041 かわいいで商人も救っちゃう?
「ひより、これはどうだ?」
「わぁ、私の制服みたいだけど、めっちゃかわいいよっ」
「そうだろそうだろ。私はひよりの制服をとっても気に入っているからな。それを参考に作ってるんだ」
「うんうんっ、最初の頃よりずっとかわいいよっ」
ほんとにかわいい~
それなのに全然売れないから困っちゃうよね。
最初の頃よりは話しかけてくれる人も増えたけどなぁ。
どの店でも取り扱ってくれないから売るに売れないよね。
「すいませーん、ひよりお姉ちゃんいますかー?」
ん?誰だろう。
リディルさんの家なのに、私が呼ばれてる?
「リディルさん、誰だろう」
「わからないが、子供の声だな。出てみるか」
こっちの世界で子供の知り合いいたっけ?
んー、でもなんか引っかかるなぁ
「あ、ライザちゃん!」
「ひよりお姉ちゃん!会いたかったぁ」
わわ、抱きついてくれるなんて嬉しいなぁ
ライザちゃんだったんだ~
「シュシュもしてくれてるんだねっ。今日もとってもかわいいよ~よしよし」
「あー、この前の子か。よく来たな。中に入ってくれ。お茶でも出そう」
「あ、待って、パパも来てるのっ」
「「パパ?」」
「初めまして。ライザの父のゴンザと申します」
なんでライザちゃんのパパさんが?
「お茶どうぞ~」
「突然来てしまい申し訳ございません」
「いえ、構いませんが、どうしてライザちゃんのお父さんまで?」
「私は商人をしておりまして、相談に参りました」
「相談……ですか」
へ~ライザちゃんのパパさんは商人なんだ。
相談ってなんだろう。
お仕事の話なら私は余計なこと言わない方がいいよね?
「パパは売れない商人なのっ!だからママと喧嘩してるんだよねっ」
「ば、ばかもの、そんなことをここで言うんじゃない……あ、あはは、申し訳ございません」
「いえ、お気になさらず。どのような相談ですか?」
「この髪飾り……シュシュと言いましたか。それを私に取り扱わせて頂けないでしょうか!」
やっぱりお仕事の話だよね。
でもライザちゃんパパは売れない商人なんだ。
そんな人に任せても大丈夫なのかな?
「私達も取り扱ってくれる店がなくて困ってたんです。ゴンザさんはご自分の店を持たれてるんですか?」
「はい……東地区に店は構えてるのですが、なかなか売れなくて……」
お店持ってるなんてすごーい!
どんなとこなんだろ?
「普段はどんなものを取り扱っているんですか?」
「あれこれ手を出してみたのですが、売れなくて……立地が悪かったのも原因かと思います。ただ、このシュシュは素晴らしい。うちの家内も大絶賛していました。ですので、是非、私の店で売らせてください!」
立地が悪いって最悪だよね。
私の家も立地が悪くて潰れたとか言ってたような?
「私達としてはありがたいお話なのですが、本当によろしいのですか?売れるか分かりませんし、そちらはリスクを抱えることになりますが……」
そうだよね。
まずはパパさんがシュシュを買わないとなんだもん。
そのお金はどうするんだろう。
「手持ちは余りなくて……」
「そうですか……」
やっぱりそうなのかぁ。
世の中って厳しいんだろうなぁ。
なんとかしてあげたいけど、私が出しゃばるところじゃないし。
うーん、困ったなぁ。
『キュッ!』
「うーん、なになに?今は大事なお話してるから、みーちゃんもシーだよ?」
『キュキュ!キュッ!』
「え~?あ!なーるほど!ナイスアイディアだよみーちゃんっ!」
やっぱりみーちゃんは天才だねっ
「二人とも、いい案があるのっ。聞いてくれるかな?」
「どんな案なんだ?」
「ライザちゃんに協力してもらうのっ」
「うちの娘に?ど、どういうことなんですか……」
そうだよね、わかんないよね~
「ライザちゃんは今よりもっとかわいくなりたい?」
「私?……うんっ、もっとかわいくなりたいっ」
「ふふ、いいお返事だよ~」
「ライザちゃんがかわいくなるのと、ゴンザさんの商売がどう関係してくるんだ?」
「ライザちゃんに広告塔になってもらうんだよっ」
「「はぁ?」」
どういうことかわからないよね~
ちゃんと説明しないと。
「なるほど……娘がリディルさんの服やシュシュをつけて街で遊べばいい、ですか」
「うんうん、簡単でしょ?あとはママさんにも協力してもらえば完璧だよっ」
「私達だけでやるんじゃ効果が薄かったからな。いいじゃないか。それを広告費にして、お金を発生させないわけか」
うんうん、二人とも頭いいな~
私の拙い説明でちゃんとわかってくれたねっ
「お金の細かい話は私には分からないから、あとはパパさんとリディルさんで決めてねっ」
「そうだな、商売のことは商人に任そうと思ってたところだからな」
これで一歩前進できそうだねっ
ライザちゃんもママさんも、みんなでかわいくなっちゃうしかないでしょっ
「ライザちゃんはかわいいからなんでも似合うだろうな~」
「ひよりお姉ちゃんの方がかわいいよ?私もお姉ちゃんみたいにかわいくなりたいっ」
「うんうん、作るのはリディルさんだけど、かわいいのたくさん作ってもらおうねっ」
子供服ってかわいいもんな~
みんなでお揃いにしてもいいよねっ
ライザちゃんママも美人さんなのかな~
採寸とかするだろうし、今度会えるよねっ
「もう子供の服は一つあるんだ。それに着替えてみてくれないか?」
「おー、さすがリディルさんっ!私がお手伝いするから、お着替えしてみよっ」
「いいの?やったぁ!」
あ、この前ワンピースの話してたからそれかな?
「こっちだよ~これに着替えちゃおっ」
「わぁ、綺麗な色~」
「色もいいよねっ。これ着てパパもみんなも驚かせちゃおっ」
「うんっ!」
ちっちゃくて細くて、お人形さんみたいっ
かわいいからたくさん着せ替えしたくなっちゃいそうだよ~
「みんなに見せる前に鏡で見てみよっ」
「鏡?」
「そうだよ~ここにはおっきい鏡があるのっ。ほら、ここだよ~」
「わぁ……かわいい~」
「私が呼んだらこの部屋から出てきてね~」
「うんっ、わかった!」
ほんとかわいい~
パパさんも絶対喜んでくれるよねっ
「ライザちゃん、おいで~みんなに見せてあげてっ」
「えへへ、どーお?」
「「おお!」」
ふわっと広がる淡い色のワンピースがちょーかわいいよねっ
胸元には小さなリボンがついていて、袖は少しだけふくらんでるし。
腰のところで軽く絞ってあるから、スカートがふわっと丸く広がってるんだよね~
「どう?どう?すっごい似合ってるよね?ね?」
「ああ、サイズもピッタリだし、とてもかわいいぞ!」
「えへへ、やったぁ」
「ライザがこんなに……貴族の令嬢のようじゃ……いや、それ以上に可愛らしい……」
二人とも釘付けだよ~
こんなにかわいいから当たり前だよねっ
「ライザちゃんはうちの専属ジュニアモデルだね!」
「「専属ジュニアモデル?」」
「そう!リディルさんの服をかわいく着こなすモデルさんだよっ」
「なるほど……いい考えだな。創作意欲が湧いてきた。ひより、デザインは任せたぞ。それを私が作りまくってやる」
うんうん、私もかわいいのたくさん作らないとねっ
お金の話もまとまったみたいだし、あとは売れてくれればバッチリだよね~
王都でかわいいを流行らしちゃうんだからっ
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