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追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜  作者: 音無響一
第二章 王都新生活

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035 来ちゃったっ

「よし、できたぞ……くっ、涙が止まらん」


「今度はこれを炒めるんだよっ!ぜーったい焦がさないように飴色になるまで炒めるのが美味しくなるんだって!」



飴色とは……

まずそこからわからんな。

聞くべきか、聞かないべきか。


ここは恥を忍んで聞くしかあるまい。



「飴色とはどんな色なんだ?」


「あー、そっか!茶色?そんくらいの色!」



なかなか曖昧だな。

だがやるしかあるまい。

こんなに細かく刻んであるんだ。

すぐに焦げてしまうだろう。

強火はダメだろう。

ここは弱火か中火で炒めてみるしかあるまい。



「ん~玉ねぎを炒めるだけでいい匂いしてきたね~これだけで美味しそうっ」



本当にいい匂いだ。

あと少しか?



『キュッ!キュキュ!』


「もういいよ~だってさっ」



むっ、もういいのか。

なかなか判断が難しいが、この色が飴色ってやつなんだな。






「次は炒めた玉ねぎが冷めるまで、挽き肉を塩と胡椒とナツメグを入れてまぜまぜするんだよ~粘り気が出るまでまぜまぜするんだったような?」



小学生の時の記憶だから曖昧だよ~

やっぱり小さい頃から料理してればよかったよ。

そしたら全部私が作ってあげたのになぁ。


できるように練習した方がいいのかな?

うーん、考えとこっ






「混ぜる……」



挽き肉なんて肉は初めて見たな。

ひよりの世界の肉は多様すぎる。


本当に粘り気が出てきたな。

とてもこれが美味しくなるとは思えない。



『キュッ』


「わぁ、みーちゃんすごーい!ドライヤーの魔法で玉ねぎも冷めちゃったねっ」



有能すぎないか?

魔法をこんな風に使うなんて聞いたことがない。






「こっちも粘り気が出てきたぞ。玉ねぎを入れればいいのか?」


「うんうん、私がそこに入れるねっ」



このくらいなら私も手伝えるもんね。


ふふ、一緒に作ってるみたいで楽しくなっちゃう。


新居のマイホームで初めての夜に一緒にごはん作るって……完全に夫婦じゃん!


わわわ、一気に恥ずかしくなってきたよ~






「どのくらい混ぜるんだ?」


「う、うん、えっと、そんなに混ぜなくて良かったような?多分!」


「多分……全体に玉ねぎが混ざるくらいか?やってみよう」


「そうそう、そんな感じっ!そしたら丸い形にするの!それは私がやってみるねっ」



ほう、そんな形にするんだな。



「こうしてパンパってして、中の空気を抜くんだよっ最後に少し中央を凹ますんだったような~」


「それはなんでだ?」


「わかんないっ!」



ズッコケそうになったじゃないか。

作り方を知っているのに理由が分からないことが多すぎるな……


理由は後々俺が考えればいいだろう。

まずは完成させることだな。





『キュッ!』


「みーちゃんも作るの?うんうん、一緒にやろっ」



みんなでやると楽しいねっ

たくさんあるから、じゃんじゃん作らないとだよ~



「なんだか楽しくなってくるな」


「うんうん、そうだよねっ」


『キューッ』



みーちゃんもナッシュくんも楽しいんだ。

みんなで楽しいの嬉しいなっ






「ふぅ、たくさん出来たな」


「食べる分だけ残して、あとは私の収納に入れとくねっ」


「それがいい。次は焼くのか?」


「片面ずつ焼いていくんだよっ割れないように気をつけてねっ」



そうか、肉の塊ではあるが割れてしまうことがあるのか。

ひよりの世界の料理は繊細な物が多すぎる。


……そうか、繊細であればあるほど美味いのかもしれんな。






「あー、もうその音だけで美味しそうだよ~ハンバーグが焼かれるジューッ音が最高だねっ」


『キューッ』



みーちゃんも喜んでる~

好きなのかな?

ナッシュくんに美味しく作ってもらわないとねっ



「肉の焼けるいい匂いがするな。いつものステーキが焼ける匂いと全く違う……とても美味しそうだ……」


「ナッシュくん、失敗しないでよ~」



焼くのは得意そうだし大丈夫だよね?






「そろそろか……」



ひっくり返す。

いくぞ!



「おーっ!完璧だよナッシュくんっ」


『キュキュッ』


「このくらい楽勝だ、ここからだろ」



あ、焦った。

柔らかすぎて崩してしまうかと思ったぞ。


あとはこれを焼き上げるだけだな。






「あと少しだねっ!私はソース買っちゃおっと。どれがいいかな~やっぱりデミグラスソースかな~今は色んなソース売ってるもんね~でもやっぱり最初はデミグラスソースだよねっ」


『キューッ!』



みーちゃんも好き?そうだよねそうだよね~


わわ、なんか高いデミグラスソースあるよ!

なになに~?高級デミグラスソース?

これにしちゃおっ






「よし、できたな。完璧だろ」


「おーすごいすごい!付け合わせとかも欲しいけど、今はいいよねっ」



付け合わせ……だと?

まだまだこれを美味しくする方法があるんだな。

今度聞くとしよう。



「このまま食べるんじゃないんだよな?」


「うんっ!でもこのままでも美味しいだろうけど~今回はデミグラスソースをかけて食べよっ」



なんだあの色のソースは。

黒に近い色なのに美味しいのだろうか。

いや、醤油もあんなに美味しいんだ。

これも美味しいんだろう。

じゃなきゃひよりは出してこないだろうしな。






「これをハンバーグにとろーりってかけちゃうよ~むふふ、美味しそうっ」



綺麗にできてるよ~

ナッシュくんも腕が上がってるねっ

崩れてないし焦げてないし、ちょ~美味しそうっ



「この前炊いといてもらったお米も準備して~とりあえずこれだけで食べよっと!もう我慢できないよっ」



お箸で割るよ、割っちゃうよ~



「わぁぁぁ、肉汁溢れてるよ~ほらほら、見てナッシュくんっこれがハンバーグの醍醐味だよ~ヨダレ出ちゃうよ~」



もうだめ、これはやばいよ~






「いただきますっ!あーん……」


「ど、どうだ?」


「おいっっっしい!100点だよナッシュくんっ!んもうっさいっこう!」


「よし!……ごほん、このくらい、俺には当たり前だ。もっと焼くか?いくらでも作れるぞ?」



ふふふ、最高と言われてしまったな。

感動の涙には至らなかったが、最高の笑顔を見れたんだ。


ここは素直に喜んでおこう。






「みんなも食べよっ!」



本当に美味しいよ~お箸が止まんないねっ



「では俺も……」


(コンコンッ)


「ん?なに?ノックされた?」


「しっ!静かに……」



え、なんでみーちゃん扉の前に?

なになに?

本当にノックされたの?


(コンコンッ)



誰も来ないはずだよね?リディルさんにもここのこと教えてないし……

シュターナルさん?

だとしてもいきなり部屋ってことはないよね……え、めっちゃ怖いんですけど!



『キュッキュキュ』



え?エクスカリバー出すの?

わかったよみーちゃん。



『こんばんはお嬢ちゃん』


「ひぃぃぃっっっ」



な、なんで後ろにいるのよ!

そんでもって誰!



『キュッ!』


「な、なんだお前は!」



ちょ、ちょっと、本当になんなの!

姿が透けてるし、雰囲気も……完全に幽霊じゃん!


異世界って幽霊も普通に出るの?

有り得なくない!?



『あはははは、来ちゃったっ。てへっ』



てへってなんなのよ!

誰なのこの人!



『キュッ!キュキュ!キューーー!』


『わーーー!まてまて!お前……やっぱりお前は!さっきの光でおかしいと思ったんだ!その剣といい、波動といい……』


『キュ?』


『くくく、これを見て震えろ!』


『キュッ!?キュキュッ?!』


『あはははは!わかったか!これの意味が!やはりお前は……なんでペンギンなんだ?おかしくないか?我は怨霊王になってるんだぞ?なんでお前はペンギンなんだ?』



なになに?みーちゃんの知り合いなの?

それにお腹見せてるけど……あれ何?


バッテンの傷跡だけど、お腹冷えちゃうから隠した方がいいのにな。

あ、幽霊だから関係ないのかな?





「みーちゃん、そいつから離れろ!幽霊だか怨霊だか知らないが、俺がやるしかないだろ!」


『ん?貴様は誰だ?新しい仲間か?ナイフを持ってるようだが……ナイフ?』


「これは包丁だ!俺は料理人ナッシュ!」


『包丁?料理人?料理人風情が我に勝てるとでも?』


「やってみなきゃ分からんだろう!」


『ほうほう、中々の速さだが、勇者には及ばんな。ほれ』



なっ、ほ、包丁を指で挟んで……



『我は戦いに来たのではない。話を聞いてくれぬか?』


「話……だと?」


『危害を加えるつもりならもうしておる。おっと、自己紹介がまだであったな。我は魔王。3000年前に勇者によってこの地に封印されておったのだ』



魔王って……おとぎ話の中のことじゃなかったのか?



『いつの間にかここが王都になって栄えるとな。我の封印の一部が1000年前から緩んでな。魂の一部が外に出ているのだ』



それはかなりまずいんじゃ……



『だからと言って我が復活することはない。勇者の封印はそれほど強力なのだ。先程の傷がその封印の証拠でな。これがある限り、我は復活することはない』


「ねぇねぇ、その話って長くなる?」


『は?いや、長くは……』


「ハンバーグ冷めちゃうし、食べててもいい?みんなも食べながら聞こうよ」



すごいなひよりは……

魔王と言ったらおとぎ話で、そりゃあとんでもない大悪党のように語り継がれているんだが。


違う世界だと魔王もいないから、どんなものか分からないのかもな。


かくいう俺もあまりピンと来てないが……






『そう!我がここに来たのはそれだ!そのハンバーグとやらが気になって気になって仕方がなかったのだ!』


「えー?幽霊なんでしょ?食べ物なくても生きてるじゃん」



幽霊なのに生きてるっておかしいかな?

ハンバーグが気になるってなんだろ、食べたいの?



『我が生きてた時にはそんな美味しそうな匂いのする食べ物はなかったのだ!だから食べてみたいのだ!』


「これは私達のだからだーめ!怨霊魔王さんのはありませーん」


『そ、そんな……ひどい……』


「食べなくてもいいんだから、大人しくしててよねっ」



もー、せっかく美味しく食べてたのに~


よく分かんないけど勝手にきたのに図々しすぎるよねっ


面白いと一欠片でも思って頂けたなら、お手数ですがブクマと星評価をよろしくお願いいたします。


特に星評価をもらえると最高に喜びます。

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