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追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜  作者: 音無響一
第二章 王都新生活

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031 負けるなみーちゃん

12時更新忘れてました⋯

「見つかった?ほんと?」


「ああ、少しボロいが東地区でいい所があったぞ」


「さっすがナッシュくんっ、仕事が早いな~」


「明日一緒に見に行って、ひよりが良ければそこにしないか?」


「うんうんっ、このホテルじゃないなら大賛成だよ~楽しみだなっ」



このホテルから出られるなら嬉しいなっ

どんなところなんだろう。

明日が楽しみ!












「おはようございますナッシュ様」


「おはよう。世話になる」

「おはようございますっ」


「そちらがお連れ様でございますね。とても素敵なお嬢様でいらっしゃいます。本日は私、シュターナルがご案内させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは早速参りましょう。こちらでございます。馬車をご用意いたしております。」



何この人、めっちゃ喋ってるんだけど。

すんごい汗かいてるし。

脅されてるのかなってくらいキョドってるし。


ナッシュくんなんかしたの?






「馬車なんて昨日はなかったが、急にどうした?」


「いえいえ、有望な冒険者のナッシュ様が王都に腰を据えるのですから、このくらいは当然でございます。我々商業ギルドも全力でサポートさせていただきます。どうぞどうぞ、お足元お気をつけください」



有望な冒険者?

なんのことだろうか。

王都では今も昔も冒険者として活動をしていなかったんだが……



「何か勘違いをしているようだが、俺は冒険者ではあるが、本職は料理人だ。冒険者はついででやっているだけだぞ」


「ははー。ついでで冒険者ギルドで大注目されてるとは……我々のギルマスの言う通り、かなり太客になる可能性がありそうです……そ、そんな大役を任されるなんて……これは私が次期ギルドマスターになるための試練ではないんでしょうか……これはいける、いけますぞ!」



なんだなんだ、独り言か?

ダダ漏れしすぎてるぞ。

おいおい、滝のような汗を流してるじゃないか。

なんだか心配になってくるな。







「シュターナルさん平気ですか?」


「……はっ!も、ももも申し訳ございません!お客様がいらっしゃるのにお恥ずかしいところをお見せしてしまいました。ここからはしっかりとご案内させていただきます。商業ギルドの中堅エースの私、シュターナルが、責任をもってご対応させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします」



だから話が長すぎるのよこの人。

本当に大丈夫なのかなぁ。

着てる服までびしょびしょじゃん。


中堅エースってなんだろ?

若手エースなら聞いたことあるけどな~

とにかくお仕事できる人って認識でいいよねっ


どんな家なのかな~

ワクワクどきどきだよ~











「ご到着致しました。ささ、お足元にお気をつけください。やや、私がエスコートせずともお一人で降りられるとは、さすが有望株の冒険者様でいらっしゃいます!その身のこなし、素人ではございませんね!お嬢様は、ははーん、さすが高ランク冒険者様でございます。エスコートの所作まで貴族顔負けではございませんか!このシュターナル、感服いたしました!」



ヨイショが過ぎないか?

それに俺のことは料理人と言ってくれないだろうか。


このままじゃ冒険者として商業ギルドに認識されてしまう。


……気にすることではないか?

いや、将来俺が店を持つ時に、冒険者という肩書きならどうなる?


すぐに認可が降りない可能性もあるじゃないか。


帰るまでにシュターナルにはキチンと教えておかないとな。






「こちらが昨日ご紹介した物件ではございませんが、さらに優良な物件となっております!過去の貴族がお忍びで建てたと言われておりまして、とても広くて大きい造りとなっております!なんと、今回はお値段の方も私の方で勉強させていただいております。お値段は諸々込みで、金貨…………五千枚となっております!いやぁ安い。安すぎます。賃貸ではなく購入という形しかございませんが、今後冒険者としてご活躍されるナッシュ様にピッタリのお屋敷となっております!」


「いや、大きすぎるだろ……」


「ナッシュくんっ、ここにしよっ!」



なになにこれ!お屋敷?

うっそ~セレブじゃん!

ナッシュくんすっごーい、王都って東京と同じでしょ?

そこでこんな大きい家を紹介してもらえるとか、やばすぎない?






「買えるわけないだろう……」


「なんでよっ!」


「あのなぁ、こんなに大きかったら執事やメイドを雇わないと管理できんぞ?俺は貴族じゃないんだ。無理に決まっているだろ」



どう見ても無理だろう。

何部屋あるって言うんだ。

俺とひよりの部屋があればいいだろうが。



「いやいやいや、何を仰いますかナッシュ様!冒険者ギルドを背負って立ち、王都を……いや、この国を支えるお方にはここでも狭すぎるくらいです!まずはここを足がかりに世界一の冒険者を目指してはいかがでしょうか!そうすれば私も……むふっ、懇意にしていれば何かと恩恵に預かれ、そしてギルマスにっっっ!」



おいおい、最後の方はお前の願望だけになってるじゃないか。

懇意にするわけないだろ。

俺は世界一の料理人であって世界一の冒険者になろうとは思ってないのを分からせないとな。



「シュターナルさん、ここを買うのは今の俺には無理だ。昨日の物件でいいんだ。そこより好条件の所があれば、違う物件を紹介してくれないか?」


「………………っは!も、申し訳ございません!こんなちっぽけな屋敷ではナッシュ様には狭すぎます。次の物件こそは、商業ギルド秘蔵の物件をご紹介させていただきます。次の物件は過去の王族がお忍びで市井での生活をするために使用していたお屋敷でございまして、お値段なんと金貨一万五千枚となっておりますっっっ!」



担当を変えてもらおうか。

どこがエースなんだ。

俺の希望を全部無視してるじゃないか。

いつ俺が貴族や王族の使っていた屋敷を指定したんだ?



「わぁぁ、ここもすてき~。ここならお嬢様どころかお姫様になった気分になれるかもっ!ねぇねぇナッシュくん、ここにしよっ」


「落ち着けひより。考え直してくれ」


「なんでよっ!ナッシュくんのけちっ!私がお姫様ならナッシュくんは王子様でしょっ」



俺が、王子?

アリ………………なわけないだろう。

完全にナシだ。


ひよりがお姫様だと?

綺麗なドレスで着飾ったひよりだと?

それはアリ………………いや、騙されるな。


アリだがダメだ。

そうじゃない、そこは重要じゃない。


このままじゃ王都にきて、いきなり借金が金貨一万五千枚になるんだぞ。


世界一の料理人どころか、世界一の借金王になってどうする。



「すまないが、ここは少し俺のイメージと違うんだ。小さくていいし安いところを紹介してくれないか?」


「ああ、これで私はギルマスに……ギルマス……」


「うふふ、私がお姫様……えへへ、プリンセス~……」



2人とも夢の世界にいるようだ。

帰っていいかな。


みーちゃんはひよりに抱きしめられて苦しそうだな。

頑張れみーちゃん。


はぁ、話が進まん…………













「ようやく分かってくれたか」


「はい、大変申し訳ございませんでした!」



もう日が暮れ始めてるじゃないか。

物件を見るより、説得の方に時間がかかりすぎだろ。



「ここが昨日紹介されていた物件ですが、実は売れてしまいまして……ですのでより好条件の物件をご紹介させていただきます!どうぞこちらです!」



売れてしまったのか。

残念だがそれは仕方がない。

好条件……だとしても不安しかないが、見に行くしかないか。



「みーちゃん残念だね。私がお姫様になるの、ナッシュくんは見たくないんだって~」


『キュキュ、キューキュキュ!』


「やっぱり?みーちゃんも私がお姫様になる方がいいと思う?そうでしょ~」


『キュッ?!』



絶対に間違って解釈してるだろ。

だってみーちゃんびっくりしてるぞ。

それに苦しそうだ、離してやれ。






「こちらになります!少しばかり古いんですが、一階は過去に食堂として使われていたようで、設備はもうないですが、作りとしては一般的な店舗型となっております!そして二階は住居スペースとなっておりまして、四部屋とくつろげるリビングに、キッチン、トイレ、浴室と全てついております!こちらなんていかがでしょうか!諸々込み、先程のお詫びも兼ね、私シュターナル、勉強させていただきます!お値段、金貨……………………」



なんだ、なんで溜める必要がある?

まさか金貨一万枚とか言わんだろうな。



「お値段、金貨………………」



言い直して溜めるってどういうことだ?

そんなに高いのか?それとも安いのか?

ハッキリしてくれ!



「お値段、金貨三百枚となっております!」


「やっすい!買お!もうここにしよ!」



待て、落ち着けひより。

安く聞こえる、だがこれは間違いだ。


王都で、しかも元飯屋だったとしよう。

立地が悪すぎるだろ。

だから売れてないんだ。

なのに金貨三百枚だと?

高すぎる。

高すぎるが買えなくないのが憎い。


いや、ここを俺の料理の研究スペースにするのはどうだろうか。

誰にも邪魔されず修行に励めるかもしれんな。


金貨三百枚はギリギリ払える。

ミノタウロスの討伐報酬やら大量の素材を売却したからな。







「いかがいたしますでしょうか!」


「どーするのよナッシュくんっ!」


『キュ……』



みーちゃんを離してやれひより。

泡吹いてるぞ。


みーちゃんを助けるためには買うしかないか。



「買いましょう」


「………………え?」


「いや、買う…………」


「やっ、やった!やりました!ひゃっほーい!」


「やったねやったね~これでホテル暮らしとオサラバだよ~」


『ギュェェ……』



助けるために買うことを決めたのに白目になってしまったじゃないか。

息はしてるし大丈夫だろ。

負けるなみーちゃん、そしてすまん。




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