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戦闘動物保護部隊CAPUt!!〜愛しい駆除対象の英雄たち〜  作者: 柴犬乃ぐんて
第1部【戦闘動物保護部隊CAPUt】
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19/102

EP6 緊急事態コンディションブルー3/4

「たたら製鉄」と呼ばれる、砂鉄と木炭を燃焼させて鉄を生産する日本古来の製鉄法がある

その製鉄法で作られた純度の高い玉鋼《たまはがね》で作られた弾丸は、どういう理由かは不明であったがモンスターの表皮を貫通する威力を持っていた

玉鋼が対モンスターとして注目されたのは、大災害後すぐの事だ

モンスターに対抗し、生き残った一般家庭の主婦、暴力団、骨董屋などを調査した結果、日本刀や玉鋼が使われていた包丁を用いてモンスターと戦った事が分かった

その結果、銃弾の弾頭に玉鋼を使用する案が出される…が、量産が出来ない事などを理由に連射をしない狙撃銃専用の弾頭に制限され使用された。それからモンスター被害の減少もあり、今もそのまま狙撃銃専用の特殊弾頭として定着している

モンスターやキマイラが防御強化魔法を使っていると知ったライオネルは、状況証拠から玉鋼に魔法を打ち消す効果があるのでは?と仮定した。魔法の事を報告しようにも出来ないのだが、先月の剣術試合後、カナタに刀を持たせてはどうか?とマルティナに進言、マルティナも提案に賛成し、上申し、この山間にある工房の玉鋼でカナタ専用に日本刀を製造する事が決定した


「いや、ここでは刀は製造出来ませんよ」

「へ!?」

「玉鋼を製造している、たたらは隣ですが、ここは弾頭を製造している場所なので…」


工房長がバツが悪そうに言う


「玉鋼を優秀な鍛冶屋の方へ送ったと報告差し上げたので、それを勘違いされたのですかね?」

「あっ」


マルティナからそう聞き、白と一緒にお礼を言ってきて欲しいと言われたのを、ライオネルが勘違いした事に気づき、照れ笑いをする

それを横目に、白は工房長に挨拶をする


「いつも、ありがとうございます」

「いえいえ、元橋さんのご活躍は私達もよく聞いております。元橋さんのお陰でイプシロン地区の安全は守られているとタン司令も言っておられましたよ」

「いえ、そんな」

「競技と実戦は違うでしょうに、本当に素晴らしい成果です」


白は顔を赤くしその言葉を聞いていると、視界の隅でライオネルが、ウンウンと頷いている姿が目に入り、また顔を赤くする



突如、ライオネルに大きな耳鳴りが起こる


「くっ」


今まで感じた事の無い耳鳴りに戸惑っていると、カナタも同様なのか、耳を押さえてる


「カナタもか!?」


コクッと頷くカナタ。白が不思議そうな顔をする


「どうしたの?2人とも」


ガクン!!!!と工房が揺れる


「地震か!!」


ライオネルが言うが、その揺れは一瞬下から突き出す様な揺れ、すぐに収まる


「ギャオーーーーーーーー!!!!!」


耳を貫き、脳に直接伝える様な甲高く不快な声

工房長と3人は外に飛び出すと、北側の山の稜線に大きな何かがいる


「なんだ、あれは!!」


牛を思わせる角が生え、大きな目玉に尖った耳、その耳まで裂ける様な大きな口、太い牙、まるで鬼の様な顔。しかしその身体は大きな蜘蛛。全長30mはある


「キマイラか!!??」


キマイラにしては何かおかしい

蜘蛛のキマイラなのか、牛のキマイラにも見えるが…

工房長はその異形を見ながらいう


「あれはもしかして、妖怪の」




雷斗が八咫烏の鳥籠から離れようとしたその時、八咫烏は何かを感じ翼をバサバサと羽ばたかせ、けたたましく鳴き始める


「クロ助どうした!!??カナタ…は、居ないな、ちょっと待ってろ」


すぐにローズィーに《《クロ助》》の変化を伝え、隊員室に呼び戻そうと廊下に出ると、ローズィーは頭を抑え、しゃがみ込んでいる


「お前もか」


ローズィーの肩を抱き、顔を覗き込む


「なんだよ。気安く触るなよ…少し立ち眩みがしただけだよ」


手を払い、スッと立ち上がるローズィー。しっかり立っている


「お前もってなんだ雷斗」

「お前は大丈夫なのか?」

「本当に大丈夫だよ」

「良かった。クロ助が騒ぎ出したんだ」

「クロ助が?」


隊員室に戻ると、確かに八咫烏が翼を羽ばたかせている


『一大事だ。牛鬼が襲われている!!』


八咫烏のテレパシーを受け取った時、ステーションの警報が鳴り始め、オペレーターが話し始める


『イプシロン隊に緊急要請!!現地のライオネル副隊長より、緊急事態宣言!!キマイラが発生事案と思われ……え、何!?』


オペレーターが言葉に詰まり……


『前言撤回。特別緊急要請!!霊獣と思われる個体発見!!直ちに保護、及び郊外への誘導任務。緊急事態、コンディションブルーが発令されました』

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