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みおろす男
三段ほどのぼり、振り返る。
のぼったときと、かわらない景色があり、あんどしてあしをすすめる。
首元は寒くもなく、またあせばんできそうだった。
この階段がきれた上にあるのはきっと、ひと息つく所で、山ではよくあるように、そこからまた上をめざす、別の階段があるのだろう。
そう思い、あと十段ほどのこしたところで、その影に気付いて顔をあげた。
のぼりきった上から、白い着物の上に赤地に金糸の派手な羽織をかさねた者が、おかしな面をつけて、こちらをみおろしている。
ながい髪を、うしろで藁で結わいているのがみえた。




