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山男とかくし金(がね)のはなし  作者: ぽすしち


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ざわざわ


 『 キヘイジ、あのれとばかり戦っておらんで、ヘイタと相撲でもとってやれ 』



 杉の木の上からいきなりふってきた声に、ヒコイチはびくりとし、キヘイジは頭をかいてわらった。

 

 《面》の男が姿をあらわすか、とみあげていた杉の枝葉がざわざわとゆれだすと、暗く重そうな枝葉の間から、いくつもの『面』がのぞき、ざわざわという音に、ひそひそとした声がまじりはじめた。




 キヘイジじゃ  ざわざわ   キヘイジじゃ ざわ 


         わしらの面をほったキヘイジじゃ   ざわざわ



   赤子がうまれる   ざわざわ

        

         カカがうむらしい ざわざわ 



    ざわざわ    キヘイジのカカが赤子をうむんじゃ



      ざわざわざわ   もう うまれよう


                         ざわざわ



  ざわざわざわ 

            うまれるぞ 

     

          ざわざわ


                うまれるぞ







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