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戦闘動物保護部隊CAPUt!!〜愛しい駆除対象の英雄たち〜  作者: 柴犬乃ぐんて
第1部【戦闘動物保護部隊CAPUt】
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49/104

EP14 魔法が科学に!?【マジックポケット】1/4

時は少し戻って

グリニッジ標準時、11月24日 9:26


カプトステーション。格納庫内のスペースシップ白鷺の前に整備長のフブキと、軍服ではなく、スーツ姿のマルティナが話し合っている


「急過ぎませんか。新型が受領出来るなんて」


整備長のフブキは、急遽決まった新型スペースシップの配備に不信感を持っていた


「何年も新型、いやマイナーチェンジ機でも良いから現行機種を申請してたのに、却下され続けていたんですよ」


白鷺のボロボロの脚を叩くフブキ。その脚部は長年刻まれた日々の整備では直せない細かい傷であったり、純正品ではなく、同じメーカーの既製品で対処した箇所などがある


「モントゴメリー将軍が働きかけてくれたからね。メーカーも新型を出してきたんだろう」

「隊長、理屈は分かります…しかしカプトとしては、新型のスペック…特に武装面で過剰と言える、あれはスペースシップ、輸送機と言うよりも、戦闘機の部類ですよ」

「ギュウガの時に分かったでしょ。今の武装じゃ対処出来ない、多少の武装は許して貰うように申請するよ、過剰にならないくらいのね。今のままじゃダメな事はフブキ整備長も分かってるじゃないか」

「ですがね。俺は元々、あなたと同じく政府軍の人間です。独立愚連隊だったカプトは今では政府軍の一部ですし、モントゴメリー将軍とフー将軍の派閥争いに巻き込まれかねません。慎重に動いてもらいたい」


マルティナの方へ向き直り、真剣な目でマルティナを見つめるフブキ

その視線を見つめるマルティナ。ふと視線をズラす


「整備長の言う事は、もっともだね。助言はありがたい。しかし事はそう簡単では無くてね」

「と言いますと」


マルティナは天を仰ぐ


「フー将軍は、今年で政府軍を退役される…そして、アジア連合の参謀として迎えられるそうだよ」

「よりによって、アジア連合…ですか」

「今はまだ地球世界政府の力があるから、各国の上に国際機関として存在しているが、このままカプトもアンホも民衆への影響力や信頼が落ちれば、真っ先に地球世界政府軍を解体しようとするのは、アジア連合だろうね。許可なく国境を移動できる軍隊は、そもそも脅威だ。アジア連合に反モントゴメリー派の筆頭のフー将軍が行くとなると…」

「考えたくは無いですが、戦争の気運が高まる可能性があるって事ですか」

「8年前の合同演習のクーデターでは、私が気づき対応出来たが、アジア連合が相手となると、私個人では抑えられないよ。私達カプトは存在意義を守る為にも、ここはモントゴメリー将軍に乗る必要があると思うが、どうだろうか?整備長はどう考える?」


フブキは即答出来ない、マルティナの言っている事が十分理解出来るからだ

自分達、整備員は基本的には政府軍の一員で、もしアンホが戦争を始めたら、カプトから異動する事もあるだろうし、カプトのまま戦争に加担させられる事もあり得る


しかしフブキには疑念があった


「政府軍内、世間にもカプトとは何か、居場所を明確にしておく必要は確かにあります…しかし俺は、正直あなたが怖い」

「?」

「戦乙女の噂は聞いています。合同演習でいち早くクーデターに気づき、対応し、的確に、生きる者と死ぬべき者を選んだと…アムカ事案でも、イタチのキマイラ【カマイタチのホワド】を単独撃破したと」

「噂だよ。私は必死に対応し、指揮し…私しか生き残らなかっただけだよ」

「本当に、カプトの未来の為に新型が必要なんですか?何かの策略じゃないんですか!?」

「カプトの未来も考えているけど…私は、私個人は人類の未来の為の選択を取っていると思って欲しい」

「俺はあなたの今までの功績と、一緒に過ごした時間を思えば、それを信じたい…戦乙女の判断で、我々の死を選ぶ事は無いと約束して欲しい」

「当たり前じゃないか、仲間に私の死体を跨がせる事はあっても、私が仲間の死体を跨ぐ事は絶対に無いよ」


格納庫の扉が開き、雨宮とスーツ姿のライオネルが入ってくる

ただならぬマルティナとフブキの気配に、たじろぐ雨宮。ライオネルは2人の様子をみると、少しトーンを上げた声で


「休暇中に2人とも、なんて怖い顔してるんですか、休む時は休みましょう」


それを聞きフブキは


「ふん、その休暇中に出張を入れた隊長のおかげで、休暇返上で整備したんだろう、文句くらい言わせろ」

「悪いと思ってるよ、フブキ整備長」


マルティナはフブキの胸をコンっと叩くと、白鷺のコックピットへ向かう


「じゃあ雨宮、クロ助の事、宜しくな」

「了解。皆のお土産貰える約束ですからね、うまい酒お願いしますよ」


ライオネルも続いてコックピットへ向かう。フブキの前を通ろうとした時


「お前が隊長をちゃんと見張るんだぞ」


と小声で話しかけるフブキ。ライオネルは歩みを止めると


「俺達は隊長の死体を跨ぐつもりも、跨がせるつもりも無いんで、安心して下さいよ」


ライオネルの返答に、笑い出すフブキ


「ハハハ、まったく、似たような事言いやがって」


ライオネルの背中をバンっと叩くフブキ

?マークをたくさん頭の上に浮かべた様な表情をするライオネル


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