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面
みたこともない『面』の色も赤く、鼻があるはずのところからくちもとまでが、鳥のように前につきだし、そのつくりも『くちばし』のように上と下で割れている。
『 ヤヘエに道を教えられたか 』
面の中のくぐもった男の声がきいた。
へえ、とうなずいて、あしをとめたままにする。
するとむこうが、ひらを上にした手をのばし、よこせ、と言った。
しかたなく、ゆっくりと数段のぼり、こちらはひらを下にして手をひらく。
ころり、と金のつぶが落ちた。
『 こんなもの、おれによこすな! 』
汚らわしいものを振り払うようにして、粒をおとした。
ヒコイチがあわててひろうと、ヤヘエにもたされたろう?と、いらだったようにきく。




