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祥華院ガラシャ 次元を超越し聖騎士として覚醒した美しき姫。 流線型の白銀防護スーツと漆黒の南蛮胴具足の隙間から覗く純白の羽六枚の翼を纏う  作者: インフィニティ・G・イプシロン


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西暦8040年。人類最後の希望を乗せた超弩級宇宙船の最深部——そこは、冷房の効きが異常に悪い「第3給湯室」だった。

『銀河末端、給湯室のロマンス』


西暦8040年。人類最後の希望を乗せた超弩級宇宙船の最深部——そこは、冷房の効きが異常に悪い「第3給湯室」だった。


警報アラートが真っ赤に明滅し、全艦にサイレンが響き渡る。


大天使ラファエル・ガブリエルⅡ:「見よ、40億光年先の暗黒領域から届いた不倫の顛末書だ! 昨日の夜、社内LANに流出した密会データにより、天界および人事部からの聖なる追及が迫っている!」


薫姫:「あら、全宇宙LANに私の写真が流出? 40億光年の彼方にいる異星人まで、昨日給湯室で課長と手が触れ合った私のオフィスラブに夢中なのね。あまりの美しさに全銀河が恋に落ちてしまったわ……罪な美少女ね♡」


サリー:「ちょっとお兄ちゃん!! 40億年前の幼稚園のアルバムから出てきたこの写真、何なのよ!? 押し入れの奥に隠してあった『初恋の女の子と砂場で山を作った思い出』のやつ!! 私という妹がありながら、40億年越しの浮気!?」


大天使は重々しく首を振り、宇宙船のメインコンソールに手を置いた。


大天使:「……フッ、わかるぞ。残業でふたりきりになった夜の過ちなど、人間なら誰にでもある。だが、証拠の写真だけは今すぐシュレッダーにかけねば、明日の出社時に社会的に死亡する!」


薫姫:「そうね! 残業中の給湯室で写真を撮られてシュレッダーにかけ損ねたら、私と課長の社内恋愛スキャンダルで株価が急落しちゃうもの!」


サリー:「やっぱり写真撮られてたんだ!? 残業って嘘ついて、その初恋の女子と40億光年先のケーキ屋でモンブラン食べてたんでしょ!? 絶対許さない! シュレッダーごと超新星爆発魔法で吹き飛ばしてやるー!!」


サリーの両手から解き放たれた極大消滅魔法(ギガ・フレア)が、宇宙船の主機関と給湯室の天井を容赦なく貫通した。ドカンという轟音と共に、船体が大きく傾く。


大天使:「ぬうっ!? 爆発の衝撃で、会社のエレベーター横に増設した6畳用エアコンの室外機が破裂したぞ! このままでは明日の出社時、聖なる室温が28度まで上昇し、フィルター清掃の手間が増えてしまう!」


薫姫:「キャッ! 爆発の炎が私を照らすスポットライト……宇宙の崩壊すら私の美しさを引き立てる演出なのね。完璧な美少女のグランドフィナーレにふさわしいわ♡」


サリー:「お兄ちゃん、逃がさないからね! 過去の初恋の記憶も、不倫の証拠も、オフィスラブの妄想も、全部まとめて歴史から消去して、私の『永遠の妹』として再契約しなさいよー!!」


大天使:「ええい、話を聞け! 慰謝料の請求先が経理部になっている件はどうするのだ! シャチハタの認印では受理できんと何度も言っているだろうが!!」


宇宙の静寂を破り、壊れた給湯室から吐き出されるのは、誰ひとりとして交わることのない叫び声。


崩壊寸前の宇宙船は、冷え切らない室温とドロドロの勘違いと理不尽な嫉妬を乗せて、今日も今日とて明後日の方向へと爆走していくのだったが、……。


大天使ラファエル・ガブリエルⅡ:「ドロドロの勘違いと理不尽な嫉妬をを怠れば、明日の出社時に冷気が途絶え、聖なる室温が28度まで上昇するだろう」


薫姫:「過去の初恋の記憶も、不倫の証拠も、オフィスラブの妄想も、隠し味はケーキ屋の厨房にあった出汁よ。会社じゅうに香る、完璧な美少女スープの完成ね」


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