【3】影を落とす違和感、崩れゆく日常の境界線
突然浮遊感が消え、床に叩きつけられる。
電波「いっ…てぇな…」
体を起こすと、そこは3階の廊下だった。
すぐに傍に倒れていた国王桃を起こす。
電波「桃大丈夫か、起きろ」
国王桃「んー、自分は大丈夫。他のみんなは?」
周りを見渡しても見えるのはどこまでも続きそうな、暗い廊下だけ。
めろもRoriaも瑛莉の姿も見えない。
電波「この辺には3人ともいな
だだだだだ…
電波「なんか聞こえるな」
国王桃「誰か来てる??」
こちらに走ってくる音が聞こえる。
だだだだだだだだだ…
どんどん近づいてくる。
国王桃「まずい…誰だ」
電波「まさか…守
Roria「ぎゃーーなにここ!!!暗くて怖いよぉ…桃くん助けてぇ」
足音の正体は同じチームの一員であるRoriaと瑛莉だった。
瑛莉「ろりあちゃん走るの早いよーー!!」
Roria「あれれ~?ごめん笑」
国王桃「なんだ2人か。無事そうで良かったわ。」
瑛莉「こっちこそ電波くんも桃くんも無事でよかったよ~、」
電波「めろは?」
Roria「えー私知らない。起きた近くにはいなかったよね?」
瑛莉「うん」
電波「異変よりもめろが大事。探しに行こう。」
Roria「え~だ、ううんそうだね!探しに行かないと笑」
瑛莉「めろ心配~笑」
国王桃「…いいから探しに行くぞ」
ーーーーその頃Aグループでは…
梅雨「はぁ…こんなガチ陰キャ達と異変捜索とかまじ萎えるわー。暗くて見えずらし何ここ。ガチ死ねよ。」
ゆめさぐり「ずっとぐちぐちうるさいですわね……! 騒いだところで状況は何も変わりませんわ。少しは静かに捜索したらどうなんですの?」
梅雨「はあ!? なんだとお前、陰キャのくせに調子乗ってんじゃねえぞ!!」
絶滅勇者「まあまあ二人とも落ち着いて……」
だめだ。流石に地獄の空気すぎる。
梅雨と一緒なのは嬉しかったが、流石に文句が多すぎる。
ずっと雪とゆめさぐりさんに突っかかっていて、ずっと喧嘩。
正直これでは異変を見つけるどころではない。
そんなとき雪が口を開いた。
雪凪「とりあえず現状を整理しよう。私たちが最初に来たのは2階だったよね?」
ゆめ「そのはずですわね。」
絶滅「…で、今は1階、下駄箱とか保健室はもう見たよな。」
ぺル「あと見て無い所あったっけ…?」
今の所異変らしきものは何一つ見つかっていない。
タイムリミットは後どのくらいだ…?
タイマーが作動し始めてから転送されるまでの間。1時間程度しかたっていないはずなのにさっきのタイマーでは7日から6日に減っていた。
1日=1時間ということだろうか。
そうなると7時間で全ての異変を見つけなければならない。
考察が正しいなら、かなり時間が無い。
ー梅雨「でも、1個も異変ないことなんてあるか??」
雪凪「?、どういうこと?」
梅雨「だって俺らは2階から1階に下がってきてる。つまり2階分は見てるわけだ。」
「そしてこの学校は4階までしかない。そしてこの1階2階に異変が無いとすると残りの3階4階で5つも異変がある事になる。」
「そんなことあるか???比率として偏りすぎてる。」
ぺル「…確かに、ちょっと考えにくいな。」
ゆめ「おぉ~。梅雨さんたまにはやりますわね。」
梅雨「たまにはって何」
雪凪「笑笑」
絶滅「ということは見逃してる所があるって事か…?」
梅雨「えぇ、もう1回探すのくそだるいんだけど、きちー。」
梅雨の気持ちはよく分かる。
口喧嘩は激しかったが、みんなこの学校から出たいという気持ちだけは一緒だったので捜索はみんな丁寧にやっていたはずだ。
その中で見落としがあるとしたらかなり致命的だ。
ぺル「どうする、もう1回2階から探すか…?」
雪凪「その方がいいかも…?」
ゆめ「ちょっと待ってくださいまし、下駄箱って見ましたっけ?」
さっき雪が見に行くと言っていたのは聞き間違いだろうか。
だが下駄箱は調べる価値がある。これはゆめさぐりナイス気づきだ。
絶滅「確かに、まだ見てない」
梅雨「そうと決まれば下駄箱早くいくぞ!!!!時間が無い!!!」
俺らは急いで下駄箱に向かった。
ーーーー
ゆめさぐり「うーん…全然異変がありませんわね…」
雪凪「全部見たよね?やっぱどこか見落としてるのかなぁ…」
絶滅勇者「うーん……」
梅雨「おいおいまじかよ、あんだけ調べたのに…」
これはおかしい。手分けしてかなり調べたはずなのに何一つ見つからない。
さっきの梅雨の理論がおかしいのか?
でも、3階4階にそんなたくさん異変があるとは思えない。
他のグループはおそらく上にいるだろうから、5つも異変があるなら1個くらい見つかっててもおかしくない。
なのにまだ見つかっていないということは、やはり2階か1階に1つはあるはずだ。
そんな時不意にある事を思い出した。
ぺル「あ、そういえば部活で使ったシューズ持って帰らないと。」
絶滅「それ今!!???」
ゆめ「まったく、緊張感がないですわね…」
梅雨「前泥だらけにしてたもんなーww」
絶滅「だとしても今じゃないだろ…」
雪凪「流石に今持って帰るのは…笑」
確か自分の靴箱に入れていたはず。
回収しようと自分のクラス下駄箱周りを探していると、ある事に気づいた。
ペル二世「……あれ? おい、なんかここ、おかしくないか……?」
ーーーー
弱酸性「いや~正直守人ってやっぱeggchanだと思うんだよね、一番怪しくない?ww」
しゃけわさ「思った笑笑あの時にタイミングよく転校生が来ることあるか??ww」
弱酸性「それなーww絶対アイツだって」
この2人は異変も探さず、ずっと裏切り物探し。
天ノ橋「暗くて怖いよ…もう進みたくない…」
麗花「ね、早くこの学校から出たいよね…」
この2人は学校出たいとか言ってるくせに、ずっと怖いばっか言ってて異変を見つけようともしない。
私、ドキドキビートは正直このメンツにかなり絶望している。
女子バスケ部の仲間であるSCとキティはDチームだし、まず気軽に話せる人がいない。
弱酸性たちはまだ話せるが…
その上私以外誰1人異変を探そうとしない。
ずっとeggchanが守人やらなんやら。
もう自分以外の4人が全員守人なんじゃないかと思ってしまうくらいだ。
弱酸性「ねえ~天ノ橋も麗花もそう思わない??eggchan怪しくなーい?」
天ノ橋「たしかに、急に来てあんな冷たい事いうなんて怪しい…」
麗花「思った。絶滅の事知ってるのも怖いし…」
しゃけわさ「だよなー。Dチーム大丈夫かな」
ただこのまま萎えてても状況は変わらない。
私は少しでも状況を打開しようとみんなに呼び掛ける。
ドキビ「ねえ、みんな早く学校から出たいのは同じなんだし、一旦異変探しに行かない??」
「ここでずっと騒いでても、何か変わるわけじゃないしさ。」
…沈黙が流れる。
弱酸性「え~そんな固いこと言わないでよドキビ~。どうせすぐ見つからないよ」
しゃけ「それな??ドキビびびりすぎだって~笑笑」
天ノ橋・麗花「…」
………一応副学級委員なのだが、国王桃といる時と違って単独だとこんな扱いになるのか。
ドキビ「えーとまず私たちは5階に落ちてきたよね。5階って何があるんだっ
しゃけわさ「そんな真面目に考えなくてもどうせeggchanが全部知ってるって笑笑」
弱酸性「それな笑笑、アイツに聞いとけば異変解決できる説!笑」
麗花「そんな簡単に上手くいくかなぁ…笑」
ドキビ「…(・∀・)」
もうこいつらは話にならないから無視しよう。
頑張って1人でまずは状況を整理しようとする。
5階で怪しそうな場所…教室……、、、
………私もとうとうおかしくなってしまったのだろうか。
5階に何があったか全く思い出せない。
なんの教室があったかも、何組があったかも、どうやって行くかすら。何も思い出せない。
だがどこか引っかかる。何か見落としてるような…
ドキビ「なんでだろ…5階の内装も何も思い出せないんだけど…」
弱酸性「…俺も何も分かんない…」
しゃけ「俺も…」
麗花「…」
天ノ橋「…!まってドキビさん!!」
急に天ノ橋がはっとした様子で話しかけてくる。
ドキビ「どうしたの?」
天ノ橋「…そもそも」
天ノ橋「ーーそもそもこの学校に5階なんて、あったっけ?」
ーーーー
雪凪「え……何が……?」
全員を自分の靴箱の所に呼ぶ。
ペル二世「俺の出席番号って14番だろ? これ見てみろよ」
ゆめさぐり「どうしたのです……?」
絶滅勇者「……??」
全員が吸い寄せられるように靴箱へと近づく。
『12番:プルトニウム』
『13番:██████』
『14番:ペル二世』
『15番:存在しない生徒』
梅雨「は……? なんだこれ、出席番号がずれて……つーか『存在しない生徒』って何だよ気持ちわりーな…」
雪凪「…」
ゆめさぐり「この塗りつぶされてる部分は誰の番号でしたっけ…?」
絶滅勇者「あ、俺名簿持ってるよ」
絶滅勇者がプリントを見せる。
1番:天ノ橋
2番:瑛莉
3番:キティ
4番:国王桃
5番:弱酸性
6番:しゃけわさ
7番:StrayCat
8番:絶滅勇者
9番:梅雨
10番:ドキドキビート
11番:電波
12番:バッグGM
13番:プルトニウム
14番:ペル二世
15番:麗花
16番:Roria
17番:めろ
18番:雪凪
19番:ゆめさぐり
ゆめさぐり「…明らかにおかしいですわ…」
雪凪「…ね」
ペル二世「…だよな」
梅雨「どわーーwwこんな分かりやすいことあるかww」
ゆめ「でもこれでやっと異変が見つかりましたわ!!」
絶滅「…でも、見つかったところでなんかあった?」
全員「…」
前モニターに書いてあった守人の情報は…
スマホに国王桃が送った内容を見る。
『ーーーーー学校に潜む5つの異変を探せ。』………
『探せ』と書いてあるだけで、見つけるだけではだめってことか…?
そうだとしてもこれからどうすればいいのか分からない。
守人の姿も見えないし…
ふと、周りを見渡した時だった。
ぺル「…え?」
ーーー
弱酸性「…嘘だろ」
その瞬間、二人の衣装が変わった。
~ナイフを持った群像の結末【3】完~




