021 魔物素材はいりません
「リディルさんこんにちは!」
「ひより、来たのか!王都行きの話か?」
「はいっ、決めました!一緒に王都に行きたいです!」
「ありがとうひより!」
うう、熱烈ハグすぎる……
ドワーフだからなのかな、腕の力が強すぎるよ~
「リディルさん、ナッシュくんとみーちゃんも一緒だけど大丈夫ですか?」
「ああ、構わないぞ。みんなで王都だ」
良かった~
ナッシュくんはいらないとか言われたらどうしようかと思っちゃった。
「いつ頃出発しますか?」
「そうだな、アニキからの依頼が、あと少しかかるから……3日後になるな」
「わかりました!」
「3日後の朝に出るから、その時にまた来て欲しい。私の馬車で行くからな、護衛はナッシュがいるから大丈夫として、旅の用意をしておくといい」
「しっかり準備しておきますっ」
「王都への護衛依頼はギルドに指名依頼で出しておくとするよ。頼んだぞナッシュ」
「わかりました。引き受けます」
これから買い物に行かないとね~
まずはどこに行こう。
テントは必須だよね。
あとはなんだろう~
「ナッシュくん、お金はある?」
「まだまだ魔物の素材はたくさん残ってるからな、それを売れば問題ないだろ」
「せっかくだから全部売っちゃうのはどう?ギルドマスターさんにお願いすれば買い取ってくれるかもよ?私の無限収納はもうバレてるし!」
「それもそうだな。ギルドに行って相談するか」
「それじゃあギルドへレッツゴー」
なんだかワクワクしてきちゃった。
日本に戻りたいけど、今の生活も楽しくて充実してるしねっ
「よく来たねナッシュくん、ひよりさん」
「いきなりの訪問なのにお時間を取っていただけて助かります」
「気にしなくていい、たまたま時間が空いていたからね。今日はどうしたんだい?また高ランクの魔物でも倒したのかい?」
「いえ、さすがにそんなことはありません。素材の買取をお願いしたくて」
「それなら直接解体所に行けばいい話だと思うが、そうじゃないから私のところに来たんだろう?」
さすがギルマスだな、察しがいい。
「ひよりの無限収納に相当量の魔物素材がありまして。さすがにいっぺんに全て売る訳には行かなくて。王都に行くことになったので、事情の知っているギルマスなら相談に乗って頂けるかと思ったんです」
「ほう、王都に。それはもったいないな。うちのギルドの優秀な冒険者が居なくなるのは。無限収納にそんなにも大量の素材があるのかい?」
俺は冒険者じゃないんだが……
今はそれを訂正している場合じゃないか。
「無限収納のおかげで全ての素材を残しておけるので、かなり大量にあるんです」
「もう本当に嫌になっちゃうくらい入ってるよねっ」
「にわかには信じられないが……無限なんてスキルも聞いたことはないが……」
「ここに出しても収まりきらないくらいあるかと」
「うーむ、解体所に行こうか。そこで素材を見せてくれないかい?」
早く全部出したいのにねっ
全部買い取ってくれないかな~
「な、なんて量だ……」
「自分で倒したものですが、自分でも予想以上でした……」
俺はどんだけ解体してたんだろうか。
これだけの魔物を解体していても、みーちゃんのみじん切りの技術に及ばないんだ。
まだまだ精進あるのみだな。
王都に行くまでの間も捌いて捌いて捌きまくってやろう。
「あー、なんかスッキリした感じ!」
なかなか出ないアレが出たくらいスッキリだよ~
ってJKがそんな汚いことを考えたりするのもだめだよねっ
「…………これで全部、かい?」
「そうだよっ、たくさんだね~ナッシュくん張り切って倒してたもんねっ」
素材を無駄にしなくていいならって凄かったもんね。
最初はグロかったけど、もう慣れちゃったよ。
でも持ってたくないもん。
全部買い取ってくれるかな~
「なるほど……最近魔物が減ったのはミノタウロスのせいかと思ったが、ナッシュくんのせいもあったのか」
「……え、そうなんですか?」
「ああ、ミノタウロスが居なくなっても魔物が増えないからね。悪いことじゃないから助かるよ。それじゃあ全て買い取るように言っておこう。かなりの量だから、査定の結果は明日になるな。また明日、私を訪ねてくれればいい。その時に査定金額を渡そう」
「ありがとうございます!」
「やった~ムキムキギルマスさんありがとっ!」
嬉しい限りだな。
これで良いものが買えるだろ。
「良かったなひより」
「うんうん、とっても嬉しいねっ」
旅の道具をこれで揃えられるよね。
でもミノタウロスの討伐報酬があるからお金の心配はないけどねっ
「ここが道具屋だな。色々と買い揃えよう」
「ベッドとか買っていい?」
「そんなの持っていけ……るんだよな。どデカいテントでも買うか?」
「いいねいいねっ!いつでもどこでもホテル並みになったら最高じゃんっ」
これで道中の心配も減るよ~
野宿だけは本当にもう嫌だもん。
「これである程度揃っただろ」
「うんうん、心配ないねっ!道中の食事が心配だから、魔石も増やさないとじゃない?」
「そうだな。素材も貯めといた方が何かと安心だし、また魔物でも捌きに行くか」
「え、もうやだよ魔物素材を持つの」
「嫌なのか……」
「何度も嫌って言ってたじゃん!やーっと全部出せたのに、また増やしたくないよっ」
嫌なのは仕方ないが、どうするか。
『キュキュ!キュッ!』
「どうしたのみーちゃん。ふんふん。ダンジョンなら魔石しか増えない?ダンジョンってなーに?」
な、なるほど、その手があったか。
この街にはダンジョンもあるもんな。
確かまだ未踏破だったような。
依頼を受けるより、ダンジョンで魔石を増やす方が得策か。
「ひより、明日と明後日はダンジョンだな」
「行ってらっしゃいナッシュくん!」
「…………え?ひよりは行かないのか?」
「だって魔石だけなら収納使う必要ないじゃん?」
罠もある危険なとこについていってら、危ないじゃん。
私がついていっても足手まといにしかならなそうだし。
「わかった……仕方ないが一人で行くとしよう。仕方ないがな……」
寂しくなんかない。
ひよりを危険な目に合わせるくらいなら、一人で行く方がいいんだ。
決して寂しくなんかはない……
「私はやりたいことあるから、ナッシュくんが帰ってくるの待ってるねっ」
「やりたいこと?それはなんだ?」
「まだひみつ~帰ってきてからのお楽しみにしててねっ!まだ成功するかわからないんだもんっ」
危ないことじゃないならいいんだが。
秘密にされるのはもどかしいな。
「私はデラルさんのとこに行ってくるよ!」
「そうか、まだ昼前だし、俺はダンジョンにでも行ってくることにするよ」
「わかった!じゃあ夜に合流だねっ」
ナッシュくんは稼ぎに行って、私は暮らしをよくするなんて、なんか夫婦みたいっ
わわわ、そう考えたらめっちゃはずい~
でもでも、デラルさんと相談して、ちゃんと作らないとだよねっ
できたら最高だもん~
早く食べたいなお米!
「デーラール~さんっ!」
「なんだなんだ、その気の抜けた呼び方は!」
「あーいたいた!」
「嬢ちゃんか、今日はどうした?ナッシュは一緒じゃないのか?」
「ナッシュくんは山へ芝刈り……じゃなくて、ダンジョンで魔石稼ぎだよっ」
「ほう、冒険者活動を頑張ってるのか!そういえばあいつのアダマンタイト製の包丁ができたから持っていくといい!ついでにナイフと剣もあるからな!」
「おーかっこいい!さすが名工だねっ」
「ガハハ!褒めるな褒めるな!こう見えても凄いんだぞ!」
本当にかっこいいな~
でもみーちゃんの聖剣の方が強そうだよねっ
「今日はデラルさんに相談があるの!」
「相談とな?どんなことだ?嬢ちゃんも武器か防具が欲しいのか?」
「違うよ~土鍋を作って欲しいの!」
「土鍋だ~?なんだそれは。鍋のことか?」
やっぱり土鍋なんてないんだ。
お米炊かないから分からないよね。
土鍋ってなんて説明すればいいんだろう。
うーん、わかんないっ!
「これを炊くの!」
「なんだこの白い粒は」
「これはお米だよ!私の国の主食だねっ」
「はーん、こんなのは見た事ねーな」
硬いパンが主食じゃそうなるよね。
あの硬いパンもやんなっちゃう。
パンもどうにかしたいけど、それよりも私は白米と味噌汁を食べたいの!
「こーいう鍋に水を入れて、火で鍋を炙ってお米を炊くの!」
「うーん、よくわからんなぁ。この前の焼肉みたいな炉があればいいのか。それに鍋を置けるようにして……」
知識不足が恨めしいよ。
炊飯ジャー以外でお米なんて炊いたことないし。
……あっ、でも小学生の時にはキャンブでやったの、あれならできるのかな?
でもあれの形も説明できないし、あの形じゃなきゃいけない理由もわかんないからなぁ。
「土鍋ってことは、陶器みたいなもんか?」
「うーん、そうだと思う!」
「専門じゃねーが、粘土で作れんこともない。こんな感じの素材じゃねーのか?」
「おー、このポット、まさに土鍋と同じ素材だよ!多分っ!」
「多分って……まぁこのくらいなら作れんことはないな。魔法で乾燥させるから明日にはできていると思うぞ」
「すぐ作ってくれるの!?」
「ガハハ!また美味いもんが食えるんだろ?すぐに作ってやらぁ!」
「やった!ありがとうデラルさんっ」
明日が楽しみだねっ
面白いと一欠片でも思って頂けたなら、お手数ですがブクマと星評価をよろしくお願いいたします。
特に星評価をもらえると最高に喜びます。




