EP12 レッド覚醒!!放て超必殺技!!!!3/4
身長はキマイラと想定するのであれば、決して高くは無い、160cm後半、170cmあるかもしれない
両腕には、刃物だろうか?鎌状の短刀を逆手で持っている様な突起物が手首から生えており、それ以外は流線形と言うか、女性的な体つきをしていて、黒っぽいキャットスーツを着ている様ではあるが、よく見ると青や緑に光っている毛の様にも見える。
そしてその生物の顔は、フルフェイスの豪華な装飾のベネチアンマスクの様でもあり、何かの動物の様でもあり、マスクをつけている顔からウェーブのかかった明るい茶髪が腰まで伸び、毛先は常にユラユラと揺れている。
今まで見たキマイラよりかなり人に近い、むしろファルベブリッツやレッド達に似ている印象すらある
「レッドは、言葉が通じないのかな?」
何よりもその威圧感は異常だ
レッドの感覚が鋭くなっているからこそ感じる圧倒的な強者のプレッシャー
「お前は何者だ」
レッドが震える声を悟られない様に質問をする
「しゃべれるじゃないか。そして質問に答えずに質問するとは、失礼なやつだね。まあいい」
そのキマイラと思われる人物は、バク宙で距離を取ると、右手の鎌状の突起を縦に振る
すると、風が起こり、レッドのそばにあった木を真っ二つに斬り裂く
「私は、鎌鼬の霊獣の力を受け継いだ。双剣のヴァルバリキアと呼ばれている。君は八咫烏の力の一端を受け継いだファルベレッド…と人間に呼ばれている個体で合っているかな?ここに居た、オルトロに何をしたんだって聞いているんだ」
「答えると思うか?」
「つくづく失礼な奴だ。私は君の質問に答えて、教えたのになぁ」
ヴァルバリキアは、腰を下ろし、しゃがみ込みながらレッドを見る
その妖艶な姿とは裏腹に、動けば、一瞬で攻撃に転じる事が出来る圧を感じる
「なるほどね、いい感覚を持っているね。私たちは似た者同士ってわけだ」
レッドは動く事が出来ないわけではない。ただ先ほどのスーパーオーラを使った攻撃で、オーラの残量が少なく感じ、戦い始めたとしても、勝ち筋が見えないのだ。ここで下手に動いて、ヴァルバリキアに情報を与える必要は無い
ヴァルバリキアは、それを感じている。そしてイベリアオオカミを指差し
「あれは、君がやったのかな?モンスターとオオカミを分離させて、無効化した…という感じだね」
レッドは答えない
「沈黙は金という事かな……さて、礼を言おう」
礼を言う!?レッドは、思いもしない言葉に驚く
「今日はオルトロを殺しに来たんだ…オルトロもこちらを感知していた様だけど」
ヴァルバリキアの言葉で、オルトロの言葉を思い出す
『貴様からはアムカ様の匂いがしないな…近くに来ているはずと思ったが?』
「アムカ…と関わりがあるのか」
レッドはゆっくりと話す
「また質問かい?君はつくづく…だが、勘は良いんだね、まさかアムカの名が出てくるとはね。まぁいいさ、私は君に私の事を知って欲しいと思っていたんだ」
立ち上がり、髪をなびかせ、立ちつくすレッドの周りをゆっくり歩きながら、レッドの身体を観察するヴァルバリキア
「アムカは死んだ。それは君たちも知っている事だよね。アムカはモンスターの頂点に立っていたキマイラだ。その意志を継いだ存在が、ファルベブリッツなんだよ。だから彼はアムカが掲げていた人類絶滅を謳っている…多くのモンスターを従える為にね」
ヴァルバリキアは、レッドの正面に立ち止まり、顔をじっくりと見る様に話す
「アムカはファルベブリッツと敵対している。彼女は復活する。その時、ファルベブリッツがモンスターの頂点になるか、ア厶カが頂点になるか……その時、全生命体の運命が決まると言っても過言じゃない。私はファルベブリッツを応援しているんだ」
「だからアムカ側に付きそうなオルトロを殺しに来たのか」
「そう、だが君がやってくれた、だから感謝だ。礼を言うよ」
刹那、ヴァルバリキアが右手首の刃をレッドの首に斬りつける。しかしレッドは刀でそれを受け止めている
「凄い抜刀術だね。凄い凄い……私を手伝う気はないか?」
「今、殺されかけたのに、信用して協力しろと?」
「協力してくれると嬉しいんだけどね。君の目的は何だ?そんな力を手に入れて、何をしようとしているんだい」
刀を弾き、また距離を取るヴァルバリキア
「俺は、モンスターやキマイラを皆殺しにしたいわけじゃない…」
レッドは倒れているイベリアオオカミを見る
「俺は全ての生物が、自然のまま、強大な意志に左右されずに、命を全う出来る世界を望んでいる。全生命体の運命を握ろうとするのなら、モンスターも、キマイラも、ファルベブリッツも、アムカも、お前も俺の敵だ」
「自由にしたまえ。私達はアムカ側のモンスターやキマイラを狩りながら、我々に協力してくれる存在を探す……またどこかで君達に会えそうだね」
ヴァルバリキアが、天を指差す。上空に魔法陣が展開されている事に気付くレッド
その魔法陣は見覚えがある魔法陣だ
その中から、翼を持つ神々しい金色の人影が現れる
ファルベブリッツだ
「ブリッツ!!」
レッドが叫ぶ。ブリッツはゆっくり降下し、ヴァルバリキアの隣に立つ
「久しいな。お前がいるとは思わなかったぞ、レッド……力をつけているな」
すると、ブリッツはヴァルバリキアの腕を掴み
「お前、余計な事を話していないだろうな。オルトロはどうした」
ヴァルバリキアを掴む手に力が入る。ヴァルバリキアは腕を振り、ブリッツの手を振り払い
「私も今来た所だし、オルトロはレッドが殺ったみたいだよ」
その言葉を聞き、ブリッツはレッドを睨みながら
「今日はお前と戦う為にココに来たのではないのでね、失礼させてもらう」
「お前は何がしたいんだ。本当に人類を滅ぼすつもりなのか、俺はお前と!!」
レッドが話す中、ブリッツは右手を突き出し、火の玉の魔法陣を作ると、すぐに発射。レッドはオーラでそれを弾く
「騒ぐな、よく鳴くカラスだ。今はまだ時ではない。じゃあな」
ブリッツは再び転移の魔法陣を展開
「あっ、グリーンに宜しくと、私は彼のファンだって伝えて欲しいな」
ヴァルバリキアがそう言うと、魔法陣が爆発する。ブリッツ、ヴァルバリキアの姿は消えているのだった
数秒後、レッドの後方からドローンバイクが走ってくる。ライオネルだ
「何があった!?」
ライオネルがレッドに問うが
「オルトロは消滅しました。さっきの戦闘と今の爆発で、隊長たちも来るかもしれない…俺はカササギに戻ります…」
レッドはそう言うと、走り去る
ライオネルは辺りを見渡し、イベリアオオカミの死体に気付く
「オオカミの死体!?何があったんだ」
しばらくすると、ようやくローズィーが不調なドローンバイクを走らせ、やってくる
「あれ!?カナタ?」
「俺が来た時には戦闘は終わってたようだ。カナタはカササギに戻ったよ」
「オルトロはどうなったか、聞いたんですか??」
「いや、隊長たちも戦闘に気づいただろうからって」
「確かにそうだけど…すぐには来ないだろうし、説明くらい出来るだろ」
ローズィーが不満を口にすると、北側から2台のドローンバイクが来る
「えっ、早っ」
それはマルティナと雷斗の乗るドローンバイクだ
「何があったんだい、ライオネル君」
マルティナがドローンから降りつつ、ライオネルに尋ねる
「わかりません。でもファルベレッドを目撃しました」
「レッドが、ここに居たのか」
「はい」
すると、イベリアオオカミの死体に気づく雷斗
「これはオオカミの…これがオルトロ?」
「いや、それはないだろう。オルトロはこの世の物とは思えない容姿をしていると言われているからな」
マルティナもイベリアオオカミの死体に近づく
「絶滅したはずの動物の死体がなぜここに…付近にイベリアオオカミの生息の痕跡がないか捜索もしよう、カナタ君は近くにいないのかい?」
「カナタはカササギで留守番です。俺達はクロ助が反応する場所を探そうとしたら、大きな光が見えて…」
「私たちもそれを見たから、すぐにここに向かって走ってきたんだ。オルトロとの関連は不明だが、この死体も解剖し、研究する手配をしよう」
マルティナ隊長、ライオネル副隊長は、状況を整理しながらテキパキと動く
「何があったんだろ」
ローズィーが、真っ二つになっているコルクガシの木を見ながら言う
「あの光、ギュウガ事案で出てきた、ファルベキングの金色に似ていなかったか?」
雷斗も、辺りを観察しながら、ローズィーの意見を聞く
「そうだな」
と、生返事をしてしまう
「新生カプトの初出撃が、こんな終わり方なんてな」
と雷斗は言うが
「まだ何があったか分かんないだろ。オルトロは発見されてない。死体があったわけじゃないし、終わりじゃないだろ」
ローズィーがそう言うと、雷斗も納得する
「とにかく、ライオネル君がファルベレッドを目撃したと言う事は、レッドとオルトロが戦った可能性もある…のかもしれないのか」
マルティナは深く考え込む
「隊長、一旦スペースシップに戻りましょう。イベリアオオカミの捜索にはカナタの知識が必要ですし、オルトロの捜索もクロ助の反応があった方がいいでしょうし、一度戻って、そちらの拠点に行きますよ」
ライオネルが提案すると、マルティナは考えながら
「うん、そうしよう。初日の早い段階で想定外が起こって、幸運だったのかもしれないな」
「3時間後、13時に合流します」
第1小隊と第2小隊は別れる




