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第57話

「アレが伝説の“白炎帝《びゃくえんてい》の大聖母”か」


アプーがメイベルの身体を使っているグレンを見て


そんな事を言っていた


「白炎帝《びゃくえんてい》の大聖母?なんですかそれ?」


ブレイクがアプーに話を聞くと


聖女、聖母にも解決出来ない事が世にはあると


そんな時に炎帝の聖女、聖母など


特殊な聖女、聖母が現れ問題を解決してくれる


そんな中に伝説となる


今回の白炎帝《びゃくえんてい》の大聖母と言うのがあり


炎帝の聖女、聖母の上位互換になる存在で


アプー達の信仰する聖女、聖母教の御神体に近い


「俺達からすれば神様みたいなもんだ

何をされてもいいくらいには信仰してる

教皇のクソ野郎の事もあったしな」


とアプー達粛清組織はメイベルの元に向かい


グレンの怒りの吐口になる為に並んだ


「白炎帝《びゃくえんてい》様、好きなだけやっちゃってください」


アプー達は全て覚悟の上でグレンに話しかける


「何言ってんだお前ら

オイラはお前らには感謝してんだ

お嬢の記憶を見た時にお前らは

お嬢の力になってくれてるのを知った

別にオイラからは何もねぇよ」


とグレンは主導権をメイベルに戻す


「ふぅ...貴方達はこれからどうするの?

教皇は私が消し去ってしまったし

この国がどうなるかもわからないし」


アプーが質問に答える


「大聖母様が命令してくれれば

俺達はなんでもしますよ?この国の統治だって

ルア王国の属国にする事だって厭わない」


属国にするのは違うなぁとメイベルが考えて


「じゃあ...この国を統治しなさい

以前の様にルア王国と友好的な国にしなさい」


「かしこまりました大聖母様」


アーガルド法王国はまた


アーガルド王国に名を改めて


粛清組織が統治する事になった


聖女、聖母教の信徒がそもそも多く


国民の誰も反対しなかった


事件当日はメイベル達は皆


宿に泊まり翌日にルア王国に帰る事にした


そんな中アプーと


粛清組織のメンバーの中で唯一の女性が


メイベルを訪問した


「大聖母様、貴女様に

コイツを仕えさせてもよろしいでしょうか?

コイツはルナ、口は悪いですが

実力は確かですし

うちの粛清組織の中で1番タフです」


「よろしくお願いします、大聖母様

アプーの事は教皇のクソ野郎と

あまり変わらないと思っていますが

そんな事より貴女様に仕える事ができて

これ以上ない喜びでございます」


と話が勝手に進みメイベルはついていけず


「えっと...ルナさん?」


「ルナとお呼びください大聖母様」


「ルナ、貴女はいいの?

私に仕えると言うけど

他の仲間はアーガルドに残るんでしょう?」


「大丈夫です、奴らは羨ましがるだけですから」


「そっか...」


とメイベルはルナを自身の従者に迎え入れ


メイベルの身の回りの事をやらせてみる


ルナは丁寧にメイベルの身の回りの事をし始め


メイベルがやるより綺麗に事が片付いた


「ルナ凄い...

なんでそんなに出来るの?」


ルナはメイベルの髪を結いながら


「大聖母様に仕えたくて

聖女様の侍女試験を何度も受けたんです

大聖母様が何一つ不自由のない様に」


「そうなんだ...

私に仕えるって話だけど

具体的に私は何をすればいいの?」


「大聖母様は

何もする必要はないです

聖女様や聖母様が解決出来ない物事を

新たな炎帝の聖女様が

解決するので大丈夫です」


新たに炎帝の聖女が誕生する事を予見している様な


ルナの発言にメイベルはお腹を撫でて


「この子が新たな炎帝の聖女になるって事?」


「それはわかりません

ですが可能性はあります

そもそも炎帝の聖女様が誕生するのは

よっぽどの事ですから

大聖母様が心配する様な事にはなりません」


メイベルとルナが話しているとヴィクトリアが


「じゃあ、娘《メイベル》が何かやる事はないんだな?

今まで通り家に居られるのか?」


「そうですねヴィクトリア様

大聖母様が解決する様な事が

起こる事は無い筈です」


「そうか、それはよかった

娘《メイベル》が居なくなったら私が困るからな」


とヴィクトリアは一安心した様子でメイベルに


後ろから抱きつきメイベルは


そんなヴィクトリアを見て


「大丈夫ですよ母上

私は何処にも行かないです」


その言葉を聞いたヴィクトリアは嬉しそうだった


そうしてメイベルの攫われた事件も一段落し


メイベル達はルア王国に帰る事に


メイベルの聖母の正装はアプーが言うには


メイベルの能力を底上げしてくれる物らしく


そのまま持ち帰る事にした


「思いがけない装備を手に入れましたね

姉さんの聖母の正装はなんだか

ウエディングドレスみたいで綺麗ですね」


ブレイクがメイベルを褒めるが


メイベルは正装を褒められたと勘違いしており


「綺麗だよねこの正装

装備にするのが勿体無いくらい」


「いやメイベル、そうじゃねぇと思うぞ?

たぶんブレイクは正装を着たメイベルが

綺麗って話だと思うけど」


ブレイクの意図をアークが説明して


メイベルはやっと気付き


「あ...そういう事ね

ありがとうブレイク

アークはどう思う?綺麗?」


とメイベルがアークに聞く


「...うん、綺麗だ」


と恥ずかしそうに答えるアークを見て


メイベルはとても嬉しそうだ


「アーク兄《にぃ》なんだか、いいとこ取りだけしたな

ま、いいけどさ僕は姉さんは

元から綺麗だと思うけど

母さんが綺麗だし遺伝かな?」


ふと、自分も褒められたヴィクトリアは


「そ...そうかぁ?綺麗かぁ...」


とブレイクに褒められ照れていた


「私はあんまり自分の事はわからないけど

母上は綺麗なのはわかるから

それが遺伝してくれているなら

そうなのかもしれない

ね?アーク」


と言いアークの腕に掴まるメイベル


「さっきも言っただろ?」


「もう一回聞きたいの!」


「...綺麗だ」


再びアークは恥ずかしそうにメイベルに言う


それを聞いたメイベルは改めてご機嫌になり


「大聖母様が喜ぶ姿は何度見ても良いですね」


とルナがそんなメイベルを見ていた


ルア王国に帰ると使用人達と


ティラ、クレア、メルが帰りを待ち侘びていた


メイベルが使用人達とティラ


それにクレアとメルに無事を伝え


皆にルナを紹介した


ルナの希望でメイベル専属のメイドとして


ヴィクトリア邸に滞在する事になった


ルナはコミュニケーション能力も高く


すぐに使用人達と仲良くなり


メイベルが困らないように色々


幼少期の話など聞き回っていた


「ルナ貴女服はどうしてるの?」


「説明が難しいのですがコレは擬態なので

メイドの服を模して擬態してます」


以前アプー達と戦った時に


アプーは髪の毛みたいなものだと言っていたが


ルナは擬態と言っていてそれを聞いて


ブレイク達は更に疑問が深まっていった


「斬っても再生するし

不死身なんだよなルナも」


ヴィクトリアがルナに聞くと


「不死身という訳ではないんですが

私達、粛清組織のメンバーは

精神力が切れるまで再生するので

終わりは確かにあります」


ルナの話だと痛覚はあるし


再生する時に無理矢理身体が治っていく感覚は


あまり味わいたくない感覚だそうで


「アプーもそうですけど

私もしつこいですけど別に骨は折れますし

血が流れればそれはそれで痛いし

脚の腱を切れば少しの間歩けなくなるので

弱点がない訳ではないですよ」


人が出来ない事は出来ないとルナが言う


「だいぶおかしい身体はしてるけどな

メイベルの味方のうちは頼もしい限りだよ」


とアークがルナを褒めると


「...」


メイベルが膨れ始める


「何膨れてんだ?メイベル」


「...別にぃ〜」


メイベルもわかりやすく


アークがルナを褒めた事に嫉妬していた


するとルナが気を利かせ


「アーク様...大聖母様を褒めてください(小声)」


えぇ?また?とアークがメイベルを褒めると


メイベルは瞬く間に上機嫌になった


「姉さんもわかりやすいよねぇ

アーク兄《にぃ》も鈍感だから気付かないし

ルナがいて助かってるよなぁ」


とブレイクが言うがノワが


「ブレイクは人の事

言えないと思うよ第5婦人までいるし

これから増えないとも限らないし」


とノワも膨れていた


「ママ?」


ノワがライトを抱いてブレイクを避ける


「ノワ?なんでそんな離れるの?」


とブレイクが追いかけ回すかたちになり


ライトは追いかけっこだ!と楽しくなっており


それをヴィクトリアが


ブレイクとノワとライトを捕まえて


ヴィクトリアは機嫌良く過ごして


捕まった3人は困った顔をしながら


そのままその日を過ごした


翌日から睡眠がいらない不死身のルナは張り切って


ヴィクトリア邸を掃除し始め


メイベル達が起きる前に全ての掃除を終わらせ


他のメイドや使用人に断りを入れて


メイベルに付きっきりになれる様にしていた


「ルナは寝ないのね

不死身で寝ないとなると

やる事が無いと暇になるよね

私は無理だなぁ...」


とメイベルが感心していた


「昔からですから慣れたもんですよ

でもやっぱり大聖母様にお仕え出来る事を夢見て

今まで頑張ってきましたから

今はとても楽しいし嬉しいです」


ルナが笑顔でそう言い


メイベルはルナに何か返せるものはないかなぁ?と


自分なりに考えたが良い案は浮かばなかった


そんな平穏な日々を過ごしていると


ある日メイベルが破水した


「娘《メイベル》!だ...大丈夫か?

ちょっと待ってろ今医者を連れてくるから!」


とヴィクトリアは慌てて家に駐在させていた


医者を呼びに行った


「産まれる...のか?」


呆然とするアークの肩をブレイクは掴み


「アーク兄《にぃ》しっかりしろ!

父親になるんだろ!ほら!姉さんの手を握って!」


アークは安静にさせているメイベルの手を握った


ヴィクトリアに連れられた医者がメイベルを看る


「これは...以前より...」


医者がメイベルを看て出産を手伝う


メイベルの出産は6時間以上かかり


産まれたのは双子の兄妹だった


「...マジか

俺、双子の父親か...

ありがとなメイベル

元気な子を産んでくれて」


とアークがメイベルの頬を撫でて


「私...頑張ったよ、褒めて」


とメイベルはアークに甘え


アークもメイベルに抱きつき額にキスをする


「娘《メイベル》すごいぞ!双子だ!

しかも男女の!孫が増えるのはいいな!」


とヴィクトリアが双子を抱っこしていた


メイベルは出血が多かった為


ヴィクトリアが輸血する事になり


ヴィクトリアも安静にしていないと


血が足りない筈なのだが


何故か孫を前にすると元気になるので


ヴィクトリアも他もあまり気にしていなかった


メイベルの産んだ双子は


男の子がジーク


女の子がロザリー


と名付けられた


ジークは銀の髪でメイベルの髪の色で


ロザリーは金の髪でアークの髪の色をしていた


メイベルの出産を聞きユージーンとマリアが


ヴィクトリア邸に訪ねてきてマリアが


「ジークちゃんにロザリーちゃん

2人とも可愛いわねぇ〜

ね、ライコさん」


ライコに意見を求めるが


「孫が子供ねぇ...」


ライコはジークとロザリーを見ながら


アークの子供だから、ひ孫か?と口にしていた


「ヴィクトリアすまないね

アークが世話になってるようで」


「ん?当たり前だろう?

婿に貰ったんだ面倒はみるだろう」


とユージーンとヴィクトリアは


他愛のない話をしていると


ジークとロザリーが泣き出し


それを見たメイベルが


「オシメじゃないって事は...

あの...男性陣は部屋を出てもらえますか?」


メイベルが双子に母乳をあげる為に


男性陣を部屋から追い出し


双子に母乳をあげる


ヴィクトリアがその姿を見て


「よかったなぁ娘《メイベル》

双子で男女だろう?

私は息子を産めなかったからなぁ」


「...あの母上そんなに

まじまじ見られると恥ずかしいのですが」


ニコニコしながらずっとメイベルと双子を


見ているヴィクトリアだった


母乳もあげ終わりゲップをさせる為に


ヴィクトリアがジークを


メイベルがロザリーを抱っこしてゲップをさせる


「「ゲッ...プゥ」」


双子は同じタイミングでゲップをし


それを聞いたライコは


「見事にシンクロしたな

双子だとそうなのか?」


「そんな事はないと思いますけど

どうなんですかね?

母上は知り合いに双子とか居ました?」


「いや、居ないなぁ

でもゲップがシンクロするとは

息ぴったりでなんだか面白いな」


ルナがメイベルの指示でアーク達


男性陣を部屋に呼び戻し


「終わったか?

あの...ヴィクトリアさん?

俺にも抱っこさせてはくれない...っすか?」


とアークは双子を独占している


ヴィクトリアにそう言うが


「無理だ!

アークお前はメイベルと

イチャイチャしてればいい!」


と何を言ってるんだ?この人は?と皆に


呆れられているヴィクトリア


「母上、いい加減

母乳の時以外も離れるのに慣れてください」


「嫌だ!孫達は私が世話する!」


言っても聞かないからなぁと


メイベルが呆れていると


ライトがヴィクトリアに近付き


「ばあちゃ?あかちゃん

ひとりじめは、メだよ?

そんなことしなくても

ばあちゃのことだいすきだから

だいじょうぶだよ」


とライトに言われシュンとし


アークとメイベルに双子を返す


ヴィクトリアだったが


ライトがヴィクトリアに甘え


抱きつくとヴィクトリアは機嫌が良くなり


ライトを肩車してライトもいつもより高い目線で


周りが見える為楽しそうだった


「ばあちゃ!すごいね!たかいよ!」


「そうか!肩車が気に入ったか!」


とライトを肩車してヴィクトリアは外に出る


街を散策していると


ヴィクトリアはロアとカーラ夫妻に遭遇した


「カーラとロアじゃないか、何してるんだ?」


ヴィクトリアがライトを下ろして話を聞いた


ロアとカーラの間に子供が中々出来ず困っていたが


何が原因かわからないから解決策も浮かばず


仕方ないから2人で出かけているところに


ヴィクトリア達が現れたところだった


「カーラ!だっこ!」


「ん?あぁいいぞ」


ライトは女性に抱っこされるのが好きな様だった


カーラも子供が欲しいし可愛いのか


ライトを可愛がっていた


「そういえばヴィクトリア

こんな話聞いた事あるか?」


とカーラはライトを抱っこし街の噂をし始めた

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