020 閑話 行くの行かないのどっちなんだい
「ナッシュくん、どうしたらいいかな?」
リディルさんにあんなこと言われたけど、地球の服を再現するのかなぁ。
私にデザインとかできると思えないよ~
「ひよりはやりたいのか?」
「うーん、わかんないっ!」
本当にわかんないよ~
王都かぁ、どんな場所なんだろ。
この街にずっといるのも飽きちゃうのかなぁ。
今の生活は楽しいから不満なんてないし。
「もしかしたらひよりの世界に帰れる方法を知ってる人がいるかもしれないぞ?」
「帰れる、方法……」
帰れるなら帰りたいけど、そうしたらナッシュくんともみーちゃんともお別れなんだもんね。
日本に帰る……パパとママに会いたいのに、なんでこんなに悩んじゃうの?
悩むことなんてないはずなのに。
私のいる世界は絶対ここじゃないはずなのに。
あー!もうわかんないよっ!
「俺は料理の修行が出来ればどこだっていい。この街に留まってるのはひよりがここにいるからなだけだしな」
「じゃあ、ナッシュくんは私が王都に来たらついてきてくれるの?」
「当たり前だ。ひよりの面倒は俺が見ると言ったろう」
どうしたのナッシュくん。
セリフまでイケメンになってるよ。
ドキドキが止まらないけど、どうしたらいいの?
「それに王都に行ったら、ひよりの可愛い服が増えるんだろ?ひよりは可愛い服が欲しいって言ってたじゃないか」
「そうだけど……ナッシュくんは、私がかわいい服を着てたら嬉しい?」
「………………ああ、嬉しい、な」
何を言わされてるんだ。
恥ずかしすぎる。
わざわざ本当のことを言うやつがあるか。
「………………」
「………………」
な、なんだこの間は。
黙ってたら余計恥ずかしいだろ。
「ありがとうナッシュくんっ!王都に行こ!」
やっぱり反則だよ。
なんでちょっと照れてるのよっ
私も恥ずかしくなるじゃん……
「そうか。じゃあ明日リディルさんに伝えよう。」
「ところでさ!ここから王都ってどのくらいで行けるの?」
「歩きだと2週間くらいだな」
「ふ、ふーん。馬車は?」
「馬車だと7~10日だな」
「その間野宿?」
「もちろんそうだ」
「……行かない」
「ん?なんだって?」
「やめる」
「は?」
「王都は行くのやめる!」
7~10日?
無理に決まってるじゃん!
最低で7回も野宿だよ?
むりむり、死んじゃう!
「野営が嫌だから行かないのか?」
「そうに決まってんじゃん!」
「な、なるほど……」
そんなに嫌なのか。
無理して行くこともないからな。
王都に行かなくてもいいか。
可愛い服のひより、見たかったな……
『キュッ!キュキュ!』
「なになに?テントとか買えばいい?寝具でもなんでも無限収納あるんだから持ってける?」
『キュッ!』
その手があったか!
みーちゃんは本当に天才だな。
いとも簡単に解決策を提案するなんて……
俺はこのペンギンに勝てるのだろうか。
負けてられんな。
しかしなぁ、なんでひよりはこんなにみーちゃんが言ってることがわかるんだ?
謎すぎるな……
「でも見張りあるじゃん!あれが本当に嫌なの!」
『キュキュキュ!』
「そんなの任せておけ?みーちゃんとナッシュくんでやるから、ひよりは怖くないでしょ?ほんとに?いいの?みーちゃん頼もしすぎるよ!」
『キュッ!』
「もー本当に天才!これで王都にみんなで行けるねっ」
おいおい、本当にそう言ってるのか?
いいように解釈しすぎてないか?
それにみーちゃんが1人で見張りなんて……できそうだな。
まぁいいか。
ひよりを守るのが俺のやることだ。
王都は不安もあるが、なんとかなるだろ。
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