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金の粒
にこにこしたままのヤヘイは、紙をすぐにひらいて目をとおし、そばにある切り株に太い薪をおくと、うむ、といいながら片手の鉈をふりおろした。
か っつん
澄んだ音でわれた木を、ヒコイチは口をあけてながめた。
割れた木の中からは、しゃらしゃらと、金色の砂がでてきた。
「おや、こりゃ、しばらくぶりだわなあ」
かがんだ年寄りは、切り株にこぼれた金色の砂をざらりと指先でのばし、とんとん、と軽くおさえこんだ。
つまみあげるとそれは、金色の《粒》になっている。
まだ口をあけてみていたヒコイチを手招きして、その《粒》をつきだした。




