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面か顔か
『顔』のようにみえたのは間違いで、やっぱりあれは、『面』なのか?
そのとき、戸口に誰かが立った。
みると、あの『面』の男だと思ったが、からだの大きさが違う。
『 キヘイジ、カカがこどもをうむのか 』
こもったような声までちがい、よくみなくとも、先の男とはちがう種の『面』だということがわかった。 後ろでまとめてあるのは白髪だ。
面のつくりは同じようだが、色は赤といっても黒に近いような赤で、表面にはしわのようないくつもの深い溝がはしり、『くちばし』にはこまかい傷がつき、よくみるとそこには、うっすらと、通う血のすじまでが、みてとれた。
「 ええ、すっかり長居しちまって、あとひとつってところですが、かかあがどうもよくねえみてえなんで、いちど、家にかえりてえんですが」
キヘイジが『面』の男にいうのに、ヒコイチがあわてて手をふってみせる。




