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戦闘動物保護部隊CAPUt!!〜愛しい駆除対象の英雄たち〜  作者: 柴犬乃ぐんて
第1部【戦闘動物保護部隊CAPUt】
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EP1 戦闘動物保護部隊CAPUt(カプト)4/4

 無線機の呼び出し音が響く、しかしライオネルもカナタもそれを受ける事は出来ない

2人は機体から降り、敵意を見せぬよう、両手をあげ、武器を持たない事を鳥のキマイラに示す

目の前には三本の足の一本でローズィーを掴み、地面に押さえ付けている


「人間、そう警戒をしないで欲しい」

「人質を取っておいて、無理な相談だろ」


 怒りを抑えられないライオネル


「なぁ、なんて呼べばいい?」


カナタは、優しく尋ねる


「私は君たちが言うモンスターではない...私は...太古の昔は、八咫烏と呼ばれていた」

「ヤタガラスだと!?」

「あの、伝説の???」

「本当にそんな伝説の生き物なら、離せこのやろう!!!!」


 足に押さえ付けられ、羽交い締めされているローズィーが叫ぶ


「君は敵意がありすぎる」


と、言いつつも八咫烏は少しだけ足をゆるめる


「時間がない、このままでは人類は破滅してしまう」


 八咫烏が話し始める


「世界各地でモンスターによる大規模な反攻作戦が計画されている」

「反攻作戦?世界各国でって、どうやってモンスターが連絡取り合っているんだよ。と言うかモンスターにそんな知性は無いはずだよ」


 カナタはすぐに疑う


「あぁ、俺達はお前が八咫烏だって事も、こうやって話している事も信じられない」


ライオネルも続く


「そこは、信じてもらうしかない。人類の為に」


しばし続く沈黙


「話せよ。巨大なカラスの言う事は信じられないけど、私にはモンスターに負ける方が問題だ」


ローズィーは、落ち着きを取り戻している


「ありがとう。モンスター達の中には、全ての個体と意思を共有出来る個体がいる、その個体の数はわからないが、その特別な個体を中心に動いているのだ」

「この50年、そんな研究結果は無い」


まさかと言う思いで、否定するライオネル


「だが事実だ。彼らが地球に転移してきたのはより強い種になるため、その特別な個体を最強の生命体にするため」

「転移?強い種??モンスターが地球の種と交配して、キマイラを産んでも、次の種は産まれないはずだ。モンスターとも、在来種とも、種を残せないはずだ」


カナタはそう覚えているし、それが定説とされている


「交配して産んでいるのでない。他の種と融合しているのだ」


八咫烏の言葉に、3人は絶句する


「そんな、まさか!?」

「いえ、ありえるかもしれません。副隊長もローズィーも知ってるでしょ...モンスターに生殖器は無い。生きている時は目や口が必要に応じて場所を変えるけど、死んだら、その部位も消失してしまうから、生殖器も必要に応じて出現するのだろうって事になっている、だけだ」


カナタの言う通りだ、確かにそう仮定されていた物が、いつのまにかそれが事実であるかの様に、思い込んでいるのである


「本来は、特別な個体が融合を繰り返して、最強の種を目指す生命体のようだが、地球上には武器を使用する人間を越える攻撃力と知性を持つ種が存在しない為、それ以上の個体になる事はなかったのだ。30年前モンスターはある生物に狙いをつけた。私たち霊獣だ」

「じゃあ、モンスターが数を減らしたのは」

「我々と融合する事に、注力していたから...と言える」


3人は言葉をなくした


 モンスターを人類が手を取り、英知で駆逐してきた...のではない。ただ対象が変わっていただけ、八咫烏はそう言っているのも同然だった


「私達の、苦労は無駄だったって言うのか!!!」


 ローズィーは怒ったのではなく、悔し涙を浮かべる


「こんな、こんな身体になっても、私は、私は、あいつらを、倒してやるって」

声を殺して泣き始めるローズィー。八咫烏は、その様を見て、足を退かす


ライオネルは、すぐにローズィーを保護する


「副隊長、私...」

「わかった、わかったから」


 その様子を見て、カナタは


「八咫烏、あなたは願いがあると言った。無力な俺たちに何が出来るっていうんだ」

「私の力が、モンスターに一部融合されてしまった。私は死ぬだろう...残りの力を君たちに受け継いで欲しい。君たちはあのモンスターと戦っているのだろう?」


 ライオネル、ローズィー、カナタは八咫烏と向き合う


「即答は出来ない、司令や隊長に相談する必要がある」


 ライオネルがそう言うが


「それはダメだ。君たち3人だけの秘密にして欲しい。私の力を持っている者が存在している事を知る人は多くない方がいい」

「と、言われても」


 ライオネルはその時、無線にコールがあった事に気づく


「ちょうど隊長からコールだ。報告を」


 無線に手をかける


「ダメだ。敵はどこにいるか分からないのだ」


 八咫烏は焦る


「俺たちの隊長だ、信じられる人間だ」

「私から能力を奪ったのは、人と融合しているモンスターなのだ」

「人!?」

「人間の中にモンスターがいる可能性があるのだ」


 八咫烏は衝撃の言葉を言う


「そんなまさか、そんな」


 ライオネルはその発言を否定する


「40年前に数件報告例はあるが、それ以降発見されていない」


 突然、3人の目の前に五芒星の魔法陣が現れる


「魔法陣!?」

「あの模様は!!」


その魔法陣はあの大災害の資料で見た魔法陣の模様に酷似している

魔法陣が爆発。爆風から3人を八咫烏が翼で守る

すると、爆発した魔法陣のその爆煙の中からモンスターが現れる

1匹ではない、2、3、4、5、6...どんどん増える


「こんな数、一ヶ所に同時に!!」


モンスターの目撃は、月に3件、しかも20年近く一例につき1匹ずつしか相手にしていない


「八咫烏の言う通りなのか」

「さっきの爆発は!?」


カナタが八咫烏に問う


「転移…魔法だ」

「魔法だと!!??」

「君たちの言うモンスターは異世界人なのだよ」


 飛びかかるモンスター、3人は腰に手を回し、拳銃を手に取り、すぐさま発射

しかし弾丸は堅い表皮に弾かれる

襲いかかるモンスターを足で蹴散す八咫烏、守る様に3人の前に立つ


「常時、防御強化魔法を展開しているんだ」

「あの堅さ、魔法だったのかよ」


 モンスターの生態を熟知しているはずのカナタは、魔法と言われて腑に落ちる。カナタの目の前にいる八咫烏はガクッと、体勢を崩しそうになるが、耐える


「八咫烏...」

「私の力が完全に奪われてしまうと、霊獣達の力を導く力が失われ...地球は終わってしまう」


 また襲いかかるモンスター達を必死に相手にする八咫烏

ライオネルもローズィーも拳銃で相手にするが、決定的な攻撃にはなっていない


霊獣と人間とモンスター、いや異世界人


「俺、ずっと考えてた、全ての生物が共存出来る世界がきっと出来るって、人類同士も時々戦争をしてしまうけど、分かり合えるって信じている。モンスターも異世界人なら、知性があるなら、分かり合う事が出来るかもしれないよ!!」


「カナタ、こんな時にお前は甘い!!」


ローズィーが怒鳴る


「甘くてもいい!!それが俺の理想なんだ!!!」

「じゃあ私はこいつらを、ぶん殴って分からせるのが理想だ!!」

「俺はお前達を守って、一緒に帰れればそれでいい!!」


「私の力で理想は叶えられるだろう、私の願いを聞いてくれるか、人よ」


「「「望むところだ!!!」」」


 八咫烏は3人をそれぞれ足で掴んで、急上昇する


「私の力、私の命、しばし3人に託す」


八咫烏が金色に輝き、まばゆい光が放射される、その輝きに3人の身体が包まれていく


地上をモンスター達は光を見上げ、身動きを止める




廃墟ビルの屋上にいる雷斗からもその輝きが確認出来る


町のマルティナと白からも同様の輝きを確認、老婆や周りの老人達は光を拝む




八咫烏のシルエットをしていた光は治まると共に、3人に吸収されていく



空は、光の影響で雲ひとつなくなり、深い青が広がっている

真っ青なその大空の中から光が落ちてくる


光は3つに分かれる


1つの光は赤

1つの光は緑

1つの光は青


光の三原色


円を書くようにクルクルと回転して降下してくる



地上に落下、粉塵を巻き上げ、その中で光は人の形になっていく


ゆっくりと立ち上がる3人のシルエット


翼の様な形の、それぞれの色をした長いマフラー

黒い大きなクチバシの様な、フルフェイスヘルメットの様な、頭

スカーフと同じ色の身体に、首から太い黒いラインが足元まで流れ、手足も黒い


それはまさに、八咫烏と人が融合した様な異形の人間



今、新たな英雄の物語が始まる





これは未知の生命体の出現したのち、生態系が崩壊してしまった世界で、未知の生命体と戦いながら動物保護をする部隊に所属する青年達が


【神の使い】と出会い


特別な力を経て『変身』し


人類と動物と【神の使い】たちを守る為に


仲間を信じ

仲間を助け

仲間に助けられ


傷つき

笑い

喜び

悲しみ


仲間と戦い

仲間を倒し


夢の世界を目指すまでの物語


この作品はカクヨムで先行掲載しております。


掲載が追いつくまでは、毎日7:30/19:30の2話更新です。

追いついた後は、カクヨムと同じく毎週(月)(金)更新となります。


更新頻度を変更する際は、活動報告でもお知らせします。


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八咫烏から語られる「融合」と「異世界人」という驚愕の真相。そして「仲間を守る」「ぶん殴って分からせる」「共存という理想」と、それぞれの信念を抱いて「望むところだ!!!」と叫ぶ3人の覚悟が熱すぎます! …
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