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第7話

ヴィクトリア達は門番のいる場所から


門をくぐり城下町に出た


ヴィクトリアに抱えられているブレイクが


人の多さに驚いていると


「凄いだろう?龍王国は龍と龍人族しかいないが

ルア王国は色んな種族がいる

まぁ、さっきの門番みたいな変な奴もいるが

大体は普通の奴だから大丈夫だろう」


そのままヴィクトリア達はギルドに報告に行くが


ギルドの受付で直接王城に行くよう言われて


ヴィクトリア達はギルドを出て王城まで


歩いていく事になって王城に着くと


ヴィクトリア達は謁見の間に通され


玉座が見えた、そこに座っていたのは


40代半ば程に見える威厳のある男性だった


更にその場には近衛騎士団と


魔法師団の団長2人がいた


「おお!ヴィクトリア!どうであった!

龍の涙は手に入ったのか?」


ヴィクトリアは


国王ミランド・ルア・ダイヤ・ハート15世に


「これが龍の涙だ

龍王グレイシアからのものだから確かな物だろう」


そうか!と国王は喜び


すぐティラ王女の為に薬を作るよう指示を出した


「して、その少年と精霊は?

そしてハーフエルフの少女達か?」


「この子は我が息子ブレイク!

それにブレイクが契約したスイレン!

あとユージーンが契約したライコだな!

ハーフエルフは今回で仲良くなった!

今後はわからん!」


国王はユージーンが契約した事を喜び


ブレイクという少年を息子と言った


ヴィクトリアに疑問を投げかける


「はて?ヴィクトリア

お主に息子などいたか?

娘のメイベルなら知っているが」


ヴィクトリアが人払いを頼み


団長達が下がったところで


事の顛末を話し始める


「そうか、そうしたら

今ここで手続きしていくと良い」


と国王立ち合いのもと


養子を迎える時の儀式を始める


魔法陣の中にヴィクトリアとブレイクが入り


ユージーンが魔法陣に魔力を流し儀式が始まる


「今ここに親子の縁を

ヴィクトリア・シルヴァ・ハートと

ブレイク・クロノの縁は結ばれた」


晴れて親子になったブレイクとヴィクトリア


とても喜ばしい事だが一つ問題があった


ブレイクの本名がブレイク・クロノという点


「ブレイク・クロノか

ブレイク・クロノ・シルヴァ・ハートになるが

クロノはひとまず隠しておいた方がいいな

ブレイクはこれから

ブレイク・シルヴァ・ハートと名乗るが良い」


と国王は命じ事は済んだ


「これで晴れて親子にだそ!ブレイク!」


と、とても嬉しそうなヴィクトリアに対し


「ブレイク・クロノ・シルヴァ・ハート

いや、ブレイク・シルヴァ・ハートか...」


クロノという名前があった事に驚きを隠せない


ブレイクだったが、ヴィクトリアと同じ名を貰って


喜びの感情が表情から滲んでいた


「後の事はおいおいやればよい

今日のところは帰って休むと良いだろう」


と国王が命じた


ヴィクトリア達は王城を後にし街に着くと


日も暮れ始めユージーンは急いで家に帰ると言い


それに付いていくライコ


コレットはギルドに報告に行く


クレアとメルもコレットと一緒にギルドに向かい


ギルドで冒険者登録をするようで


ヴィクトリアとブレイク


そしてスイレンだけになった


「僕はこの後どうすれば?」


「ん?何を言っているんだ?」


とヴィクトリアが首を傾げる


「家に帰るに決まっているだろう?

あ、でもお腹空いたか?何か食べて帰るとするか」


そうしてヴィクトリアはブレイクを抱え


露店で買い食いをしてからお土産を持って


ヴィクトリア邸に向かった




魔族の領地の奥の方に


魔王城がありそこに魔王は存在する


魔王とは世界の敵であり


名の通り魔族の王、邪悪の化身


勇者と対になる存在


歴代の魔王は歴代の勇者によって


封印または討伐されたが


なぜ魔王は何度も現れるのかと


現魔王のワイトは考える


ワイトに歴代の魔王にある悪意というものがない


歴代の魔王の中でも唯一優しい心の持ち主だった


故に勇者が派遣される事もなく


ルア王国や龍王国とも和平を結んでいた


ワイトは全身骸骨で灰色のローブを纏っており


王座の側面でカタカタと指を動かしていた


と、そこへ少女が飛び込んできた


「父様〜!」


ワイトには娘がおり名前をノワという


黒髪ロングの黒肌の8歳になるダークエルフ


ダークエルフというだけでも


魔族の中で冷遇されるが


更に黒髪は不吉という理由で


ノワは今まで同じダークエルフにも


仲間外れにされ生きてきた


ガラクタ街に独り居たのを


ワイトが見つけ保護した


ワイトはノワに自身すら脅かす


強大な魔力を感じていた


そして同時に歴代の魔王にもあった悪意を


感じ取っていた


それでもノワの心の中に優しさが見えたので


ワイトはそこに可能性を見出していた


そんな出来事が3年前の出来事で


当時5歳だったノワも8歳になり


十分な食事や睡眠で体はどんどん成長して


年相応の身体になった


3年前のノワはガリガリで身体のあちこち傷があり


野良犬の様に周りを警戒していたが


今ではワイトに甘える年相応の可愛い娘だ


「父様?どうしたの?」


ワイトはそんなノワを溺愛しており


頭を撫でながらニンマリと笑顔を浮かべ


「3年前の事をね...初めて逢った時から

ノワも随分大きくなったと思ってな」


そうかな?とノワは笑いながら頭を撫でられており


ワイトはそろそろノワに


魔法を教えてもいい頃だと思っていた


「そろそろ魔法を教えようと思うんだが

ノワはなんの魔法が使いたい?」


うーん、とノワは腕を組み頭を傾げ考える


「父様が教えてくれるならなんでもいい?かな」


ワイトはハハハと笑いながら


ノワを抱き上げ魔王城の中にある修練場に向かう


「父様〜!はやく!はやく!」


そうノワに急かされるワイトは


少し待ってくれ、と部下が持ってきた


税に関する書類にサインをしていた


そしてワイトは空間魔法を使い


自身の杖を取り出した


「まずは魔力について」


と、ワイトの授業が始まった


魔力とは魔族にとって生命の源であり


大小はあるものの皆が所有している


種族によってお腹だったり


胸、心臓の位置から湧き出てくるモノである


ワイトやノワ達、魔族はお腹から


魔力が発生する


そこまで説明した時に


「わかった!こう?...ってアレ?」


ノワのお腹の魔力が膨れ上がる


そうして突如ノワに異変が起きる


目つきが変わり狂乱状態になってしまった


ワイトが懸念していた


歴代魔王の悪意がノワの身から溢れ出していた


「ゔがぁぁあ!!!」


口も聞けない獣


今のノワはまさにそうだった


歴代魔王の悪意が発動するトリガーとなったのは


ノワの強大な魔力だとそう予想したワイトは


空間魔法を駆使して咆哮と共に押し寄せる


魔力の波を避けながらノワに近付く


「やっぱり、まだ早かったか?」


自身の判断に疑問を持ちつつ


闇魔法の魔力吸収《マナ・ドレイン》で


ノワの魔力を吸い取る


落ち着きを取り戻し眠ってしまった


ノワを抱き抱えワイトは


周りの被害を確認する


地面は抉れ壁には大穴が空いており


天井は崩れかかっていた


魔法で修復できる所は修復し後の事を


部下に任せてワイトはノワと共に玉座に戻った




日暮のヴィクトリア邸にて


1人娘のメイベルが引き攣った笑顔で


ヴィクトリア達を迎え入れていた


「おかえり⤴︎なさい⤵︎母上?...そちらは?」


声があっちこっちに行ってしまっているが


どうにか平静を装うメイベルだった


「ん?なんか変だそ?メイベル

こっちはお前の弟になった私の息子《ブレイク》だ!

それに息子《ブレイク》が契約した大精霊のスイレンだ!」


とメイベルに説明しながら


ヴィクトリアはお土産をメイドと執事達に渡し


(弟!?...母上が言うのだから

文句は無いけど...

こんな小さい子が弟かぁ、5歳くらいかな?

にしても凄い魔力量...

ん?大精霊って言った?え?どういう事?)


ブレイクがヴィクトリアに降ろしてもらい


メイベルに挨拶する


「初めましてブレイクと言います

いきなり弟と言われてもビックリしますよね

僕もいきなり息子になれと言われた時

数日は落ち着かったので気持ちはわかります」


その言葉を聞いたメイベルは


やっぱり母上がまた暴走したんだぁ


と諦めた似た笑顔を浮かべて


ブレイクに対してしっかり話せる子だなぁと


感心していた


「初めましてブレイク君、私はメイベル

ブレイク君は5歳くらいなのに

しっかりしてるわね」


えっと、とブレイクがヴィクトリアを見ると


見せてやるといい!と自慢げな顔がそこにはあった


それを見たスイレンがため息を吐き


メイベルに説明して一度身体を年相応に戻し


その後また5歳の姿に戻った


「えっと...8歳だけど母上が抱っこしたいから

5歳の身体にしてるって事?」


正解!とヴィクトリアが言い


理解がはやいわねとスイレンが感心していた


「そうなんですよね

ちゃんとさっきの8歳の姿にもなれるので

安心してください?って言うのも変ですね」


えぇ...とメイベルは呆気にとられていたが


沸々とヴィクトリアに思う所があったのか


「母上!

ブレイク君の事はわかりましたが!

後でお話がありますので!

時間を空けておいてください!」


普段怒らないメイベルにヴィクトリアは


呆然とうん、と返事をしていた


その後ヴィクトリア一家は食事を摂り


ブレイクをお風呂に入れようとするヴィクトリアを


メイベルが止める


「ブレイク君

お湯の使い方はメイドか執事達に聞いてね

私は母上と話す事があるから後で入るから

気にせず入っちゃってね」


あ、はい


とブレイクは執事に聞きながらお風呂に入る


その頃メイベルに止められたヴィクトリアが


不貞腐れながらメイベルに叱られていた


「母上!ブレイク君を甘やかすのはいいですが

お風呂は1人で入れる年ですし

母上の裸はブレイクの目に毒です!」


そうなのか!?と毒という言葉にだけ反応した


そんなヴィクトリアにゆっくりと説明する


「母上の裸と言うより女性の裸は

今のブレイク君くらいの年齢の男の子には

刺激が強いはずです...ってこんな話をする為に

呼んだんじゃないんですけど...」


メイベルはヴィクトリアから


事の顛末を聞き出した


奴隷商にいた事や


珍しい時の魔力、莫大な魔力量


ヴィクトリアを超える剣の才


そして優しい性格で周りに人が寄ってくる事


「...一旦、わかりました

先程の大精霊も

私の聞き間違いではないと言う事ですね

うーん...15歳までうちで隠す事になりますけど

その後は洗礼の儀でブレイク君の

凄さは知れ渡るでしょうし」


あと7年か...とヴィクトリアが


考えていると


ギィと扉が開く


「あの...お風呂上がりました

ありがとうございます」


そこにはパジャマ姿のブレイクがいた


おぉ!上がったか!とヴィクトリアが


近付こうとするとメイベルに遮られ


「母上、先にお風呂に入りますよ

ごめんねブレイク君

メイドにお茶とお菓子を用意させるから

少し待っててくれる?」


はい、とブレイクの返事を聞き


ヴィクトリアを押しながらお風呂場に向かう


ブレイク〜とヴィクトリアが情けない


鳴き声の様な声を出しながらその声が


遠くなっていった


ブレイクが広間に行くと


お茶などが用意されていた


メイドや執事を気にしながら


ブレイクはお茶に手をつける


ゴクッ


「...美味しい」


背後の執事の口角が若干1ミリほど上がる


それを見たスイレンが


「嬉しいなら、もう少しわかりやすくしたら?」


え?なんの話?とブレイクがスイレンに聞くが


本人が言わないなら言えないとの事で


背後を振り返るブレイクだったが


特に変化もなかった為


気にせずお菓子を食べる


「これも美味しい...」


ブレイクの反応に横のメイドが


小さくガッツポーズをした


(なんだが面白い人達なんだねスイレン)


(そうね...悪意のカケラも感じないくらい)


お茶をおかわりしお菓子も食べ終わり


ブレイクは寛いでいると


ドタドタと足音が聞こえ


「息子《ブレイク》ー!!!!」


とパジャマ姿の髪がびしょ濡れな


ヴィクトリアが飛び込んできて


また抱き抱えられる


後ろを追ってきたパジャマ姿のメイベルは


あぁ、遅かったかと頭を抱えていた


ブレイクを甘やかすヴィクトリアを見て


メイベルは思うところがあった


実のところメイベルには


ブレイクくらいの年齢の


弟か妹がいた筈だった


ヴィクトリアがどうしても


男の子が欲しいと旦那に頼んで


身籠ったが流れてしまったのだ


その後、旦那はこの世を去り


息子を望む事はできなくなったが


今はブレイクがいる


ヴィクトリアがブレイクを甘やかすのは


当然の事と言えば当然の事である


それを止めるのはメイベル自身


息子を産めなかった時


落ち込んだヴィクトリアの姿を知っている為


無理矢理引き剥がすのはメイベルには出来なかった


しかし、果たしてこの甘やかしが


ブレイクの為になるのだろうか?とメイベルは考え


「母上!いい加減ブレイク君を降ろしてください」


えぇ...とヴィクトリアが駄々を捏ねるが


無理矢理ブレイクを取り上げて


慌てて自室に連れ帰った


「ごめんねブレイク君

母上があんな感じだから

私の...部屋に...」


部屋には脱ぎっぱなしの服や


読みかけの本がズラッと並んでいた


「3人で片付けましょう」


と、スイレンが助け舟を出して


3人で片付けを始める


ブレイクが本をまとめ


スイレンとメイベルが服を整理する


途中、下着が出てきてブレイクの目をメイベルが


隠しスイレンがそれを片付けるという時間があった


「やっと片付いたわね」


面目ないとしゅんとして下唇を出すメイベルは


ヴィクトリアそっくりだった


フフッとブレイクが笑うと


「なんで笑うんだ、ひどいぞ!」


と、ヴィクトリアの口調とそっくりで


これが素なんだろうとブレイクは思った


「息子《ブレイク》〜メイベル〜」


とヴィクトリアが扉の前で駄々を捏ねる


段々とイライラしてきたメイベルが


ヴィクトリアを中に入れた


3人川の字で寝る事になった


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