↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
51/62

第51話

ライトが産まれて3ヶ月程経った頃


相変わらずヴィクトリアが


広間で孫のライトを抱いており


「あ〜ぶぅ」


ライトがヴィクトリアの腕にかじり付く


「孫《ライト》?腕にかじり付いてどうした?

歯茎が痒いのか?」


ライトはヴィクトリアの腕以外にも


ヴィクトリアの服や髪の毛にもかじり付き


かじり付いた箇所は涎まみれになっていた


「あーもう、ライトったら

そこら中にかじり付いて

母上お風呂入ってきてください」


と、風呂上がりのメイベルが


ヴィクトリアからライトを受け取ろうとすると


ヴィクトリアはそれを拒否する


「大丈夫だ孫《ライト》は私が...」


「母上、汚れた服や肌から

ライトが病気になりますよ?」


うっ...とヴィクトリアが仕方なくメイベルに


ライトを預けて急いで風呂に入る


その間もライトは所構わずかじり付こうと


メイベルの腕の中で暴れる


「ライト、ダメよ?

そんな所構わずかじり付いたら」


とメイベル自身もかじり付かれない様


高い高いをしてあげると


ライトはキャッキャ笑い


メイベルはそれを見て


「子供かぁ...いいなぁ」


とメイベルの言葉を


妊娠中のスゥが通りかかって


「メイベルも子供が欲しいのか?」


とスゥが話しかけるとライトがスゥに反応し


「あ〜!あ〜!」


とメイベルの腕の中で暴れる


スゥがメイベルと抱っこを交代すると


「あ〜!あ〜!」


とライトはスゥの顔を触る


「なんだ?ライトは顔が気になるか?」


スゥも自身のお腹に子供が居るからか


母性が芽生え始めライトを丁寧に抱っこする


スゥとライトは時の魔力を持つ為


相性が良さそうでライトはスゥにとても懐いていた


「で、メイベルも子供が欲しいのか?」


「う〜ん、可愛いとは思うんだけどね

まだ早い気もするし、母上はきっと反対するから

それに...アークが何で言うかわからないしなぁ」


メイベルは少し不安そうな顔をする


ずっとライトに顔を触られているスゥは


「ヴィクトリアもアークも

子供を可愛がりそうだけど

早いとかはスゥはわからないけど

ライトを見てるとスゥは前より子供は欲しい」


前よりと言うのは妊娠する前


という事なのだろうか?と考えるメイベルだった


そんなメイベルとスゥの元に


ドタバタと急足でヴィクトリアが向かってくる


「孫《ライト》!

...ってスゥも居たのか、体調はどうだ?」


「うん大丈夫

はい、ヴィクトリア」


とヴィクトリアがスゥからライトを受け取る


ライトは名残惜しそうにスゥから離れる


それを見たメイベルは


「ライトは本当にスゥに懐いてるよねぇ」


その言葉にヴィクトリアが


「私にも懐いてる?筈だ!

こんなに可愛がってるからな!」


ヴィクトリアはライトを抱き満足そうな顔をする


そんな話をしている時に


クレアとメルも広間に入ってたのを見て


ヴィクトリアが2人に確認する


「ハーフエルフも妊娠期間短いんだったか?」


ヴィクトリアはクレアとメルを椅子に座らせると


「ハーフエルフは妊娠期間は

確か3ヶ月だよね?お姉ちゃん」


「うん、だからあと少しで産まれる筈」


そうか!孫はもうすぐか!と


ヴィクトリアが喜んでいると


ブレイクが広間にノワとティラを連れ入ると


「あ〜!あ〜!」


とライトが今度はブレイクに手を伸ばし


ブレイクが急いでライトの元に行くと


ライトはヴィクトリアの手を離れ


ブレイクにしがみ付く


それを見るとヴィクトリアは


「息子《ブレイク》にはかなわんな

孫《ライト》も最終的にはパパかママが良いのか...」


ティラを支えながらノワが


「それは親ですから

仕方ないと思いますよお義母様

ブレイクでもどうにもならない事もありますし」


「そういうものか

ティラは...大丈夫か?」


ティラが椅子に腰掛け


「ええ、こうして座ってれば大丈夫なんだけど

立ってるのは辛いわね」


ティラは特につわりが酷く


よく横になったり身体を休めている事が多かった


皆が集まっている時アークは


バハムートと模擬戦を行っていた


最近はずっとアークは模擬戦や訓練に明け暮れ


メイベルはそれに悩んでいた


アーク自体もブレイクやノワや特にメイベルに


劣っているのではないか?と焦りを募らせていて


メイベルを蔑ろにしていた


「もっと強くならなきゃ...また、あん時みたいに」


邪神軍戦でアークは自身の無力さを痛感し


護られるだけになってしまうのではないかと


焦りでいつもより余裕がなかった


「お兄様?そんなに焦ってもダメなのです!

もっと考えて訓練しないと!」


「わかってる!!!

...怒鳴ってごめんシャルネ」


とシャルネに謝罪したが


アークは自身の焦りに苛まれ


どんどんドツボにハマっていく


それを見たバハムートが


「今日は、もうやめだ」


「なんで!?」


「そんな事、自分で考えろ

お前自身がそんな状況なら

いつまで経っても今のままだ」


バハムートの言葉にアークは納得出来ず


1人で訓練を続けようとするが


シャルネに止められる


「お兄様!いい加減にするのです!

今のままじゃ訓練も意味ないのです!」


「じゃあ、どうしろって言うんだよ!!!

俺だけ置いていかれる訳にはいかねぇんだ!!!

ブレイクもメイベルもシャルネだって!!!

皆強くなった!!!俺だけ何もない!!!

俺だけ!!!何も出来てない!!!」


言い争いを聞いてブレイクが


アークとシャルネの仲裁に入る


「どうしたのさアーク...らしくない

そんなに焦る必要ないだろ

俺の知ってるアークは頼りになる奴だよ

頼りになるってのは魔力の多さや戦闘技術じゃない

アークのいつもの心の余裕があって

皆を気遣える、そういう人物だからだよ」


ブレイクから


そんな事を言われアークは


「でも!俺はメイベルにも...

皆にも護られてばかりだ!

俺は皆を護れる強さが欲しい!」


「なら、なんで独りになるんだ!?

独りで強くなってなんになる!

その先には何もない!

俺も一度は独りで強くなろうとした!

でもそれじゃあダメだった!

独りじゃ何も護れない!

...それにシャルネとはちゃんと話したか?」


ふと、アークはシャルネを見ると


不安そうな顔をしたシャルネがそこには居た


アークの契約精霊のシャルネは


心が繋がっている為


アークの焦りや怒りを直に受け取る事になる


「シャルネが居る事

それは当たり前じゃない

側に頼れる人が居るのに

そんな人に不安そうな顔をさせるなよ

それにアークは独りなんかじゃないだろ?」


シャルネがアークの手を握る


アークはシャルネの手を握り返す


「...ごめんなシャルネ

それにブレイクも

俺、焦りすぎてたのか」


「そうなのです!

今はゆっくりでいいのです!」


「やっと、いつものアークに戻ったな

そしたら、ほら!」


とブレイクがアークの背中を押して


メイベルの元まで連れて行った


「弟《ブレイク》?いきなり出てったけどどうしたの?

...ってアーク?」


ブレイクに連れてこられアークは


メイベルとの距離感がわからなくなっており


ブレイクの背後に隠れており


しかしブレイクより背が高いので隠れられていない


「何してるのさアーク

姉さんもほら!準備して!」


「え?なんの?」


「決まってるでしょ?

アークと2人でデートするんだよ

ほら、アークも隠れてないで

姉さんと準備して行って来なよ

母さんが怒るから

日が暮れる前には帰って来なよ?」


とブレイクは半ば無理矢理2人に準備させて


2人はデートに出かける事になった


2人が街に出るとライトをヴィクトリア達に任せて


気付かれない様にブレイクが2人を監視していた


「...なんか気まずいね」


メイベルがアークに切り出した


「あ、そうだな

最近は2人で出掛けるのも無かったし

...なぁメイベル」


「なに?」


「俺は...

ブレイクみたいに強くない、護られてばっかだ

それに独りで悩んでシャルネにも迷惑かけて

なんか頼り無いよな...」


「バカじゃないの!?

誰がブレイクみたいになれなんて言ったのよ

私はアークを頼りにしてたし今もしてる

でも邪神軍戦の時に見た光景が怖くて

アークが居なくなったら嫌だから

私はアークが側に居てくれたらいい

強くなくたって迷惑かけたって

私はアークが好き

それにいつものアークは凄く頼りになるのよ?」


と、メイベルは照れ臭そうに


頬を赤らめアークに話す


「...そっか

俺はメイベルに失望されたくなくてさ

焦ってたんだ」


「本当に...バカじゃないの!?

なんで失望するのよ!

しないわよそんな事」


手を握りメイベルはアークを慰める


「アークは私の幼馴染で婚約者で

皆の頼りになる人物よ

大丈夫、私が保証するから

それともなに?私が保証するんじゃダメ?」


「婚約者にここまで言われて

ダメな訳ないだろ...ありがとなメイベル」


2人を遠くから見ていたブレイクは


これ以上監視は必要ないなと家に帰り


2人は食事をし日が暮れる直前に帰ってきて


ヴィクトリアは相変わらず、遅い!と言われていた


「主、なんか嬉しそう〜」


とメイベル達を見ていたブレイクにスゥが抱き付く


ブレイクはヴィクトリアに


バレないように悪巧みを始める


「アーク、姉さん今日2人で寝なよ」


ヴィクトリアがちょうど居ないところで


話し始める3人


「いや、バレたらどうすんだよ

俺が怒られるだろ?」


「アークは朝になったら部屋に戻ればいい

姉さんが嬉しくなって

口を滑らせなければ大丈夫だよ

夜になったら僕がアークを

姉さんの部屋に案内するし」


「う〜ん...大丈夫かなぁ?」


と3人はヴィクトリアにバレずに


その夜アークとブレイクは


メイベルの部屋に辿り着くために苦労し


どうにか辿り着いた


「アークは後で迎えに来るから

絶対にバレない様にね!

じゃあ2人ともごゆっくり〜」


とブレイクが部屋を出ると


メイベルは緊張しているのか手が震えていた


そんなメイベルの手をアークは握り


「大丈夫だ

メイベルが嫌な事はしないから」


「...うん」


と2人の初体験はその夜行われた


日が昇り始める頃


「入るよ〜

って2人とも...よかったね

ベットシーツはさっさと変えてもらおうか」


2人とも裸だったが


メイベルは布団に隠れて


アークはブレイクだったら別にいいかと着替えて


またこっそりメイベルの部屋から出ると


そこでメイド長と鉢合わせる


「坊ちゃんにアーク様?

何故メイベルお嬢様の部屋から?」


「しー!

この事は母さんには秘密でお願い!

絶対にバラさないでね!」


念押しをしてブレイクはアークを部屋に送った




その日の朝はアークもメイベルも寝不足で


ウトウトしていた、それを見てヴィクトリアが


「どうした?2人とも寝れてないのか?

...ん?2人とも寝れてない?」


そこまで聞いていたブレイクが話を変えようと


ヴィクトリアにライトを渡す


「母さん!ライトをお願いします

アーク!ちょっと!」


とアークを連れブレイクは外に出る


「大丈夫アーク?

その状態だとバレそうな気がするけど

あ、ヤバい

姉さん残して来ちゃった」




娘の事となると勘が鋭いヴィクトリアが


「それで?アークと何があった?」


「え?...何もないです...よ?」


メイベルの目の泳ぎ方を見た時に


ヴィクトリアは全てを悟った


「...よし、アークを殴ってくる

孫《ライト》を頼む」


「母上!?まだ何も言ってないですよ!?」


とライトを無理矢理メイベルに預けて


ヴィクトリアはアークを探しに外に出て


「精霊王化《スピリット・ユニオン》!」


ヴィクトリアはそうまでして、でもアークを


見つけ出し殴ろうとするヴィクトリアと


どうにか逃し切りたいブレイクの攻防が始まった


「母さん...なんか精霊王化《スピリット・ユニオン》してない?

アーク、ヤバイ母さんにバレた」


「そうか、終わったな

...ブレイク骨は拾ってくれ」


とアークが諦めた顔をしている


「探索魔法の精度を上げないと絶対に見つかる

既に高速で移動し始めてる!

母さん...もう大人気《おとなげ》ないって!」


と、どうにかアークを逃すブレイクだったが


とうとうヴィクトリアに見つかる


「息子《ブレイク》、アークと話があるからそこをどけ!」


「絶対、話だけじゃないですよね嫌です!」


とブレイクも時ノ精霊龍神王(クロノスタシス)になり


2人とも本気でぶつかり合う


そんな2人を他所にアークは空を見上げ


「...空が綺麗だな」


現実逃避を始めていた


「息子《ブレイク》!邪魔をするな!

話をするだけだ!」


「嫌です!

母さんが気に食わなければアークが殴られる!

アークの友達として僕は友達の恋路は護ります!」


とその攻防は3日3晩続き


2人ともクタクタになりながら


それでもアークはその場で現実逃避を続けており


それを見たヴィクトリアがアークを引っ叩く


「しっかりしろ!娘《メイベル》の夫となる男が

そんなんじゃ困る!

アークお前は責任取れるのか!?」


ブレイクやアークが思ってた


ヴィクトリアの反応と違い


2人とも拍子抜けだったのか


間抜けな顔をしていたがアークが真剣な表情で


「俺はメイベルを妻にします!」


その言葉を聞きヴィクトリアは


ビンタをする前の様な予備動作を始め


アークもこれはビンタされるのだろうと


目を瞑り顔に力を入れて耐える体制に入ったが


「よく言った!その言葉が聞きたかったんだ!」


とアークを抱きしめるヴィクトリアだった


「あんなに御主人様《マスター》が頑張ったのに

なんだが拍子抜けよねぇ」


スイレンがそんな事を言い


ヴィクトリアはアークと肩を組み家に帰る




「へぇ〜...で、こんなに遅くなったんだ」


と今度はノワの機嫌がよろしくない


ヴィクトリアとアークとブレイクは正座させられ


ノワが特にブレイクを怒る


「ふ〜ん...こっちは妊婦4人に子供1人を

どうにか使用人の人達とお世話してたのに

そうなんだ〜へぇ〜」


と段々とノワが卑屈になり始め


それをどうにかブレイクが宥める


「もう知らない!勝手にすれば!?

私はライトがいればいいから!」


「ごめん...ノワの事を蔑ろにした」


とブレイクがノワを抱き寄せる


「毎回そんなので

機嫌が良くなる訳じゃないから!」


と言ってはいるものの


ブレイクとくっ付くノワは


まるで犬の様に機嫌が分かりやすく


「次はないからね!お義母様も!

アークもだからね!」


「「「...はい」」」


ノワの機嫌も良くなったところで


一件落着と言ったところだろう

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。