EP12 レッド覚醒!!放て超必殺技!!!!4/4
ライオネル達がカササギに戻ると、カナタが曇った表情で迎える
「どうしたんだよ、オルトロは消滅したって言ってただろ…あれ、スーパーオーラだろ、凄かったな」
カササギ内の休憩室に移動しながら、ローズィーがカナタに話しかける
「あぁ、スーパーオーラの発生条件は、ローズィーの見解も俺の見解とも全然違ったけど、モノにできたよ」
「じゃあ、なんでそんなに暗い顔してるのさ」
休憩室の椅子に座るカナタは、何かを言いたげだが、どこから話せば良いのか分からないって感じだ。それにライオネルが気づき
「まとまらないなら、順番通りでいい。何があった」
カナタは、隣に座るローズィーを気にする
「なんだ、私がいたら話しづらい内容なのか?性的な話だったら、別に気にしないぞ。任務に関係ある事なんだろ?」
「いや、そういうんじゃないんだ」
カナタは一呼吸おく
「ファルベブリッツが来たんだ」
「何!?」
驚く2人
「戦闘はしてない…でもブリッツ以外に仲間らしいキマイラがいたんだけど、ブリッツや
俺たちと同じで…霊獣の鎌鼬の力を持っている…たぶん女性です」
「人間なのか?」
ライオネルが尋ねる
「わからないです。もし人間なら、ブリッツ以外に、モンスター側に複数の人間がいるのかもしれないし、あれがキマイラだとして…いや、人間だと思います。あまりにも容姿も含め人間だった」
「かまいたちって何?」
ローズィーが質問する
「日本の妖怪で、つむじ風に乗って人を斬りつける…一応、科学で解明されている怪異って事になっているけど」
カナタが言いながら、矛盾に気づく
「でも霊獣がいるって事は、科学的な要因じゃなくて、妖怪がいるって事じゃないか」
ローズィーも気づき、指摘する
「おい、問題はそこじゃないだろ」
ライオネルが場を収める
「その女、本当に鎌鼬の力を持ってるって言ってたのか?」
「はい、実際に技も見ました。両腕に鎌状のダガーサイズの刃物が付いてました」
「鎌鼬…いや、しかし」
ライオネルは何か思い当たる節がある様で、思考を巡らせる
「副隊長…アムカ事案…ですよね」
カナタが【アムカ事案】を出すと、ローズィーは目に見えてわかるくらい身体を強張らせる
「俺、アムカ事案は、一般に開示されてる情報しか知りません。副隊長や隊長、タン元司令は現場に派兵されていたと聞いてます」
「ごめん」
ローズィーが立ち上がる
「まだ、ちゃんと聞けないかも…席外すよ」
ローズィーはそう言って、休憩室からコックピットの方へ移動する
ライオネルはローズィーが退出して、十分に間を開けて話し始める
向かい合って座っているライオネルとカナタ、その間のテーブルにクロ助がちょこんと立っている
「【アムカ事案】は、政府軍関係者でも開示されている情報は少なく、一般には複数体のキマイラの同時襲撃による初の米軍、地球世界政府軍、カプトの合同作戦…という事になっている。そう報道もされている」
ライオネルが説明する
「はい、その時戦ったキマイラの中心にいたのが【アムカ】と言うキマイラだと報道で知りました。現場には何体のキマイラが?」
カナタも記憶を辿りながら、ライオネルに尋ねる
「アムカが中心で、他に4体のキマイラがいた」
「双剣のヴァルバリキアという名前に、心当たりは?その鎌鼬の力を持った女性の様なキマイラが、そう名乗ったんです」
「報道で開示された名前はアムカ以外無かったし、それぞれキマイラが暴れた場所は離れていたからな…現場での仮称も無かったと思うし、その後に付けられた名前にも、ヴァルバリキアは、いないな…しかしマルティナ隊長が駆除したキマイラ【ホワド】が、風を使い、両腕の刃物で切り裂く攻撃をしていたらしい…ローズィーの仇だな」
ローズィーは、コックピットには行っておらず、休憩室のドアの前で自分では止める事が出来ず、自然と落ちてしまう涙を流しながら、それを聞いている
「…だから隊長はローズィーの色々な事情も含めて昔から知っているんだ…そのキマイラとの戦いの最中に被害に遭っているからな」
「その【ホワド】と【ヴァルバリキア】が同じと言う事は考えられないんですか?」
「正直分からん。俺とタンさんは、マルティナ隊長とは別のキマイラを相手にしていたから、そもそもホワドの事だって俺は、写真画像も無い資料でしか知らないんだ」
するとクロ助が、口を開く
「ライオネル、それは北米の都市で起こった事の話かな…6年前と記憶している」
「そうだが?」
「その中のキマイラの1体は、私だ」
2人はそれを聞いて驚く
「えっ!?クロ助…八咫烏もそこに!?」
「正確には、そのホワドやマルティナと同じ場所では無いが」
ライオネルはそれを聞き、記憶を辿る
「アムカとの戦闘の前に、鳥のキマイラもいたと聞いているが、それか」
「アムカと一緒に居た人間が私の力を奪ったのだ。私はその時点で、その場を離れ、瞑想に入ったので、その後の事は知らないが…大きな戦闘になったと記憶している。だがあの時、確かにアムカと人間以外に3匹のキマイラなのか、別の存在がいた事は確かだ」
クロ助はカナタを見る
「カナタが会ったヴァルバリキアは、アムカと何か関係が?」
「そのヴァルバリキアが言うには、ブリッツとアムカが敵対していて、自分はブリッツを応援していると」
「アムカは駆除されてるだろ?」
ライオネルは疑問を持つ
「…アムカは復活すると言ってました」
「本当かよ」
「モンスターの頂点が、アムカになるか、ブリッツになるかで、全生命体の運命が決まると、ヴァルバリキアは言ってました。ヴァルバリキアもアムカ派のオルトロを殺りに来ていたんです」
「じゃあブリッツの目的は、最強の生物になる目的は、復活するアムカと戦う為に霊獣を集めているって事か?その女の話を信じればだがな」
「モンスターは、2派に分かれて、動物や霊獣とキマイラ化し、それぞれの首領の力になろうとしているのかも」
「なんなんだよ。人間を差し置いて、地球で戦争してる様なもんじゃないか…【アムカ事案】は政府軍でも情報管理が厳しいが、情報の精査が必要だな。あの時、何があったのか、知る必要がある」
「隊長に聞いてみますか?ホワドを駆除されたんですよね?」
「俺はともかく、いきなりカナタが【アムカ事案】に興味を持つのも、おかしい話だからな…」
すると、休憩室のドアが開き、涙の跡を頬につけているローズィーが入室する
「タイミングをみて、いつか私が聞くよ。それが一番自然でしょ?」
ローズィーは、椅子に座り、目を閉じ、まだ流れようとする涙を必死に止める
「…ローズィー」
カナタは、続けて言う言葉が見つからない
「このあとすぐじゃなくてもいい。ローズィーの言えるタイミングで良いからな。もしタイミングがあれば、俺からも隊長にホワドの事聞いてもいいか?」
ライオネルが言うと、ローズィーは、ニカッと笑顔を作り
「もちろん。あーーーもしあの時、マルティナ隊長が殺ってくれたはずのキマイラが、まだ生きているのなら、私が今度こそ復活しない様にボッコボコのギッタギタでグッチャグチャにしてやる」
「ありがとうローズィー」
カナタが礼を言うと、ローズィーは気持ちを切り替え
「で、第1小隊にはなんて言うの?レッドがオルトロを殺ったのは、誰も見ていないって事になってるんだよ」
「う~~ん。俺はさっきレッドを見たって隊長に言ったから、その時、ブリッツともう一匹人型のキマイラを見たと言うかな。あとの判断は隊長に任せよう」




