪が舞う、ニューヨークの摩天楼

雷斗はその高層ビルの頂上に立っている


時計を見る


「時間だ」


ニューヨーク、現地時間

11月25日 23時


グリニッジ標準時

11月26日4時


日本時間

11月26日13時


雷斗の視線の奥、セントラル・パークの上空に巨大な【転移】の魔法陣が浮かんでいる




ロンドン上空が明るくなる


「なんだ!?」


ライオネルが上空の巨大な【転移】の魔法陣に気づく

アンホの幹部やタンも見上げている

マルティナは、空を見上げず


「ライオネル君、タン中将をお願い。白鷺を持ってくる」

「隊長!!!??」




江の島から見える海の上に巨大な【転移】の魔法陣が現れる

水族館内にいたカナタと白に、外にいる人々の叫び声が聞こえる


「なんだ!?」


カナタは白の手を引き、外が見える場所に移動する


上空には巨大な【転移】の魔法陣が展開されているのが見える


「カナタ…」


白は震えている

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