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まりたまエモーション ハイスクール編  作者: 綾野羊
第2章 まりたまと鮮やかな荒波
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第8話 赤が入って乱れ始める(5)

 たまきとかのんはF組の教室に入る。ファストフード中心の模擬店だ。まりな、みつば、かえでの姿があり、かのんが声をかける。


「みんなー! たまちゃんもいるよん!」


 かのん、席に座る。一方のたまきは、まりな達に軽く問う。


「赤いマスって、3人とのんちゃんと仕組んでいたってこと?」


 3人揃って首を縦に振る。


「それ、すみれちゃんとうららちゃん、知らないんじゃない?」


「サプライズとかドッキリって形で私達4人で考えてみたんだ!」


 かえで、堂々と答える。


「もしかして、たまちゃん。怒っているの?」


 まりな、少し怯えている。


「怒っていないよ。ただ、すみれちゃんが見たら間違いなく」


「私もアイデア出た時はちょっと怖かったけど。のんちゃんとみんなの距離を縮めるためを考えたら、気にしなくなっちゃった」


 みつばとしては、堂々としていた。


「たまちゃん、座って! せっかくだし、みんなでお喋りでもしちゃお!」


 たまき、かのんと向かい合うように席に座る。2人のテーブルにワッフルとポテト、ジュースが届く。2人ともお腹が空いていたため、食べながら会話をする。


「たまちゃんの、かわいい感じのオーラって、のん初めて感じたんだよね」


「そう? 都内の学校に通っていたから、都内の方がそういうタイプの人も結構いる気がするけど?」


「意外と高校生だといないかなあ。だから、まりちゃんと幼馴染って聞いて、2人を見比べたら、まるで双子ちゃんだったもん」


 まりなが会話に入る。


「昔から、まりなの方がお姉ちゃんって役割だったよ」


「わかる! まりちゃんって気配り上手だし、みんなのこと大切にするってタイプだもん。たまちゃんは、どちらかと言えば甘えん坊タイプかも」


「どうして、そう感じるの?」


「だって、すみれちゃんと付き合っていることも考えれば。わかりやすいもん」


 みつばとかえでも会話に入ってくる。


「のんちゃん、意外とのんちゃんも的確なこと言うから。ある意味毒舌」


「どう? たまちゃんは、のんちゃんのことどんな感じに思っている」


 かえでは興味津々に、たまきに問いかける。


「のんちゃんって、凄いよね。どんな時でもブレなくて前向きで、子どもみたいにやんちゃで。でも、どうしてわざわざ原宿から、柏の葉に転校してきたの? 文化祭でまりちゃん達と出会った意外にも理由ってある?」


 のん、一旦間を置く。


「前の学校、スクールカーストが強かったの」


 かのんが、真剣に言い出すと、たまきは疑問を抱き、まりなの顔を見る。


「あれ? すみれちゃんが想像していたこととほぼ同じように聞こえるけど…」


「ごめん。あの時は、のんちゃんのイメージを悪くさせたくなくて…」


「ありがと、まりちゃん。でも、のんは正直に話したいから無理に誤魔化さなくて大丈夫」


「もしかして、松戸から原宿まで電車で通っていたってこと?」


「うん。キラキラした高校生活を送りたくて、制服と雰囲気だけで受験しちゃったの。でも運良く受かって。私立だったから、パパとママにお金のことで迷惑かけそうで怖かったけど、のんのことを思って、OKしてくれたの」


「そう言えば、仲が良かった子とかっていなかったの?」


「んー。いなかったかも。華やかそうに見えて、みんなオシャレに気を使っているけど、実際はプライド高い子が多くて、見た目とか能力とかで競い合うのが当たり前だったの。性格や中身を見るなんて考えられなかったから」


「じゃあ、去年文化祭に来た時、ホッとしたってこと?」


 かのん、首を縦に振る。


「のん、嬉しくて後悔しちゃった。最初からここを受験すれば良かったって」


「まりちゃんも、かえでちゃんも、みっちゃんも結構面倒見が良いから救われたんじゃない?」


「あの時、本当に救われちゃったから、ここに来ればのんも心が落ち着いて、みんなとエンジョイ出来るって思えたの」


 たまき、かのんの話を聞いて、微笑ましくなる。


「他のみんなにも、聞いてもらいたいなぁ」


 まりな、みつば、かえで、かのんの4人は、たまきが穏やかな表情になるのを見て、達成感を感じたように純粋に微笑んだ。


 うららが教室に入ってくる。


「あっ、のんちゃん!」


「うららちゃん、こっちこっち」


 かのん、うららに向けてジェスチャーをする。うららはみんなの元にやってくる。


「私もボードゲームで遊んでいたら、赤いマスに当たっちゃって。よく見たら、のんちゃんとデートって書いてあったから」


「多分、久哉くん達が、ぼくがのんちゃんと一緒にいることを教えてくれたんだよね」


「そう」


 まりな、うららに頭を下げる。


「ごめん。まりな達勝手なことをしちゃって」


 かえでとみつばも続けて、頭を下げる。


「私達、のんちゃんをグループに入れるように考えて」


「かえでちゃんが言い出しちゃったから、つい」


「みんな、頭を上げて。私は面白いって思ったよ。文字を見たらつい笑っちゃった」


「ぼくだって、最初はふざけるなって思っちゃいそうだったけど、ある意味楽しく感じちゃった」


「ただ、1人だけ。納得がいかない子がいるけどね」


 うららの言葉を聞き、5人とも心当たりがあり、回答は一致している。当然すみれだ。5人とも気まずそうな表情をする。


「他の男子3人もすみれを説得しようとしているみたい。私は、みんなで楽しくグループで活動出来ればそれでOK。とはいえ、すみれのあの感じだとね…」


 5人ともすみれの表情を想像すると更に怖さを抱いてしま。そんな5人を見て、うららが機転を利かせて、話題を切り替える。


「たまちゃん、のんちゃんとどんな話をしていたの?」


「色々話したよ。折角だから、うららちゃんもどう?」


「勿論。私ものんちゃんのこと、知りたくて」


「やっぱりみんな優しい。きっと、すみれちゃんも本当は優しかったりして」


 かのんがそう答えると、たまきが答える。


「そうだよ。ぼく達のこと、ちゃんと考えてくれているから」

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