第54話
ライトは自身の夢の中で
「おぉ!スゴいね!
ゴブゴブさん!」
ゴブリンの大群がライトの為に
木を切り倒しログハウスを作っていた
夢の中だと言うのに
『なーにが凄いね!ゴブゴブさん!だ
本当におかしな奴だ』
と邪神自身ライトに見られているとは思っておらず
愚痴をこぼしていたがライトはしっかり邪神を見て
「ゴブゴブさんはゴブゴブさん!
スゴいんだよ!いっぱいでもなかよくできるんだ!
ぼくはたぶん...できないから」
『...そもそも何故、我が見えている?
それにそんなに卑屈になられても
倒し甲斐がないぞ?
確かにモンスターは仲間と認めたら
互いを傷付け合う事はない
人族や魔族とは違って差別や偏見がないからな』
「さべつ?へんけん?
むずかしいことばわかんないよ?」
『仲間はずれが居ないって事だ
皆が仲良し!わかったか?』
「そっかぁ、じゃあ
えっと...だれ?」
『今更か...
我は邪神だ』
「なまえが、われはじゃしん?」
『邪神』
「じゃーくんだ!」
『違う』
と能天気なライトに振り回されてる
邪神ことじゃーくんは
ライトから特に何かされることも無く
何かすることもできなかった
『お前はおかしな奴だな
我を見て気持ち悪くならないのか?』
「なんで?じゃーくんはじゃーくんでしょ?
トモダチにきもちわるいとか、いわないよぉ」
ライトの中では既に友達認定されているじゃーくん
その後もライトに振り回され
じゃーくんは何一つ思い通りにならないまま
ライトは目が覚めた
「ライト?大丈夫?
なんか黒い霧が出てたけど」
「え?じゃーくんかなぁ?」
とノワにライトが邪神の事を話すと
「ダメだよライト、邪神は危ないんだから
絶対!喋っちゃダメ!」
「え〜!?じゃーくんあぶなくないよ?」
と友達になった!とブレイクにも言って
ライトはブレイクにも心配された
「ライト?邪神は本当に危ないんだよ?」
「ちがうもん!
パパとママはじゃーくんをしらないから
そんなこというんだ!」
と拗ねるライトをブレイクは抱っこしてノワと共に
ヴィクトリア達が居る広間に向かった
「...って言ってるんですけど、どう思いますか?」
とヴィクトリアにも確認するが
「やはり危ないだろうな
邪神は絶対的悪だそれが孫に
どう影響するかわからん
早めに対処しておきたいな」
それを聞いたライトは
「パパもママもばあちゃもきらい!
じゃーくんはあぶなくないもん!」
と半泣きになりながら猛抗議する
『...』
ライトの中で見ていた邪神は
初めての感情に戸惑っていた
(一体なんなんだコイツは
我は邪神だ絶対的悪だ
それなのに何故コイツは引き下がらない?
...友達か、変な奴だ)
ブレイク達はライトの話が理解できずにいると
「もういい!」
とライトが拗ねて部屋を飛び出した
「ライト!?」
とブレイクが追いかける
割とすぐに捕まったが問題は
「ゴブゴブさーん!
ワンちゃーん!」
と大きな声でライトがモンスターを呼び始める
このままでは街にモンスターが現れる可能性が
出てくると考えてブレイクは仕方なく
迷いの森に連れて行った
「ゴブゴフさん!ワンちゃん!」
とライトがモンスターに抱き付くのを
ブレイクは困った顔をして見ていた
ゴブリンもワーウルフも丁寧にライトを扱い
怪我1つさせない!という気迫が
ゴブリン達から感じられた
「ライトこの力は
あんまり皆に好まれないかな?
パパも正直驚いてるし
どう捉えていいのかわからないなぁ」
そうなの?とライトは
ゴブリンやワーウルフ達と遊び出すが
ここで街から出てきた
冒険者に見つかってしまった
「あの子!ゴブリン達に襲われてる!?」
「早く助けねぇと!」
と武器を構えてゴブリンやワーウルフを
次々倒していく...いや殺していく
「やめて!ゴブゴブさんたちをいじめないで!」
ライトが冒険者の前に立ち塞がる
「何言ってるんだ?
モンスターは危険なもんだ
それにお前を助ける為に俺達は...」
「すみません
ウチの息子が御迷惑をおかけして」
冒険者は特級Sランクのブレイクを見て驚いたが
「なんだ、親の教育方針ならそう言えばいいのに
息子さんも冒険者にするんですか?」
「どうでしょう?
....ライト今のうちにゴブリン達を逃して(小声)」
「わかった、ゴブゴブさ〜ん
ワンちゃ〜んありがと〜う(小声)」
とゴブリンとワーウルフの群れは迷いの森に消えた
冒険者は倒したモンスターの素材を集める
「ゴブゴブさん...ワンちゃん...」
悲しそうに見るライトに
これ以上辛い思いをさせない様に
ブレイクはライトを抱え家に戻った
「...孫に嫌われた?」
先程飛び出して行ったライトをブレイクに任せて
ヴィクトリアはライトが帰ってきた後の事を考え
孫に嫌われたのではないかと不安になっていた
「でも、邪神は危険なのは確かだし
母上の言う事が間違ってるとは思えないから
ライトはこれからどうするのかしら?」
とメイベルがヴィクトリアにフォローをいれ
宥めているとライトとブレイクが帰ってきた
「...ただいま
さっきはごめんなさい
ばあちゃきらいとかいっちゃって」
とライトがヴィクトリアに近付いて抱き付くと
ヴィクトリアは孫に嫌われてない!と確信し
ライトを抱きしめそのまま空中を浮遊する
「ばあちゃ...」
「なんだ?孫」
「ぼく...へんなの?
パパがゴブゴブさんたちとあそんでると
こまったかおするんだ」
ヴィクトリアはライトに難しい質問をされ
「そうだなぁ、孫はどうしたい?」
「ぼくは...
やっぱりゴブゴブさんたちとなかよくしたい
みんなとなかよくできたら
もっといいかんじになるとおもうんだ」
「そうか、孫それは難しい事だ
だが諦めなければ出来るかもしれない
皆が仲良くなれるかどうかは孫次第だろうな」
とヴィクトリアはライトを否定せず
ライトの意思を尊重する
ライトはヴィクトリアに甘えてしがみ付くと
ヴィクトリアはまた暴走し
地上になかなか降りてこなかった
「母さんったら...
ライトを抱きしめるのは良いけど
甘やかしすぎてじゃないですか?」
と降りてきたヴィクトリアにブレイクが言うと
「別に甘やかしてはないだろう?
息子にもしてた事だ」
自分も相当甘やかされてきたからなぁと
ブレイクは思っていた
「ばあちゃ?」
「なんだ?孫」
「お腹すいた」
「そうかご飯にするか」
とヴィクトリアとライトは他愛のない会話をし
皆も食卓に着いて食事を始める
メイド達が子供達の食事の補助をし
ヴィクトリア達はいつも通り食事を摂る
ライトは1歳半でもう大人と同じ食事量をしており
大変よく食べるだがそれ以上に
ノエルが凄まじい量の離乳食を摂る
ティアもルベルも1歳を過ぎ離乳食が終わって
普通のご飯だがノエルに触発され
2人とも大変よく食べる
ディルはそれを見ながら
僕も食べなきゃ!と必死になって
離乳食を食べるが4人には到底追いつかない
が頑張って普通より少し多い量を食べていた
「うちの子達は皆よく食べるねぇ〜
母さんの影響かな?」
「私か!?
でもそうだな孫達にはいっぱい食べて
大きくなってもらいたいからな」
とブレイクとヴィクトリアが話しをし
皆が朝食を済ませ
ライト達、孫組は昼寝の時間になった
「邪神と友達か
俺は考えたこともなかったな」
とバハムートが寝ているライトを見ながら
ブレイクに話しかける
「ライトが平気なら良いんだけど
邪神がどう動くかわからないし
警戒はしてるんだけどね
いかんせんライトが大丈夫って言い張るからさぁ」
とブレイクは心配そうにしてはいるものの
ライトに何かを期待している様子だった
またライトの夢の中にじゃーくんは出てくる
『本当に変な奴だ、このままだと
親にも家族にもそのうち見放されるぞ』
「みはなされる?ってなに?」
『あー、面倒だな
仲間外れにされるって事だ
仲が悪くなる!
コレでわかるか?』
「だいじょうぶだよ
パパもママもばあちゃもみんな
ぼくは大好きだから!」
何言っても聞かんなとじゃーくんは
ライトを観察してみる事にした
ライトは夢の中で
じゃーくんが生成するモンスターと遊んでいた
主にゴブリンとワーウルフそしてオーク
「ゴブゴブさん!ワンちゃん!
ブタさん?はじめまして!」
とオークに会うのは初めてのライトが
オークにお辞儀すると
オークは困った様に頭を掻いていた
「みんなでなにする?
おいかけっこ?ぱのま?
らいどれぐ?」
追いかけっこは聞いた事があるが
パノマとライドレグとはなんだ?と
じゃーくんは考えていると
「じゃーくんもあそぼうよ!」
とじゃーくんも誘われるが
それをじゃーくんは拒否する
「え〜なんでぇ〜」
『バカかお前は
我は邪神だぞ
子供と遊ぶものか
...それよりパノマとライドレグとはなんだ?』
「へぇ〜しらないんだぁ
おしえてあ〜げない!
いっしょにあそぶならいいよ」
『...ならいい』
「えぇ!?やろうよ!
じゃーくんもやったらたのしいよ!」
と無理矢理じゃーくんは遊びに参加する形になった
パノマという遊びは
ダルマさんが転んだで
ライドレグはお馬さんごっこ
モンスターに乗りモンスターを走らせる
パノマはじゃーくんが1番上手く
ライドレグはライトが
ワーウルフに乗り1位に
じゃーくんは2位なっていた
「じゃーくんうまいねぇ」
『子供に負けるだと!?
ライト!もう1回だ!』
「えぇ!?せっかくぼくがかったのに!」
それでもじゃーくんと遊びたいライトは
じゃーくんと目一杯遊び
じゃーくんも夢中になり
ライトが目覚めるまで2人は遊んだ
『やってしまった...
何をムキになって
あんなガキと一緒になって遊んだんだ我は...』
ライトが目覚める少し前にふとじゃーくんは
我に返った時には
もう言い訳が出来ない程ライトと遊んでいた
ライトが目覚めると
やはりブレイクやノワが心配して
ライトを見ていた
「「ライト!?大丈夫?」」
「パパ!ママ!おはよう
じゃーくんとあそんだんだ!」
えぇ!?遊んだんだ!?と2人とも驚いていたが
ライトの能天気さにブレイクは大丈夫かな?と思い
ノワは気が気じゃなかった
「もう!心配したんだからねライト!
今朝と同じで黒い霧が出てたから
まさかとは思ったけど!」
涙を溜めながらノワはライトを抱きしめる
そんな母親の姿を見てライトは
自身がしてはいけない事をしたんだと思い
「ママごめんなさい
でもじゃーくんね
いっしょにあそんでくれたんだ
ぱのまとらいどれぐで
いちばんになるまでじゃーくん
ぼくとあそんだんだよ?」
「...そっか
でもね邪神はパパとママが封印するくらい
力を持ってたんだ
ライトが良くても周りが危なくなるかもしれない
そうしたらライトは誰かを傷付けることになる
それはどう思う?」
とノワはライトに話すとブレイクが遮る
「ノワ
それはまだ難しいんじゃない?
何かあれば僕がどうにかする
心配なのはわかるけど
ライトはそんな事しないよ」
「わからないよ、それは
私だってやりたくて魔力暴走した訳じゃないから」
そこにヴィクトリアが
「それは尚更
私達がどうにかするべきものだろう
ノワの時も私達がどうにかしたんだ
大丈夫だ母親が心配するのは世の常だからな」
ブレイクとヴィクトリアにまで説得されたら
ノワも仕方なく納得するしかなかった
「わかりました
ライトしっかり邪神との関係は考えてね」
「うん」
ノワはライトを抱きしめ
ライトはノワを抱きしめ返す
ライトのモンスターに好かれる特異体質は
邪神の影響なのか実際はわからないが
ライトの能天気さは人もモンスターも関係ないと
そう考えており偏見がないライト自身の性質だった
その後昼食を摂って子供達は昼寝をし遊び始める
ノエルは相変わらずぐっすり寝ていた
スゥとライトとティア、ルベルは
追いかけっこをしディルも参加するが
全然追いつけていない
そんな様子をアークとメイベルが見ていて
「「...子供かぁ、いいなぁ」」
と2人して心の声が漏れていて
「2人とも
もうすぐじゃない
産まれたら大変よ?
子供はずっと元気いっぱいだから」
とティラが話しかける
「そっかぁ
でも楽しそうだけどなぁ、な?お嬢」
とグレンもメイベルの子供が楽しみなのか
メイベルのお腹をさする
「それよりいつ結婚式を挙げるんだ?
娘がまだ動けるうちにするか
それとも出産が終わった後か?」
とヴィクトリアがアークとメイベルの結婚式が
いつになるのか気になってそんな事を言うが
「母上、たぶん出産後じゃないですか?
今すぐ結婚式を挙げるのは正直大変ですし」
「そうか...
娘のウェディングドレスが見たかったんだが
もう少し後か、残念だ」
とヴィクトリアは
メイベルの結婚式を楽しみにしており
「ちゃんと落ち着いたら式は挙げますから
ちょっと待っててください母上、ね?アーク」
「あぁ、そうだな
子供が産まれたら準備始めるか」
メイベルとアークがヴィクトリアにそう説明して
ヴィクトリアは孫達に混ざり遊び始めた
王城にて国王ミランドがとある報告を受け
頭を悩ませていた
「...以上がアーガルド王国改め
アーガルド法王国からの要求です」
アーガルド王国、改め
アーガルド法王国が要求したのは
炎帝の聖女、改め
炎帝の聖母並びに聖母の娘、聖女の受け渡しだった
「姪のメイベルが炎帝の聖女だとは以前聞いたが
身籠った事により聖女から聖母とは
でもおかしいな聖母又は聖母の娘、聖女?
まるでメイベルが娘を産むのが決めつけて
その要求をしてきている
姪もその子供も渡す事は出来んな
...しかし、どうしたものか」




