058 ムッツリエルフな学園長
「学ランもいいじゃないか」
「でしょでしょ~」
うちのナッシュくんはイケメンだからね~
背も高いしスタイルもいいし……
完璧すぎだねっ
「俺が来る必要あったのか?」
「モデルさんがいないとイメージできにくいからいいのっ」
「ナッシュお兄ちゃんかっこいい!」
ほらほら~ライザちゃんみたいな小さい子もかっこいいと思うんだよ~
「ナッシュ結婚しよ!」
「かっこよすぎます……」
この双子はほんと要注意だよね。
負けないんだからっ
「ひよりとナッシュをモデルにして、学園と話にいこうか」
「え?もうそんな話になってるの?」
「ああ、シュターナルから聞いてないか?今日の午後に打ち合わせがあるらしいんだ」
そんなの聞いてないよ?
でも話が早く進むならそれでいいよねっ
やっぱりシュターナルさんは仕事できるのかな?
そんな感じしないんだけどね~
「ひより様、お待ちしておりました!ささ、こちらの馬車にお乗り下さい!私、シュターナル、この日のために商業ギルドで一番高級な馬車を用意いたしました!やや、そちらにいらっしゃるのはナッシュ様ではございませんか!お召し物が素敵すぎてどこかのお貴族様かと思いましたぞ!いやー、お二人とも素晴らしい。気品に溢れていらっしゃる!ああ、この二人について行けば私は……ギルマスギルマスギルマス……」
今日は一段とよくしゃべるなぁ。
私とナッシュくんに気品なんてあるかな?
「ひより、手を」
「へ?」
「エスコートは必要だろう?」
え、いきなりなに。
白ランでそんなことされたら……
「ぷしゅ~~~」
「ひより?おっと……大丈夫か?」
「うう、じゅるい……」
「歩けるか?」
「だ、大丈夫だよっ!ちょっとびっくりしただけなんだからねっ!」
カッコよすぎるのがいけないんだよっ
「ちゃんとエスコートしてよねっ」
「あぁ、任せておけ」
「どこでそんなの覚えたのよっ」
「王都に来る道中でひよりがこうしろと教えてくれたじゃないか」
……そういえばそんなこともあったよね。
ここでそんなことしなくてもいいのに~
カッコいいから許すけど。
でもいきなりするのは反則だよっ
「高級馬車って言ってたけど、やっぱりおしり痛くなるよね~」
「ひよりの作ってくれたクッションじゃないから仕方ないだろ」
「出していい?」
「ダメだ。怪しまれたらどうする。そこまで時間がかかるもんじゃないから我慢しろ」
あーあ、私に知識があればなぁ。
馬車も改造して乗り心地よくするのになぁ。
今のスキルに不満はないけど、瞬間移動のスキルだったら最高なのにな~
「ひより様、着きました。どうぞ!」
「俺から先に降りよう」
降りる時もエスコートしなければな。
そう教えられてるし……
「ひより」
「は、はひ……」
ふぅ、これがエスコートか。
安全に降りるためには必要な行為だな。
ちゃんと覚えておこう。
「ここが王立中央総合学園でございます。約束は取り付けているので参りましょう。学園長との面談になります。ぐふふ、学園長に会える人などひと握りしかいないと言われているのに……言われているのに私は会えるのだ!ああ、この世の春がもうすぐそこにいいぃぃ!待ってろギルマス、待ってろ貴族!シュターナルは今行きますぞ!」
こんなとこに来てまで独り言し過ぎだよ~
しかも声も大きくなってるし。
学園の人に聞かれたら恥ずかしいじゃん。
「ここがこの世界の学校か~大きすぎない?」
校舎も綺麗で大きいし、どうなってるのこれ。
噴水まであるじゃん。
あれが生徒かなぁ。
みんな制服着てないんだね~
これから白セーラーと白ラン流行らせちゃうからねっ
「商業ギルド、次期ギルマス候補のシュターナルでございます。学園長との面談の予約があり、参りました」
「は、はぁ。シュターナル様ですね……確認が取れました。学園長室までご案内致します」
こんなところで次期ギルマス候補と言う必要はないだろうに。
やっぱり次からは担当を変えてもらわないとだな。
普通に恥ずかしいぞ。
「ほわ~中も綺麗だよ~すごいねぇ」
「そ、そうだな……」
ひよりもキョロキョロするんじゃない。
学園なんてどこにでもあるもんなんだ。
確かにここは広くて綺麗だが……
「こちらでございます」
「ありがとうございます。では……」
ほわー、大きい扉だよ~
校長室みたいなところだよね?
入ったことないからドキドキしちゃうねっ
「いらっしゃ~い。まってたわぁ~」
「ゴーリーマッチョリゲ!?」
なんでいるのよっ!
芸人さん並にズッコケるとこだったじゃん!
「やや、これはプリティ様。プリティ様より遅くなってしまい申し訳ございません!このシュターナル、死んでお詫びしたいほどの気持ちでございますぞ!」
ただ思ってるだけじゃん!
プリティ様ってのもなんなのよ~
ツッコミどころが多すぎてパニックだよっ
「んもうっ、そんな汚い名前はやめてって言ったでしょお。プ、リ、ティ。ブリティマッチョリゲよ~ん」
「ひより、この生き物はなんだ……」
「うぅ、私が聞きたいよ……」
ひよりの好きそうな筋肉はしているが、どちら様だろうか。
ひよりと面識はあるようだが……
付き合いのある人も選んだ方がいいと教えた方がいいのか?
「あ~ら、そちらのお兄さんもイケてるわぁ。もしかして、ひよりちゃんとお兄さんの着ている服が今日見せてもらえる制服かしら?」
うげっ、なんか見られてるぞ。
怖くはないんだが、鳥肌が……
「なんでマッチョリゲがいんのよっ!ゴンザさんのお店はどうしたのよっ」
「あ~ら、後ろのシュターナルから聞いてないのかしら?アタシはこの学園の臨時教師をしてるのよ~。制服を導入しようと薦めたのもアタシよ~」
名前まで聞いてないから、マッチョリゲが臨時教師なんて知らなかったよっ
聞いてたら多分行かなかったかもだけど……
なんでマッチョリゲが制服を導入しようと考えたのか謎すぎるよ~
「まぁまぁ、その辺にして。どうぞこちらにおかけください。おい、お茶をお持ちなさい」
この人が学園長さん?
すっごい若いんだ。
校長先生のイメージだから、おじいちゃんかと思ってたのになぁ。
耳がとんがってるけど、もしかして……
「エルフっ!?」
「おや?あなたはエルフをご覧になるのは初めてですか?自己紹介がまだでしたね。ハイエルフにしてもと勇者パーティの一員だったリーファンと申します。以後お見知りおきを」
勇者パーティってホントなの?
ってことは三千年以上生きてるってことじゃん!
『キュー!キュキュ!』
「みーちゃんどうしたの……このムッツリなんで生きてるんだ?ってなに?」
ってそうか。
みーちゃんの前世の時の仲間ってことだよね?
「ほほほ、ムッツリっとはなんのことか分かりませんね。そこの……魔物?はあなたの従魔ですか?」
「はい、みーちゃんは私の家族ですっ」
「みーちゃん……後で少し私にもお話させて頂けませんか?」
「もちろんです!みーちゃんもいいよね?」
『キュッ!』
学園長さんもみーちゃんのかわいさにやられちゃったかな?
それともみーちゃんが誰かわかっちゃったとか?
そんなわけないよね~
「それじゃあ本題に入りましょ~」
「はい!私、シュターナルからご説明させていただきます!」
シュターナルさんで大丈夫かな?
こういう時は独り言だめだよ~
「学園長様、ご覧ください。ひより様とナッシュ様を!いかがでしょうか。セーラー服と学ランというものになります。このシュターナル、商業ギルドで培った、この目で、しかと!確認し、この制服ならば間違いなく王立中央総合学園に相応しいと判断させていただきました!こちらの量産体制も商業ギルドにて整っております。あとは学園長様の了承一つです。明日から、いや、今日からでも生産を始めさせていただきます!」
わぁ、一段と喋ったね~
独り言もこういう時は言わないなら、いつも言わなきゃいいのにねっ
「ほほほ、なるほどなるほど。そちらのお二人がひより様とナッシュ様ですね。もう一度お立ちになって、よく見せてはいただけませんか?」
見せればいいのねっ
クルッと回ってあげましょ~
「どうですかっ。とってもかわいい制服なんですよ~」
「んまぁっ!ほんっと~にかわいいわぁ」
マッチョリゲには聞いてないよっ
学園長さんはとうかな?
「……なる、ほど。これは……あっ、鼻血が……」
体調悪いのかな?
なにもないといいんたけど。
のぼせたりしちゃったの?
「ンッンッ。失礼いたしました。とても素晴らしいですね。費用は一着にどのくらいかかりそうですか?」
「生産者の話では、一着につき、銀貨20枚はかかるとのことです」
それが高いのかどうかもわかんないな~
シュシュに比べたら高いんだろうけど、高くしちゃったら庶民は買えなくなっちゃうよね。
「普通の服と考えたら高いですね。ですが、その金額なら何とかなるでしょう。あとは様々な魔法陣をつけるとして……」
魔法陣って何のためにつけるんだろ?
「貴族は買ってもらえばいいですし、庶民の方には無料で配布しましょう。庶民は卒業したら制服を回収して次の入学生に渡せば問題ありませんし。初期投資だけで何とかなると思いますので、制服のお話、お受け致します」
「は、ははー!ありがたき幸せ!すぐに話を持ち帰って進めさせていただきます!」
おー、もう決まったよ!
学園長さんは話のわかる人で良かった~
リディルさんに報告だねっ
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