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異世界スライム紀  作者: すらいむ太郎


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# 第十七話 地底湖の中心

地底湖の中央。


そこが妙に気になった。


理由は分からない。


生き物の気配じゃない。


振動もない。


それなのに。


意識が引っ張られる。


(なんなんだろうな……)


俺は湖畔を移動する。


もちろん水には入らない。


まだ怖い。


あの魚もいるし。


そもそも溺れるのかも分からない。


スライムだから大丈夫な気もするけど。


試したいとは思わなかった。


慎重に進む。


すると。


気付いたことがあった。


湖畔の発光茸だ。


中央に近付くほど数が増えている。


しかも大きい。


光も強い。


今まで見てきた発光茸とは明らかに違った。


(栄養がいいのか?)


いや。


発光茸の栄養事情なんて知らないけど。


とにかく元気そうだった。


一本取り込む。


すると。


またあの感覚。


身体の中を流れる何か。


暖かいような。


くすぐったいような。


不思議な感覚。


前より少し強い。


(やっぱりあるな)


気のせいではない。


発光茸に何かがある。


俺はさらに進む。


すると。


地面に青い結晶が落ちているのを見つけた。


小さい。


人間の指先ほど。


発光茸と同じ色だ。


俺は近付く。


石だろうか。


触れてみる。


その瞬間。


身体の奥が微かに震えた。


(ん?)


初めてだった。


ただ触れただけで反応したのは。


俺はもう一度触れる。


やはり同じ。


身体の中を何かが流れる感覚。


発光茸で感じたものに似ていた。


だが。


もっと濃い。


もっとはっきりしている。


(なんだこれ)


興味が湧いた。


俺は結晶の欠片を少しだけ取り込む。


硬い。


でも洞窟大角甲虫の欠片ほどではない。


ゆっくりと吸収する。


すると。


頭の奥に違和感が走った。


今までの情報とは違う。


構造でもない。


行動でもない。


硬さでもない。


ただ。


一つの感覚だけが残る。


流れる。


巡る。


満ちる。


そんな感覚だった。


そして。


ほんの一瞬だけ。


周囲の景色が変わった。


いや。


景色ではない。


感じ方だ。


発光茸。


青い結晶。


地底湖の水。


それらが。


ぼんやりと光っているように感じた。


(……え?)


数秒後。


感覚は消えた。


元に戻る。


何も分からない。


だが。


確かに見えた。


いや。


感じた。


何かが。


俺はしばらくその場で固まっていた。


そして。


一つの考えが浮かぶ。


(もしかして……)


発光茸にも。


結晶にも。


共通している何かがあるのではないか。


そう考えた時だった。


地底湖の中央付近から。


微かな反応が返ってくる。


今までよりはっきりと。


まるで。


呼ばれているように。


俺は無意識にそちらへ身体を向けた。


地底湖の中心。


そこには。


まだ何かがある。


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