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第59話

その日ヴィクトリア達が起きてきて


邪神がライトと繋がってるのを見て


ノワが特に心配した


「大丈夫なの?ライト

メーアさん!邪神を封印するって

ライトになんですか!?

それなら私に封印した方が良かった!」


気まずそうなメーアを見てライトが


「ママごめんなさい

ぼくがかってにやったんだ

メーアはわるくないよ」


『こんなかたちで再会するとはな

光の勇者ブレイク闇の巫女ノワ』


と邪神がブレイクとノワに鉢合わせる


するとバハムートが


「コイツどうにかして消し飛ばせないものか?

俺のブレス試してみるか?」


とノワに提案するが


ライトがそれを止める


「じゃーくん

もうわるいことしないからだいじょうぶ!

ぼくがじゃーくんもみんなもまもるから!」


とライトは言うが大人達は心配する


「ライト大丈夫なの?

ママはやっぱり心配だよ

力を封印した所で邪神は邪神でしかないし」


ノワがやはり母親だからか1番心配していた


「だいじょうぶ!ね!じゃーくん!」


『は?知らんぞ、そんな事』


「えぇー!?なんでぇ!?」


ライトはじゃーくんとの会話を楽しむ


そんな中バハムートが実体のない邪神をどうにか


掴めないものかと何度も挑戦するが


挑戦、虚しく無駄に終わった


「僕は創造神と破壊神と封印したから

まだ大丈夫だろうけどライトが心配だったけど

...メーアさん封印は成功なんでしたっけ?」


「そうだな力を完全に封印出来ている

ライト次第でいつでも解けるがな」


とブレイクとメーアの会話を聞いていた


邪神とライトが


『ほう、それはいい事を聞いた

コイツをどうにか出来ればいいと言うことだな』


「コイツじゃない!ライト!」


フンと邪神はライトを無視し


ライトの身体の中へと戻っていく


「う〜ん、じゃーくんとは

まだしんゆーにはなれなそう...」


ライトが恐ろしい事を言い出したと


改めてノワが心配する


ライトはメーアの元に行き


「メーア、ありがとう!

じゃーくんといっしょに

いられるほうほうをおしえてくれて」


その言葉に困った顔のメーアが


「いや...その為に封印術を教えたわけじゃ...」


ライトがメーアに抱き付き


メーアは困りながらライトを抱っこした


そんなライトとメーアを見て


「孫《ライト》...から...だと?

ずるいぞ!メーア!孫《ライト》が

そんなに早く抱っこをせびるとはおかしい!」


ヴィクトリアが拗ね始め


メーアは何故かヴィクトリアを煽る


「いいだろう!ライトからの抱っこだ!」


「私の孫《ライト》だ!返せ!」


と2人はライトを取り合い


そんな姿を見ていたブレイクは


「...何してるんだろう...あの2人は」


と親目線で語っており


「私達の子供なのにねぇ

お義母様はいつも通りだけど

メーアさんもどうしたんだろ?」


ノワがブレイクの隣でそう話し


ライトが最終的にパパ、ママになったので


仕方なくメーアとヴィクトリアは


ブレイクとノワにライトを返す


「ライトは人懐っこいな

私にも抱っこを要求してきた

大抵、子供は額の刺青に驚いて泣くんだが」


ライトの人懐っこさにメーアは既にメロメロで


ヴィクトリアも意気投合して


こうして2人のオバ...お姉さんは


ライトの世話をしたがった


ヴィクトリアはいつも通りだが


メーアはライトの中の


邪神の監視の為に滞在する事になった




そして皆が寝静まった頃に寝惚けているライトに


『オイ、ガキ起きろ面白い事をするぞ』


「...え〜?じゃーくんあしたじゃダメ?」


『ダメだ、今から此処を抜け出すぞ

“2人だけの秘密のミッション”だ』


“2人だけの秘密のミッション”という言葉に


ライトは俄然やる気を出して


ブレイクとノワを起こさないように


こっそりとベットを抜け出す


モソモソと布団を抜けて部屋着のまま


扉を開けそーっと部屋を出ようとした


その時!


ギィー!と床の軋む音に邪神もライトも驚き


ゆっくり背後を確認するライト


「...すぅすぅ」


とノワは寝息を立てていた


ブレイクはあまり見えないが


きっと大丈夫だとライトは判断して部屋を出た


廊下は明かりがついてはいなかったが


ライト自身、夜に目が慣れてきて


月明かりで廊下を見渡せる状態だった


廊下を抜けて階段をおり


正面玄関から外に出ようとしたが


鍵がかかっておりライトは邪神に


「じゃーくん

むりだよ、ここは

ぼくじゃあけられない」


『...なら裏口はどうだ?

そっちなら開いている可能性はあるだろう』


と邪神はライトを誘導して


調理場の方にある裏口に向かう


『オイ、ガキ

コレを持っていけ』


「えぇ?コレ?」


とある物を邪神はライトに持たせて


裏口までやってきた


『鍵は開いているな

ドアノブまで届くか?』


「だいじょうぶ!」


と調理場にあった椅子を持ってきて


ドアノブに手を掛けライトは裏口から外に出た




その様子を見ていたメーアはライトの跡をつける


「...いったい何をする気なんだ?」


ギィーと背後から床の軋む音に


メーアが驚き振り返ると


「あ、メーアさん

こんばんは、ところでライトは?」


なんだブレイクかとメーアは胸を撫で下ろし


「今、外に出たところみたいだな

邪神に唆されていなければいいのだが」


メーアの心配にブレイクは


「たぶん大丈夫だと思いますよ

ライトはああいう風に見えて

しっかりしてますから

ただ1人で外に出るのは

親として心配にはなりますけど」


ブレイクとメーアはライトの跡をつける




『よし、ガキ

2人だけの秘密のミッションだ

まず我の力を解放しろ』


「えぇ!?じゃーくんは

それだとふっかつするんじゃないの?」


チッ...と邪神はライトを侮っていた


ライトは幼いし純粋だが馬鹿ではない


『どうせ、お前に封印されている力は

1/4だ大した事はない

それにお前の力に出来るかもしれんぞ?

ゴブゴブさんやワンちゃんが

産み出せる様になるかもな』


「え!?そうなの!?

...ゴブゴブさんにワンちゃんがいっぱいかぁ

それはいいなぁ、みんななかよくできるね!」


本当にわかってるのか?と邪神は


ライトを見て思ったがライトを唆せば


邪神自身の復活は早まる事は明白だった


ただ邪神の中で一つ誤算だったのが...


『ガキ、さっきの調理場から持ってきたな?』


「うん!ナイフ!

くだものようなのかな?

ちっちゃい!」


『そうか、我の言う通りやれば

我の力を自由に使えるようになるだろう

当然リスクはあるがな』


そうなの?とライトが邪神に聞くと


『我とお前のどちらが強いか

勝負だ、お前が勝てれば

力を好きに出来る

我が勝てばお前は我の僕《しもべ》になる』


「しもべ?ってなに?」


『あー、部下と言ってもわからんか...

我とモンスターの関係はわかるか?』


「うん!なかよし!」


『違う...

まぁそんな感じ?か?

まあいい、では我と取引成立だな』


とライトが邪神と取引しようとすると


「ちょっと待て!何をしてる!」


メーアが飛び出してきた


「メーア!どうしたの?」


「どうしたの?じゃない!

邪神と取引はダメだ!危険すぎる!」


ライトはメーアの忠告を聞き


「わかった!そしたらメーアが

かんし?すればいいんじゃない?」


「え?」


『は?』


とメーアと邪神はライトの突拍子の言葉に


呆気にとられていた


「あぶなかったら、メーアがとめてね」


ライトは邪神との取引を始める


『...まずナイフを指に刺して

地面に血で円を描きその中に三角形を描け

そうしたらその中に入り我と契約を結ぶ』


ライトは邪神の指示通り血で地面に円を描き


その中に三角形を描きその中に入った


『復唱しろ』


「ふくしょう?」


『真似をしろという事だ』


「わかった!」


『混沌を司る力を我が身に宿し

永劫なる時を刻み今ここに契りを交わさん』


と邪神が言い終わるとライトは真似して


「こんとんをつかさどるちからを

わがみにやどしえいごうなるときをきざみ

いまここにちぎりをかわさん」


と邪神はライトの言葉を聞いて不敵に笑う


(コレで我は自由の身に...ん?)


邪神とライトが取引を成立させると


邪神に力が戻る事はなく


ライトに力が定着していく


『なっ!?何故だ!?

我の力がこんなガキに持っていかれる!?』


ライトの魔力量は邪神が予想してたより


遥かに多く邪神の力、言ってしまえば魔力は


ライトの中に吸収されてしまった


「じゃーくん、これでいいの?」


『なんでこうなった?

ガキの魔力量が我より多いだと?

いや、しかし実際そうなっているし

我の1/4だとしても我は邪神だぞ?』


邪神はライトに力を吸収されてしまい


意思のあるライトの影になってしまった


するとそれを見ていたメーアがブレイクを呼び


「パパ!?なんでいるの!?」


「ブレイクは最初から跡をつけていたぞ

それにしても邪神の力を吸収してしまうとは

ライトは末恐ろしい子供だな」


「こうなるとは薄々感じていたけど

ライトが邪神の1/4を吸収か

これで尚更ノワが心配しそうだね」


えぇ!?とライトがノワの事を考えると


また怒られるのではないかと考える


「...でっ、でもじゃーくんはあぶなくないし

ぼくとしんゆーになったんじゃないの?」


『はぁ!?

いったいどんな事があれば

お前なんかと親友になるんだ!?』


「えぇ!?でもいまのじゃーくんは

あぶなくないでしょ?ね?パパ」


話を振られたブレイクは


「そうだね、力をライトに吸収されて

ただの影になってるからね

でもライト邪神の力を使う時は

考えて使わないとね」


「うん?わかった!」


ブレイクが危惧していたのは


身内だけでいる時は良いとしても


他の人がいる場面では邪神の力は


嫌悪の対象だろうという事だった


「まぁ、皆に話さないといけないから

一旦帰ろうかライト

メーアさんもそれでいいですか?」


「あぁ、ライトの力の把握は

ヴィクトリア達も居た方が良い

そらそろ日も昇る頃だ

皆、起きてくるだろうから戻ろう」


ライトがメーアに抱っこをねだり


メーアはライトを抱っこしてヴィクトリア邸に帰る


ヴィクトリア達が起きてきた頃には


ライトはウトウトし始めており


抱っこしているメーアの姿に


ヴィクトリアがズルい!と文句を言い


ライトをメーアから受け取る


「ばあちゃ?おはよう

...おやすみ」


「ん?眠いのか?孫《ライト》

それに息子《ブレイク》とメーアは何処に行ってたんだ?」


「それについてなんですが

ライトが...」


とヴィクトリア達にライトが邪神の力を


吸収した事を聞くとやはりノワが心配する


「えぇ!?どういう事!?

なんで2人は止めなかったの!」


ブレイクとメーアはノワからお叱りを喰らい


正座をされられていた


その横でライトはぐうぐう寝始め


ノワが心配そうに


ヴィクトリアの腕の中のライトを見る


するとヴィクトリアが


「心配するなノワ

何かあれば私がどうにかする

この国が敵になったとしてもな」


「お義母様

それは良いんです

いや、良くないですけど

最悪、魔王城に

ライトを連れて行けば済む話ですから」


ノワはライトを実家に連れて帰ればいい


そう思っていたが


ヴィクトリアはそれには反対だった


「ぜっっっったいにダメだ!

私の孫《ライト》だ魔王城に連れ帰っても私が

誘拐して我が家に帰るぞ」


堂々と犯行予告をヴィクトリアがノワにする


「お義母様の意向はわかってますけど

実際、人の中より魔族の中での方が

きっとライトは生きやすい筈です」


「そんな事は知らんが

それこそ魔王城に私が住むぞ」


兎に角ヴィクトリアは


ライトの側を離れる気はない様で


ルア王国の公爵で特級Sランクのヴィクトリアが


ルア王国を離れるのはなかなか問題が多い


それにライトの側を離れる気がないのは


当然ながら父親のブレイクも同じ事で


ルア王国の損害は非常に大きくなってしまう


「そうなると夜明けの旅人も

ライトについていく事になるのか?」


とアークがブレイクに聞くと


「う〜ん、どうなんだろうね

アーク兄《にぃ》達がどうしたいかによるんじゃない?

僕とノワは当然そうだけど

姉さんやアーク兄《にぃ》やスゥやティラ

それにクレアとメルが

どうするかはわかんないし

まあ僕的には子供達がまだ小さいから

住居の移動はあまりしたくはないかなぁ

ここなら母さんも居るから安心だしね」


ブレイクは寝ているライトの頭を撫でる


アークが心配していたのは産まれてまもない


ジークとロザリーの事と


産後あまり日が経っていないメイベルの事だった


いきなり魔王城に行くと言われても


困ると考えていたが


ブレイクにその意思はない事を知り安心した


するとメーアがヴィクトリアに


「でもこの事を国王に

報告しなくてはいけないんじゃないか?

国王がどういう意向を示すかによって

我々の動きも変わるだろう?」


「ミランドにか

ミランドは良いが他の貴族がなぁ...

また面倒な事になりそうな気がするが

確かに報告はしておいた方が良いか」


ヴィクトリア達は当の本人が寝ている為


ライトが起きた昼過ぎ頃に王城に向かった




公爵用の馬車で王城に向かうヴィクトリア達


王城に着くとヴィクトリアが嫌な顔をしていた


そこにいたのはメントール伯爵という


性悪貴族でヴィクトリアと相性が悪かった


「これはこれはヴィクトリア公爵

この様な時間に陛下に何か御用ですかな?」


「...あぁ、少し身内の話をな」


「そうですか、そうですか

では私は失礼いたします」


とメントール伯爵は謁見の間を出て行った


不機嫌になるヴィクトリアに国王ミランドが


「そう嫌な顔をするなヴィクトリア

して、今回はどうしたのだ?」


ヴィクトリアが国王ミランドに事情を説明し始めた

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