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異世界スライム紀  作者: すらいむ太郎


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# 第二十四話 青い子

(……生きてる?)


ころころ。


いや。


実際には転がっているわけじゃない。


そんな風に見える動きで。


小さな丸い影がこちらへ近付いてくる。


警戒する。


洞窟結晶蝦だったら終わりだ。


でも。


違う。


小さい。


俺より一回り小さい。


そして。


柔らかそうだった。


(まさか……)


近付いてくる。


丸い。


ぷるぷるしている。


そして。


青白く光る。


俺は固まった。


相手も固まった。


しばらく。


沈黙。


いや。


音はないけど。


そんな空気。


そして。


頭の奥に反応が浮かぶ。


青光粘体


解析不能


(粘体……)


(スライム!?)


思わずそう考える。


いや。


自分もスライムなんだけど。


初めてだ。


自分以外の同類。


少なくとも。


同じような生き物。


青光粘体はぷるぷる震える。


警戒しているらしい。


俺も警戒していた。


しばらく見つめ合う。


目はないけど。


そんな感じ。


すると。


青光粘体が少し近付いてきた。


俺は動かない。


さらに近付く。


そして。


ちょん。


身体が触れた。


(お?)


柔らかい。


自分と似ている。


いや。


当たり前か。


スライムっぽいし。


青光粘体は慌てて離れる。


少し下がる。


また近付く。


ちょん。


離れる。


また近付く。


(猫かお前)


ちょっと可愛い。


その時だった。


青光粘体の身体がぽうっと光る。


そして。


俺の身体の奥にある。


あの満ちている感覚。


魔力。


それが微かに反応した。


(ん?)


すると。


青光粘体がびくっと震える。


そして。


嬉しそうに。


いや。


そう見えただけかもしれない。


でも。


明らかにさっきより元気よく。


ぴょこん。


と跳ねた。


(なんだ?)


そのまま。


ぴょん。


ぴょん。


俺の周りを回る。


そして。


ぺたり。


身体をくっつけてきた。


(近い近い)


嫌ではない。


むしろ。


変な安心感があった。


自分と似た存在だからだろうか。


転生してから。


初めてだった。


敵じゃない。


食べ物でもない。


ただ。


一緒の空間にいて。


なんとなく落ち着く存在。


そんな相手に出会ったのは。


その時。


隙間の外から振動が伝わる。


洞窟結晶蝦だ。


まだ諦めていないらしい。


長い触角が隙間を探っている。


俺は身を縮める。


すると。


隣の青光粘体も。


ぴたり。


俺にくっついた。


(お前も怖いのか)


返事はない。


でも。


そうなんだろう。


二匹。


いや。


二体。


小さなスライムが寄り添う。


そんな光景を。


もちろん誰も見る者はいない。


ただ。


俺は少しだけ。


本当に少しだけ。


一匹じゃなくなった気がしていた。


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