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戦闘動物保護部隊CAPUt!!〜愛しい駆除対象の英雄たち〜  作者: 柴犬乃ぐんて
第1部【戦闘動物保護部隊CAPUt】
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48/102

EP13 休暇!!思い出の地へ 4/4

日本時間11月26日午前10時過ぎ

世界最多の利用者数の【新宿駅】の改札。朝のラッシュが過ぎた事もあり、人は疎らだが、それでも他の駅に比べれば利用者は多い

 カナタは、いつもの隊員服ではなく、私服を着ている。ニットにジャケットとかなりラフな服装で、腕時計を見ていると、視界の隅に透き通る様な金髪が目に入る

 ウェーブのロングの金髪が白い肌によく合い、ひざ丈の黒のロングコートを前開けにし、グレーのニットに白のミニスカ、ストッキングにショートブーツ、大きな瞳の女性が目の前に立っている


「…は…く」


カナタは目を丸くしている


「半に集合って言ってたのに、やっぱりカナタも早く来たんだね」


髪をシニヨンヘアにしていない白を見る機会が少ないカナタは、白に見惚れる


「あぁ」


カナタが自分の髪を見ている事に気付いた白は、指で髪をとかす


「今日はまとめてないからね。結構長いでしょ?マルティナ隊長と同じくらいかな」

「隊長は黒だから、印象が全然違うよ」

「カナタはどっちが好きなの?私と隊長」

「!?!?」

「髪の話だよ」

「あっ…あぁ、俺は赤毛だからな。どっちにも憧れるさ」

「そこは私って言ってよ。同じ癖っ毛でしょー」


白が笑うと、カナタは照れくさそうに歩き始める


2人が向かうのは、江の島にある水族館

白がクラゲの展示をカナタと見たいと言ったので、カナタは了承し、時間を合わせたのだ


「やっぱり早く来れば、一本早い電車に乗れると思ったんだよね。カナタはいつも集合早いから」


走る電車の中でウキウキと話す白、子供のように感情が表に出ている。長旅で疲れてると思ったのだが、気分が良さそうだなと、白を見るカナタ


「昨日は何時に家に着いたんだ?」


ステーションから日本まで、スペースシップや飛行機を乗り継いで25時間の旅、2人は一緒に過ごしており、昨日の夜19時に新宿駅で別れたのだ


「新宿から1時間くらいだったけど、なんだかんだで22時前だったかな、家に着いたのは」

「親御さんせっかく白が帰ってきたのに、今日すぐ出かけて寂しがらなかったのか?」


寝て、起きて、すぐにまた新宿に向かったであろう白。家族はどう思っただろうとカナタは心配する


「あっ私、1人暮らしなんだよ…言ってなかったね」

「ごめん」

「謝らないでよ。隊のみんなも色々と家族の不幸はあるんだから」

「俺の家に泊まれば良かったじゃないか」

「それこそ、家族に迷惑でしょ」

「そんな事ないよ」

「カナタが、お嫁さん連れてきたーって言われちゃうよ」


白は笑いながら言うと、カナタは微笑んでいる


「白を連れて帰ったら、確かにそう言われちゃうかもな」


白は顔を真っ赤にしている


「自分で言い出して照れるなよ」

「変な事しない約束ね」

「お前なぁ」


昨日の移動から他愛もない会話を繰り返すが2人の会話は尽きない


白はほんの一瞬、与えられている任務の事を思い出す

目の前にいるカナタや他の第2小隊の2人も知らない任務

カプトに入る前からの、生きる目的になっている任務


あぁ、カナタなら…


江ノ島の水族館に展示してあるクラゲ達を観ながら、白は思いを馳せる

この脳も血も心臓もない奇妙な生き物、クラゲ

奇妙な分裂と変態をする生き物。嫌われる存在ではあるが、こうやってライトアップされた水槽の中では、神秘的だが内臓を丸出しにした様で、よく見ればグロい

何十本と長い触手を伸ばしている種類もいれば、平たいカサだけのシンプルな形の種類もいる

この世の常識から外れたとも思える生き物


それはまるで…自分の様で…


クラゲに目を奪われている白

カナタはそんな白を見て、連れてきて良かったと満足していた


時計があと5分ほどで、13時を示そうとしている


「カナタ」


クラゲが泳ぐ水槽を見たまま、白はカナタを呼ぶ


「なに?」

「もし、私がいなくなっても、悲しまないでね」


白のその言葉は、カナタに死を連想させた


「カプトを辞めるって話じゃ、なさそうだな」


カナタがそう言うと、白は


「カプトは辞めないよ。もちろん死ぬつもりもない。でも危険な任務があるじゃない?私たちはいつ死に別れてしまうか…やっぱり分からないし、お互い生きていても、離れる日がいつか…来ると思うの…たぶん私はクラゲと同じ、死ねば身体も残らないから」

「いつ白と離れ離れになったとしても、悲しまないのは無理だよ。ずっと一緒にいる方法も…あるけどさ」


白は水槽の方を見たまま、顔をうつむかせ、首を振る


「恋人になって欲しいとか、そういう事じゃないの…私は…ダメなんだよ」

「どうしたんだよ。白」

「私はいつかカナタと離れてしまう。絶対の必然なの…その時が来た時、カナタに悲しんで欲しくないの…大好きだから」

「…白」


背中越しだが、泣いているのが分かる


カナタの方を向く事が出来ない。カナタは自分の涙を見てしまったら、情が移ってしまう。振り向いたら…ダメだ


不意に太く力強い腕が、白の身体を包み込む


「どんなに愛し合っても、みんないつか別れる時が来るんだ。それは自然の摂理だし、必然の事だよ。白が不安になってしまう事があるなら、一緒に悩んで、不安になってあげる事も出来るんだよ」


カナタの言葉に、カナタ以外の2人を思い出す白

雷斗とマルティナ


…カナタと先に出会っていたら


心のなかで、そうつぶやく白

時計は13時を示そうとしている


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