表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜  作者: 音無響一
第二章 王都新生活

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/65

043 クッキー食べたい

「ふ、ふはは、ふははははは!やったぞ!ついに、ついに完成だ!」



長かった。

失敗して失敗して……何度作り直しただろうか。


だが俺は完成させたんだ。

このサクサク感。

そして程よい甘み。

自分で作ったのに涙が出そうだったな。


帰ってきたら感動させてやる、絶対だ!



『雑魚のくせにうるさいのう。何が完成したのだ。それにしてもいい匂いがしておるな』


「魔王様……これはクッキーと呼ばれる物になります」


『ほう、毎日何か作っておるとは思ったが、クッキーとな。食べてもいいのか?』



え……ひよりに最初に食べてもらいたいんだが……


しかし魔王様に逆らうなんて俺には無理だ。






「ど、どうぞ。お口に合うかわかりませんが……ひよりが食べたいと言っていたお菓子になります」


『あの小娘の食べたいものを健気に作っておるのだな。頑張っておるようじゃないか。我が試食してやろう』



たくさん作ってあるし、まだまだ材料もあるから作れる。

魔王様が食べたとこでなくなりはしないだろ。



「感想を聞かせてもらえたら嬉しいです」


『ではいただくとしよう』



緊張するな。

美味しいはずだが……






『な、なんだこれは!こんな甘くて美味しいものは初めて食べるのだ!』


「おぉ、やったぞ!」


『むむむ、これは止まらん!何個でもいけてしまう!』



そんなに……これは嬉しいな。

嬉しいがすごい勢いでなくなってるじゃないか。

これは追加で作らなければならんな。







『大儀であった!雑魚のクセに料理人なだけはある。我が復活したら専属料理人として召し抱えてやろう』



復活したら大変なんじゃ。

それに封印も解けないって言ってたのに。

もし封印が解けたとしても、俺は生きてるのだろうか。



「喜んでいただけて良かったです」



まだ食べてるな……

どんどん作らないとだな。











「ただいま~疲れたけど楽しかったぁ」


「おかえりひより」


「わ、なんかいい匂いするよ~」


「もうわかるか。ひよりの食べたいと言っていたものがついに完成したんだ」


「ほんと?甘いの?お菓子?スイーツ?も~ナッシュくん天才っ」



材料渡して形を教えただけなのに作れちゃうなんて凄いよ~


楽しみ楽しみっ



『わはははは、帰ってくるのが遅かったのう!もうほとんど我が食べてやったのだ!』


「…………え?」


『キュッ?!』



今なんて言ったの?

私より先に食べたの?しかもほとんど?







「……みーちゃん」


『……キュ』



な、なんだ、寒気が……



『ぐあああぁぁぁ!や、やめ、なんでえええぇぇぇ!』


「許さないよっ!みーちゃん今日という今日は完全に浄化しちゃっていいよっ」


『キューーー!』



ああ、二人とも目が本気だ、怖すぎる。

これが食い物の恨みか……







『だが我は負けんのだ!うりゃ!なんの対策もしていないわけなかろう!魔王である我がそう何度も同じ手でやられるわけないのだ!』


「やるわね魔王さん!でもぜーったい浄化させちゃうよっ!」


『キュキュ!』


「わかったよみーちゃん、聖剣だねっ」


『キュ!』



いつもより輝いてる気がするよ。

頑張ってみーちゃん。

私達のクッキーの恨みをぶつけちゃって!



『ふはは、もうお前はあの剣を持ってないんだ!そんなナマクラで我を斬れると思うておるのか!くくく、積年の恨み晴らさでおくべきか!溜めに溜めた我の魔力を解放してやろうぞ!』



魔王さんも本気だね!

でもこっちも負けないんだからっ







『キュッ!キュウウウウウウウ!』



みーちゃんが光ってる?

何が起きるっていうんだ。



『聖剣召喚!』


「……え?誰?」

「は?」


『なんで勇者になっておるのだ!』


「「ゆ、勇者!?」」



どういうことだ?

何が起きてるんだ?







『おお、全魔力を解放したら元の姿になったじゃん!やっほーひより!』


「や、やっほー?」


『あー、わからないよね。みーちゃんだよ、みーちゃん!』


「みーちゃん?!あなたが?うそでしょ!?」



ほんとのことなの?

ぜんっぜん、理解が追いつかないよっ!



『やっぱりこっちの聖剣の方が手に馴染むよ。エクスカリバーも強力なんだが……ふん!』


『ぎゃああぁぁぁぁ!け、消し飛んでしまう……今のを防ぐだけで、魔力がごっそりなくなってしもうたではないか!』


『ふふふ、もう一度完全に封印してあげるからね。覚悟して……ねっと!』


『や、やめ、やめて!封印どころか死んじゃう!』



何が起きてるのかわかんないよ……

みーちゃんじゃなくて勇者なの?






「みーちゃん、どういうことなの?」


『あはは、話せば長くなるんだよ。でも今はあのバカ魔王を懲らしめないと……ねっ!』


『やめてくださいいいぃぃぃ!我が、我が悪かったですうううぅぅぅ!』



みーちゃんが元勇者なのか?

あの魔王を封印した?


黒目黒髪だなんて、ひよりそっくりじゃないか。

まさか元勇者も異世界人なのか?






「も、もうその辺でいいよ!それよりどういうことなの?」


『なんだ、もういいのか?これからがいい所なのになぁ』



ちょっと怖いんだけどっ

いい所ってなんなのよ~



『話せば長くなるんだけどね。この魔王を封印したのは私なんだ。名前は鈴木美咲よ。名前言うだけでひよりならわかるでしょ?』


「えええぇぇぇ!みーちゃん、美咲さんも日本人なの?うっそー!」


『そうよ、ひよりと同じ16歳なんだからね?』



驚愕の事実すぎるよ!

もう頭がついていかないんだけど……






『な、おかしいと思ったら、そっちの小娘も異世界人なのだな!なんでわざわざ異世界から我を……ぐぬぬぬぬ……』


『私は魔王ランランを封印して死んだはずなんだけどね。気が付いたらペンギンに転生してたってわけなの。おかしな話よね』



おかしな話すぎるし、転移して勇者になって、魔王を封印して死んで、ペンギンに転生?

どういうことすぎるよっ


それよりも魔王さんのお名前……ランラン?パンダじゃん!



「じゃあ今までみーちゃんがすごいなって思ってたのは、勇者だし元日本人だからのね?」


『そうそう、その通りだよ。しかも、ひよりと違って料理も得意なの』


「え、じゃあ日本の食べ物作れちゃう?」


『どうかなぁ。あ、やば、力がなくなってくのがわかる。またペンギンに戻りそう』



ちょっと、まだ聞きたいことあるのに!






『ふはははは!またペンギンに戻りおったな!もう怖くないのだ……って、ぎゃああぁぁぁぁ』


『キュッ!』


「戻っても魔法はそのまま使えるんだね~」


『く、もう我も魔力が……今日のところは見逃してやる!さらばなのだ!』


「ちょっと!食い逃げよ!ランランちゃん待って!」


『だーれが、ランランちゃんなのだ!気安く呼ぶでない!待つわけないのだ!』



あ、逃げた。

逃げ足の早い魔王様だ。

名前は思いのほかかわいかったな……






『キュッ!』


「みーちゃんは勇者さんだったんだね~」


『キュキュ!』


「さらにひよりと同じ異世界人とはな」


「びっくりしすぎて、もうよく分からないよね」


『キュー!』



こうやって見るとただのペンギンなのになぁ。

私と違って料理得意とか言ってたし、ビジュアルもすっごいかわいかったよね。


かわいくて強くて料理もできるとか、完璧すぎない?






「まだクッキーはあるからみんなで食べないか?」


「さっすがナッシュくんっ!食べよ食べよ~」


『キュッキュッ!』



ふぅ、かなり多めに作っておいたからな。

これで機嫌を直してくれるといいんだが。



「ん~美味しい!サックサクのクッキーだよっ!完璧だよ~」


『キューーー!』


「それは良かった。安心したよ」



美味しそうに食べてくれてるな。

これで一安心だろ。



「これにホイップクリームかけちゃうよっ」


『キュ!?キュッ!キュキュ!』


「ついでに~チョコソースっ!」


『キューーーーッ!』


「みーちゃんもぜーったい好きでしょ!だって元々JKだもんねっ」



チョコソース……

今度はいったいどんなものなんだ?



「じゃじゃーん!チョコソース~」


『キューーー!』

「おー」



ってまた黒いな色が。

クッキーに白のホイップクリームを乗せ、そこに黒いチョコソースをかける。


あれが本当に美味しいのだろうか……



「んーーーっこれこれっ!さいっこうだよ~」


『キューーーーッ!』


「ああ、しあわせ……」



俺も食べてみたい……

いいよな?食べても怒られないよな?



「ほらほら~ナッシュくんもたくさん食べよっ」


「あ、ああ、食べよう」



ふぅ、今日はお許しが出たな。

うん、普通に食べても美味しいな。


ホイップクリームだけで食べてみると。

うん、これは反則級の美味さだな。


次にホイップクリームにチョコソースをと。


─────これは泣くな。


なんだこの表現しがたい味は。

甘いんだが、経験したことのない味が……


チョコソースだけでも美味しいのだろう。

だが俺の作ったクッキーと合わせることで何倍にも美味しくなっている。


これは……止まらないな。


ひよりが食べたがってる理由が分かったような気がするな。


甘いものを食べるとこんなにも幸せな気持ちになれるんだ。


もっと色んなお菓子を作れるように頑張ろう。



面白いと一欠片でも思って頂けたなら、お手数ですがブクマと星評価をよろしくお願いいたします。


特に星評価をもらえると最高に喜びます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ