EP9 特殊性癖!?カナタの秘密2/3
雷斗は話を続ける
「辞める直接的な原因は、日本でモンスターの目撃があって出動した時、ツキノワグマにカナタ達が襲われてな。隊長もカナタもレッドリストに入ってる事は知っていたし、やり過ごす動きをしたらしいんだけど、そいつは威嚇攻撃をワザと当てて怪我させたんだよ」
「えっ!?問題になるんじゃないの!?」
「もちろん問題になったさ、カナタも隊長もちゃんと報告したからな。クマは保護されて、保護区に移動もした。でもその男の言い訳が酷くてさ」
「クマが襲って来たから仕方がないって?」
「いや…」
雷斗も、そこで言葉が詰まる。言いにくい事だと、白は察知する
「カナタはモンスターと同じだ、異種交配…獣姦してるって言いふらしたんだ」
「最低!!」
白の想像を大きく上回る酷い話だった
「でもさ、そんな事、カナタがするわけないじゃん」
白は当然そんな事は信じない。カナタはそんな男ではない。するとローズィーが
「それは半年以上一緒にいるから、カナタの事知ってるからだろ?」
「そりゃまぁ、確かにそうだけど、そんなおかしな言い訳信じる人なんていないでしょ」
「あの男は、ベテラン勢だったんだよ。新人のカナタよりも、発言を信じてくれる多くの味方がいたんだ」
「…そんな、なんでそんな嘘つくの!?」
「自分のした事は消せないからな。相手を貶める事で体裁を保とうとしたんだろ?」
「そんなの酷い」
「でも当のカナタは、何も気にせず、怒りもしなかったし、結局そいつは軍に移籍したんだ」
ローズィーは、当時のカナタの立ち振る舞いを思い出す
「雷斗は、人の好意にも悪意にも鈍感で周りの気持ちを考えてないと思う」
「サラリと酷い事言うんじゃねぇ」
雷斗は軽くツッコみ、ローズィーはリアクションせずそのまま話す
「でもカナタは、人の気持ちも分かってるんだ。分かった上で怒りもせず、感情を表さない様に努めてる。カナタと雷斗は違う」
ローズィーは、カナタにスーパーオーラの解放は無理なんじゃないかと考え始めていた
白はカナタの過去の行動を思い出す
「確かに笑ってる所はよく見るけど、怒ってる所は見た事ないかも…」
「熱意がないんだよ」
ローズィーはそう言うが、白にはそうは思えない
「動物の事になると、熱意凄いじゃん」
「本当、動物の事だけにはな」
「クロ助を保護した時も、モンスターの魔法陣と生態が分かったって興奮してたもんね」
「ほんと動物バカだよ」
二人はハハハっと笑うが、徐々にトーンダウンする
「動物にしか、興奮しない…?」
「…カナタは反論しなかった」
2人は、顔が青ざめる。白はカナタの席から、逆隣りのライオネルの椅子に座り直す
「お前ら、変な事考えてんじゃねぇだろうな」
雷斗の指摘に、黙る2人
「今まで一緒にいた仲間だろ。そんな秘密あるわけないだろ」
雷斗がそういうと、白がボソッと
「誰が言ってるのよ」
すると、雷斗が白を睨む
「なんだ白?」
「別に…」
ローズィーは、ハッとし少し浮かれた声で
「雷斗も秘密の癖があるのか!?白にはバレたのか????」
と、雷斗の顔を見るが、雷斗は視線をずらし表情を隠す
「白、何か変な事されそうになったら、お姉ちゃんに相談しなさい」
と、まるで素人の演技の様に大袈裟に滑稽に言うと
「ありがとう、お姉ちゃん。お姉ちゃんがいない時はちゃんとマルティナママに相談するね」
白もその芝居に付き合う
「うんうん、いい子だー」
2人の寸劇が始まる
「カナタが帰ってきたら、覚えてろよ」
雷斗はそう言いながら、時計を見る
「遅いな、整備に呼ばれたんだろ白?」
「うん」
「今日、整備忙しいんだろ?手伝いか?」
「雨宮さんに呼ばれてたみたいだけど、どうなんだろ?」
雷斗はそれを聞くと、席を立ち、隊員室を出ようとする
「どこに行くの?」
白が尋ねる
「午後から整備室で射撃訓練だろ。スケジュール的に大丈夫なのか確認。ついでにカナタも誘って飯に行こうぜ」
時計は12時を回っている
「じゃ、私たちも行こうよ」
白はそう言い、ローズィーも賛同し、雷斗と共に隊員室を出ていく




