EP27 悪魔は笑う 1/4
シータがなぜ人間と同じ容姿をしているかは、もちろん問題になった
しかしシータが知的生命体であった事が幸いし、彼女の口から語られた言葉を信じるならば
「元の世界で偶然、猿に似た生命体との融合をしていたから」
と言うのだ
「ありえません。人間は人間の存在は、神が作った奇跡、そう奇跡なのです」
「君らしくないなハイモア。君はもっと生物を平等な物として見ているかと思ったよ」
ハイモアの主張にアイザックは冷淡にそう答えた
「私は人間が生物として、特別であると自負しています。それは神が与えてくれた奇跡だからです。人間は神によって神に似せて創造された特別な存在なのです」
「神?納得できる答えではないな。人間が神に似せて作られたと言うのなら、シータもまた神によって作られた…と理論付けるべきではないのか?」
「ありえません」
「ならば彼女が神だとすればどうだ」
「ありえません」
「シータとは、私が話そう。君が話せば殺しかねない」
アイザックはシータのいる部屋に入る。そう部屋だ。イブAやイブBがいるような大型カプセル飼育室ではなく、部屋が用意されているのだ
部屋は、ベッドとデスクと椅子、それだけしかない殺風景な部屋。配管や窓も無い真四角の部屋だ
「こんな場所で申し訳ない。本来、君のような生物は、政府の要人として扱われるべきなのかもしれないが、我々の研究所そのものが極秘なのでね」
「研究?あなた方はどういう研究をしているの?」
「私の研究は重力についてだ。重力こそ安定で膨大なエネルギーを得られると思っている」
「重力…この重さのこと?」
シータはジャンプして見せる
「体がずっと引っ張られているこれね」
「あぁ…そうだ」
「そうか。この世界では、コントロール出来ないのね」
「コントロール!?」
「そうよ」
「シータ、君は理解してその言葉を使っているのか?」
「えぇ、きっと」
「なぜ話せる?なぜ重力をコントロール出来るという!?」
アイザックはシータの肩を掴む
「あら、アナタ…そうやって押し倒すのが好きなのね…そういうザックの強引なところ好きよ」
シータがそう言うと、アイザックは目を見開き、顔面が蒼白になっていく
フラッシュバックする記憶
アイザックが研究室の暗がりで女性を後ろから羽交い締めにすると、壁に押し付け、しゃがませる
「リオナ!!」
アイザックは愛人の名前を叫び、シータを突き放し距離をおく
「シータ…なぜ…あぁ…リオナ」
アイザックはその場にしゃがみこんでしまう
そのアイザックを見下ろすシータ
「ネバダの実験場を彼女に託してくれて、ありがとう。大丈夫、彼女の記憶も能力も私の中で生きていますよ」
「リオナと融合したのか!?」
「えぇ、ザック。彼女のおかげで、この世界とアナタの事を知れました。この想いは私のものなのか、リオナの物なのか、今はわかりません。しかしアナタの力に私はなりたい、私が異世界で得た知識をアナタに授けます。この世界の理を私と解き明かしましょう」
シータがアイザックに手を伸ばす
アイザックは、ゆっくりと手を上げ、シータの手を握ると、グッと自分に引き寄せ、抱きしめる
「あぁ」
アイザックは鬼の形相をしている
シータもまた妖艶な微笑みをしている




