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戦闘動物保護部隊CAPUt!!〜愛しい駆除対象の英雄たち〜  作者: 柴犬乃ぐんて
第1部【戦闘動物保護部隊CAPUt】
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34/103

EP10 解散!!イプシロン隊3/5

第2小隊の3人はお互い背中合わせになり、辺りを警戒する。レーザーは目視出来るが、どこから撃たれるか分からないが、木々を融解させ貫通する際のタイムラグを見逃さない為だ


「敵は、おそらく1人」


ライオネルも、マルティナと同じ推測をしている


「なぜ、そう思うんです」

「このレーザーライフルは、発射すればしばらく通信が使えない、今みたいに目視からの回避が容易である事…その為レーザーライフル使用時は多人数が横一列に整列して、号令役の合図で発射する方法を用いる。1本の火線の有効範囲が狭く、射程は精々200m…昔の火縄銃みたいな戦い方だと思えばいい」


ライオネルの推測と対策に納得は出来るが、納得出来ない事もある


「なんで私たちを狙うんだよ」


レーザーライフルを持っている人間が自分達を狙う意味がどこにあるか、ローズィーの疑問はもっともだ


「罠…なのかもな…政府軍からの情報での出動だったんだぞ…」


ライオネルの言葉に絶句する2人


「変身すれば、敵探知は容易です」


カナタが提案するが


「ダメだ。上空から隊長達がサーモで見てるはずだ」

「じゃあ敵の位置が分かるんじゃ!?」


ローズィーの言葉に、ライオネルは首を振る


「白の狙撃もない。捉えてないとみるのが妥当だろう」


森が静かになる。レーザーで焼かれた木々は延焼はしていないが、熱は持っている様だ


「俺達がサーモを使っても、相手を見つけるのは困難だろうな」

「敵もそうでしょ!?なら近くにいるって事じゃないか」

「レーザーライフルを持ってるんだ。熱を逃さない光学迷彩くらい持ってるだろ」

「くそって誰なのか、絶対とっ捕まえてやる」

「相手は俺たちを殺す気だけどな」


冷静に状況分析するライオネルと熱くなるローズィー、カナタはじっと森を見ている


「レーザーライフルって、生物だけを焼く兵器というコンセプトで開発されたんですよね?」


カナタはライオネルに確認する


「あぁ、レーザーが金属を通さないからな、建築物に致命的な損傷を出さない兵器として開発されたらしいが…」

「文明は焼かずに、自然を焼く兵器か」


カナタは、静かに言う

その様子をみて、ローズィーは


「カナタ…怒ってる」

「そりゃ、そうだよ」


歩き出すカナタ


「おい、待て、敵はどこにいるか!!」


ローズィーがカナタを止めようとした時、カナタに光の線が重なる


「カナタ!!」


ローズィー叫ぶ。カナタはレーザーに焼かれたと思ったが


カナタはその光の線を、鞘から少し抜いた刀で受けている

刀は、光を受けても融解しない


「なるほどな。銃ではレーザーは受けられない」


ライオネルは感心する。銃で使用されるステンレスやアルミ合金では、レーザーは防げないが、高温で鍛え上げられた日本刀は、理論値では防げるのだ


「いきなり試す度胸は無いがな」


そしてそんな洞察力もないだろう


レーザーの光の線の方向に進むカナタ

 カナタ達の襲撃者は急速に動けば位置を特定されるので、ジリジリと動く事しか出来ない。カナタの視界から外れた場所まで動くと、レーザーを発射、しかし再び刀に防がれる

 であれば、ライオネルとローズィーを先に撃つ方がいいか?カナタの表情が分かる距離まで詰められている…が、まだ位置は特定されていない、そんな事を考えていると、カナタが刀を納めた状態で、ゆっくりと目を閉じ、刀の柄に手を当てて、腰を落とし、止まる


…なんだ、あいつは何をやっている


自分に向けられる殺意でも察知してるのか?刀の間合いには、まだ入っていない…なら


襲撃者は、サーモスコープの照準をローズィーに合わせると、引き金に指を置く


お前の事は嫌いではないが、サヨナラだ


引き金を引くと、光の線がローズィーの胸に当たる


殺った、そう思ったその時、カナタが射線に入り、光の線をまたしても鞘から少し抜いた状態の刀で受けている


次の瞬間、目の前が真っ暗になる、サーモスコープがエラーを起こし、ブラックアウトしたのだ

 そう思った時には、ライフルを支えていた腕が、跳ね上がる。ライフルの重さは無くなり、自分の持っていたはずのライフルが地面に落ちている…いや、ライフルだけではない、見慣れたグローブをつけた手が、2つ


「くそ、でめぇ、なんで、くそぉおぉ」


やっと声になった言葉を吐くと、レインコートの様な光学迷彩が解けた身体は、カナタに蹴り飛ばされる


起き上がろうにも、両手が無い

なんとか頭と膝を使い起き上がろうとするが、今度はローズィーに、踏みつけられる


「動くな、止血しないと死ぬぞ」


カナタは、冷たい口調で言うと、ライオネルが襲撃者のヘルメットマスクを外す


「…茶部さん」


驚愕する3人、それは地球世界政府軍の日本方面部隊隊長の茶部少尉だ、そして彼は…


「何やってんだ、あんた!!」


ローズィーは踏みつけから、馬乗りになる


「やめろ、ローズィー」


カナタが制止する


「どうせ、俺への恨みとか、そういうのでしょ?」


カナタがそう言うと、茶部が罵声をあげる


「ああそうだよ!!分かってんじゃないか!!ギュウガ事案で指揮を執っていたのは俺だ!!!お前らがモンスターのキマイラ化を止められなかったから、あれだけの被害が出たんだよ!!!」


ローズィーが茶部を殴る


「またあんたは人のせいにするのか!!!!またカナタのせいにするのか!!!あの時と同じ、この場所で!!!!!」


ローズィーは、泣き始めている


「お前らのせいで、俺はカプトにも行けない!!軍にも残れないんだ!!!しかも俺の両手を奪いやがって、あの時の熊はダメで、俺はこんな大怪我させて良いのかよ!!舐めやがって!!俺は畜生以下の扱いしやがって!!」


暴れる茶部を馬乗りで押さえながら泣いているローズィー、ライオネルは応急処置用の医療キットを使い、茶部の両手の止血をする


「俺たちの命を奪おうとした人が言う事じゃない」

「ライオネル、こいつはなぁ、俺の人生よりも、動物の方が大切なんだよな。動物を愛してしょうがないんだ。やりたくてしょうがないんだよ」


茶部は罵声を止めない、自分は悪くない、カナタが自分の人生を奪ったのだという主張を繰り返す


「こいつ…狂ってるよ」


ローズィーが涙を拭い、気合を入れ直す

ライオネルは、茶部の足を縛り、話し始める


「茶部さん、あなたは自分の承認欲求でやっただけかもしれないが、政府軍に嘘の情報を流させた事、俺達の命を奪おうとした事、そしてこのレーザーライフルを調達した事、あなたの想像以上の罪だと言うこと、理解して下さい」


ライオネルが時計を見る


「5分もすれば、無線は使えるはずだ。隊長を呼んで、今後の相談をしよう」

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