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つれていってくれる
「 この金をもって、むこうの山にゆきンさい」
「・・・むこうって・・のは・・・」
ヤヘエがさす山は、むこうのつらなりをさしている。
ここからみても、それが高く大きいというのがわかるが、そのつらなりの、どのあたりになるのだろう。
山は、なめて入れば、出てこられなくなる場所だ。
「あの、いちばん奥まった高い山まで、この金が、つれていってくれるからのオ」
ヒコイチの手にそれをころがす。
すると、ひらの上で、金の粒が、コロコロとかってに動いた。
ぞわり、と腕が泡立つが、いやな寒気ではない。




