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戦闘動物保護部隊CAPUt!!〜愛しい駆除対象の英雄たち〜  作者: 柴犬乃ぐんて
第1部【戦闘動物保護部隊CAPUt】
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36/103

EP10 解散!!イプシロン隊5/5

グリニッジ標準時10月26日PM11:41

イプシロンステーション


白鷺、カササギが収容され、第1、第2小隊共に司令室に行き、タンに報告をする


「軍からも連絡はあった。茶部被疑者は軍用の囚人施設に護送されるそうだ」


タンの言葉に、落胆する様にマルティナが答える


「やはり、公安が動きましたか、事件は内々に済まされるのでしょうか?」

「世間には流れない事件だろうな。被害者も被疑者も地球世界政府の人間だ」

「司令は、本当にこのまま残られるのですか?」

「マルティナ、君達のバックアップをする為には、残る必要があると思っている」


マルティナの後ろに控える5人。ライオネル以外の4人は互いに顔を見合わせる


「司令は残るとは?」


カナタが質問すると、タンは時計を見る


「まぁ少し早いが、いいだろう」


タンは全員の顔をよく見る


「我々、イプシロン隊は27日AM00:00に解散する。君達はイプシロン地区の任から外れる事になる」


タンの言葉を、全員は真剣に聞いている


「軍の縮小とカプトの増強と銘打っているが、既存の軍に全カプト隊員は吸収される形を取り、新たな組織として、対モンスター及びファルベ組織(Anti-monsters and Farbe organizations)通称AMFO(アンホ)が結成される。私はそちらへ編入だ」


そしてマルティナが5人の方へ振り向く


「そして私たちは、名を変えず戦闘動物保護部隊(combat animal protection unit)カプトとして、世界の霊獣及び未確認生物の発見保護、対キマイラ専門部隊となる」


呆気にとられているライオネル以外の4人


「えっこの6人だけ?」


雷斗は驚き


「…こちらから打って出るって事ですか」


ローズィーは、その手があったかと納得をする

確かに今までは、モンスターやキマイラを相手にする時に、霊獣がいるかどうかの確率の低い博打みたいな物だったからだ


「対キマイラって、これまでと変わらないって事?」


白が質問する


「世界各地に一般人は立ち入り禁止区域、禁足地として、対策されないまま放置されているキマイラが各地にいるだろう?」

「その地域の食物連鎖の頂点になって、君臨してしまった個体ですよね」

「そのキマイラの退治だよ」

「えっ……そんな事出来るの!?」

「対策を万全にして臨むしかないね」


白もローズィーも唖然とする


「ちょっと待って下さい。動物保護は、どうなるんです!?アンホもカプトも、動物保護の任務は!?」


カナタは、マルティナに慌てる様に焦って質問する


「カナタ君、一応カプトの任務には含まれているが、これまでとは逆だと思ってくれ」

「逆?」

「これまでは動物保護の為に出動しモンスターやキマイラに対処していた。これからはキマイラや霊獣の為に出動し、保護動物が居れば保護する事になるね」

「じゃあ、動物保護を主軸に動く部隊は、無いって事ですか」


カナタは、悲観しないよう言葉を絞り出す様に言う

マルティナはそんなカナタに、どう説明しようか言葉を選んでいると、タンが一言


「これからは動物保護は優先されない」


タンのハッキリとした態度と言葉に、カナタは、ショックを受ける

そんなカナタをみて、タンは


「カナタ、モンスターと人類が、次のフェイズに移ったと思ってくれ。キマイラを駆除する過程で、霊獣を保護する事が出来れば、ファルベブリッツを止められる、人類も動物も助かる」

「わかります…わかりますけど」


カナタは理解した。マルティナはこの状況を予見していたのだ。だからこそ、この状況になれば一番悩むであろうカナタに対して『自分達の仕事』と『相手への敬意』の話を再三にわたって話していたのだろう


カナタは、グッと顔をあげ


「仕事は、仕事…ですよね」


カナタの決意した顔に、マルティナは


「カナタ君、一緒にやってくれるかい?君にしか救えない命がある」

「はい」


カナタの目は、真っ直ぐマルティナを見つめた





マルティナとライオネル以外の4人は司令室から退出する


「今日は色々ありすぎだったね」


白が疲れ切り、ローズィーに寄りかかりながら言う


「いつも暇だ〜暇だ〜って愚痴るから、ちょうど良かったじゃねぇか」


雷斗は嫌味を言うと、白は口を尖らせる


「でもさ、カプトが私達だけになるなんて思わなかったな」


ローズィーの言葉に、雷斗と白は少しだけリアクションが遅れる


「2人は何か聞いてたのか?」


カナタは雷斗と白に問うと、2人は顔を見合わせる


「明言されたわけじゃないけど、私最近よくさ。いつも3人でやってる事を1人でするならどうする考えて行動するんだ、そうすれば2人の時、3人の時、別の誰かと組んだ時に、自分は何が出来るか、何をして欲しいか、何をすれば良いかが見えてくる、特に援護にまわる事が多い白君には大切なスキルだ。って様なこと言われてたなぁ」


白はマルティナの仕草や声や喋り方を真似ながら言う


「俺も似たようなもんだな。1人で出来る事の限界値みたいな話はされたな」


雷斗と白の言葉に、納得するカナタ


「俺もさ、戦う意味とか、仕事としての事、最近よく言われてたんだ」


すると、ローズィーは


「私…何か言われてたかなぁ」


と心当たりがない様子に、白が


「感情に任せないとか、可能性を考えてとか、言われてたじゃん」

「それは…隊長以外にも言われるし…」


ローズィーは声が小さくなる


「じゃあもっと意識しろよ」


笑いながら雷斗が言うと、ローズィーは頬を膨らませる


そんな話をしながら部屋に戻る4人は、カナタの部屋の前にたどり着く


「じゃあ、明日。作戦室に7時半集合、だな」


扉を開けながら言うカナタ


「うん、そうだよ」


白は答えながら、扉の中の物が見えてしまい、ギョッとしている。ローズィーも同じだ。雷斗には見えない角度らしく反応はない


「…ケモミミの女の子」


 カナタは2人の視線に気づき、部屋をみる。そこには大量の成人向け雑誌や如何わしいフィギュアが置いてある


「違う、これは!!」


慌てて、扉を閉める


「なんだ?カナタ、整備の協力してやったのか?」


雷斗がそう言うと、ローズィーと白がハッとする


「整備の!?」

「大掃除!!!!」


カナタは観念し、扉を開け、整備員の私物を匿っている事を自供する


「掃除が大変だから、大切な物を一時的保管してくれって言われて、承諾したら…こうなった…」


白はある雑誌を手に取り


「ほら!!ケモミミ!!!!」


とローズィーに見せる


「嬉しそうにエロ本を見せるんじゃない…それにケモミミって言うか、バニーガールじゃないか」


やれやれとローズィーは、頭を抱え


「優しさもほどほどにな、カナタ。変な疑いかけられてたぞ」


キョトンとするカナタに、ローズィーはため息をつく


すると、モンスターと対峙した時の様な感覚に襲われる4人。4人は後ろに気配を感じ、振り返る


そこにはタンクトップの大柄の屈強な整備班長フブキがいる


「これは、カナタの私物じゃあないんだな?」


圧倒的な存在感、圧倒的な殺気、隊員以上に圧倒的な何かを持っているんじゃないかという整備班長フブキ。4人はシャキッと姿勢を整える


「…はい」

「うちの部下の物か」

「…はい」

「あの愚者どもめ」


怒りがまるで音として聞こえる様な感覚になる4人


「あっじゃあ私達はこれで…」


と、ローズィー、白、雷斗はそそくさとその場を逃げる様に去り、取り残されるカナタ


「整備班!!全員起床だ!!!スペースシップ作業中の奴らも一人残らず来い!!!!」


それから数時間、繰り返し怒号と悲鳴がカナタの部屋を中心に響き渡るのだった


その光景をみてカナタは、またマルティナの言葉を思い出す


「これも…優しさと仕事と敬意…なのかな」


この作品はカクヨムで先行掲載しております。


掲載が追いつくまでは、毎日7:30/19:30の2話更新です。

追いついた後は、カクヨムと同じく毎週(月)(金)更新となります。


更新頻度を変更する際は、活動報告でもお知らせします。


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