第49話
ブレイクとノワは
バハムートの元いた根城に向かった
そこでは既に大量のモンスターが移動を始めていた
「これは...
少しでも減らしておかないと
大変な事になるね、ノワ!」
わかったとノワは龍神王化になり
ブレイクも時ノ精霊龍神王になって
戦場を駆けモンスターを一割程度倒して
一旦、空に避難する
「結構、倒したのに
まだ何万と居る
これじゃ埒があかないな」
ブレイクが考えていると
バハムートの根城から
今度はワイバーンまで現れ始め
空にも戦える人が必要な事が明らかになった
「ブレイク!どうしよう
これじゃあ空からの奇襲も意味ないんじゃ」
ブレイクはどうにかワイバーンだけでも
倒してからルア王国に戻りたかったが
数が多すぎるワイバーンだけでも
ザッと200体はいる
「ワイバーンだけでも厄介だな
それにアレは...
ノワ!一度、ルア王国に戻ろう!」
とブレイクとノワはそれぞれ
グレイシアとバハムートに乗りルア王国に戻った
「して、どうであった?」
ルア王国に戻るとブレイクは
夜明けの旅人を連れて王城に訪れていた
「陛下、モンスターの数ですがおよそ1000万
ワイバーンやオーク、ワーウルフに
それに問題は...ゴブリンがいました」
そう、問題はゴブリンだ
ラストワンまで倒したと言うのに
何故ゴブリンがいる?
それは邪神自身がモンスターの
生みの親と言う事が関係している
「ゴブリンはあっという間に増えます
以前のラストワンの時の軍勢より多く
今は500万程度ですが明日には
ゴブリンだけで1000万に増えます
おそらくですがあの数の
モンスターの移動速度だと
明日にはルア王国に到着します」
ゴブリンだけで1000万を超える
その事実に国王ミランドは
「どうする?
ブレイク、お前が最高戦力だ
何か方法は...」
「僕が邪神を倒してきます
その間、皆に防衛をして貰えればと」
ブレイクは夜明けの旅人のメンバーを置いて
1人で決着をつけに行く気だ
「空にもワイバーンがいるので
空中戦が出来るノワや母さんが必要な筈です
地上は近衛騎士団、魔法師団、冒険者の皆さんで
どうにか耐えてください」
ブレイクの事を心配する声が上がるが
「このままじゃ全滅です
僕1人で倒す事が出来ればあとは消化試合です」
と、ブレイクは皆を説得し
国王ミランドは冒険者ギルドに特例の依頼を出し
近衛騎士団も魔法師団も冒険者も協力し
明日を迎える準備をする
「じゃあ、いってきます!」
とブレイクは皆に後のことを任せて
グレイシアに乗り邪神の元に向かう
道中、ワイバーンに襲われるが
それを倒しながら先に進む
「大丈夫かい?坊や」
カルラがブレイクに話しかけるが
「わかんない、でも早くしなきゃ
邪神に好きなようにさせてられないから」
そしてブレイクは邪神の元に辿り着いた
『ほう、1人で来たのか
仲間を置き去りにでもしてきたか?』
ブレイクを相変わらず挑発する邪神
ブレイクは落ち着いてオリハルコンの大剣を構える
邪神は以前の黒い霧が
巨大化した姿でそこに佇んでいた
『まずは小手調べと言ったところだな』
と邪神はモンスターを生成し始め
次々とブレイクに襲いかかる
ゴブリン、ワーウルフ、オーク、オーガと
次々現れるモンスターを薙ぎ倒していくブレイク
時ノ精霊龍神王は邪神戦に温存しておきたい
そんな事を思い自力でブレイクはモンスターを倒す
が、ブレイクがモンスターを倒すスピードより
邪神のモンスターを生成するスピードの方が速く
段々と大量のモンスターに
揉みくちゃになっていくブレイク
(このままじゃダメだ!
もう使うしかない!)
とブレイクは時ノ精霊龍神王になり
ブレイクは周りの時間を止めて
その場にいる全てのモンスターを倒し邪神に向かう
コレットはブレイクを見送った後、悩んでいた
(親としてこの子達を
護らなきゃいけないのはわかってる...でも!)
「「ママ?」」
コレットがベルとアンの頭を撫でる
「ごめん!2人とも力を貸して!」
「「うん!」」
するとベルとアンが光に包まれ
次の瞬間には
2人とも20代ぐらいの見た目になっており
ベルはタキシード、アンはドレスを着ていて
背中には精霊王特有の光輪があった
「「コレでママの力になれる!」」
2人はコレットに抱きつき
コレットも覚悟が決まったようで
「「「精霊王化!!!」」」
コレットが2体の風の精霊王と
初めての精霊王化をする
「コレット?お前その姿」
ヴィクトリアとノワの元に行き
精霊王化を見せる
シルがコレットの精霊王化を見て
「ほう、こんなに早く精霊王になるとは...」
我が子達に関心していた
「これならヴィクトリアと私で空はどうにかなる
ノワ!やっぱりアンタは
ブレイクのところに行ってきなさい!」
コレットの言葉を聞きノワはバハムートに乗り
ブレイクの元に向かう
キィン!
金属音が鳴り響いてブレイクは焦る
邪神が人型に変わりそれもブレイクそっくりになる
『やはりコレが1番良さそうだな』
とブレイクの姿になった邪神は
ブレイクと同じオリハルコンの大剣を持っていた
「嘘だろ...これじゃ埒があかないぞ」
邪神とブレイクの攻防は
オリハルコンの大剣をぶつけ合う戦いになり
ブレイクは時を止めるが
邪神はモンスターを生み出す
数で段々と押され始めるブレイク
更には強制契約解除の攻撃がたまに挟まってくる
その度に再契約をしている
(クソ!
これじゃあ本当にローグの
未来の俺の結末になっちまう!)
「ブレイクー!!!」
そこに現れたノワは困惑した
「ブレイクが2人!?どう言う事?」
『ノワ!邪神が化けてるんだ手伝って!』
と邪神が惑わしてくるが
「ノワ!なんで来た!
君達を護る為に1人で戦ってるのに!」
その言葉でノワはどっちが本物かすぐにわかった
龍神王化状態で邪神を攻撃した
『ほう、何故わかった!?』
「ブレイクは私を護ってくれるって約束したから
手伝ってなんて言わない、来たら怒る筈だもん」
「ノワ!来たのはもう仕方ない!
バハムートの能力で
強制契約解除だけでも封印して!」
とブレイクとノワが揃い戦況は大きく変わる
封印魔法で強制契約解除が使えなくなった邪神は
モンスターを大量に生み出していく
『能力を封印されたか
まあ、このくらいのハンデは必要か
数では圧倒されるというのに
それでも尚、我に向かってくる
やはりお前らは面白い!』
と、邪神はブレイクとノワと戦闘を続ける
ブレイク達が邪神の元に向かって数時間後
モンスターの軍勢がルア王国に着き
今にもルア王国は戦火に包まれる直前だった
「息子が戻るまで
どうにか踏ん張るしかない!行くぞ!」
近衛騎士団と魔法師団をユージーンが指示を出し
ヴィクトリアとコレットが
上空のワイバーンを倒していく
冒険者がギルマスのベルズの指示で
一般市民を護っていた
外壁を破壊してモンスターが
入ってくる可能性がある為だった
夜明けの旅人やロード・メソポリアは
冒険者だが前線にいた
「ん?どうしたマール?」
「...私も頑張るから沢山倒したら褒めてね」
珍しくマールもやる気になっており
ロード・メソポリアは東門
近衛騎士団は西門
魔法師団は南門
夜明けの旅人は北門を担当して
上空はヴィクトリアとコレットが
それぞれモンスターを対処していた
「俺も行ってくる!」
アデルが行こうとするとトラリが止める
「アンタじゃ死にに行く様なもんだよ!
それに私達は一般市民を護る役目でしょ!?」
でも!とアデルは悔しそうだった
自身の力の無さに下唇を噛む
「キャァァァァァ!!!」
「なんだ!?」
モンスターがそこかしこから現れる
ワイバーンが空からモンスターを落としてきたのだ
「まずい!俺達でどうにかしないと!」
アデルが落ちてきたオークなどを相手に
攻防を続けるがなんせ数が多い
「どうする!?こんな時ブレイクなら
考えろ...考えろ...」
「「アデル!」」
とアデルの幼馴染のジュリアとバーバラが
アデルの盾になる
「ジュリア!バーバラ!」
2人は背中に大きな穴を空けていた
「なんだ!?アレは...」
ヴィクトリアがワイバーンの中に
一層大きなそして特殊な個体を見つけると
そのワイバーンはヴィクトリアに突撃してきた
本来なら当たらない筈の攻撃が当たってしまった
そのワイバーンは魔力を有していて
精霊王化したヴィクトリア達にも攻撃が通る
そしてワイバーンの角がヴィクトリアの
左の胸元を貫通する
「ヴィクトリア!!!」
コレットがヴィクトリアの事を受け止め
どうにか傷口を塞ごうとするが既に遅かった
マールはこんな乱戦に参加するのは初めてで
隠密魔法を上手く使えていなかった
「マール!落ち着け!大丈夫だ!」
「...うん大丈夫、大丈夫」
と落ち着かせるようにギデンがマールを匿う
ギデンはモンスターの格好の的になってしまい
オーガがギデンを狙い攻撃を仕掛ける
するとギデンの腕が吹き飛ぶ
「ギデン!?」
「クッソ、こんな時に...」
ギデンはマールに覆い被さり
身代わりになり攻撃を受け続けた
スゥが表立って大量のモンスターを片っ端から
倒していくスゥのおかげで
街に侵入してくるモンスターは少なく
メイベルとアークもそれに続く
どんどんとモンスターを薙ぎ倒していき
ティラが置いていかれる状況だったが
土魔法で応戦してクレアとメルが
そのサポートに入る
モンスターはティラ達に標的を変え
ティラ達はモンスターに囲まれた
「これはまずいわね」
ティラは気付いていなかった既に背後の
オークがティラに攻撃を仕掛ける
クレアとメルも急いで応戦しようとするが
いかんせんモンスターの数が多く
ティラのサポートが間に合わない
それを見たアークがティラの周りを薙ぎ倒す
「ヤべッ、今ので魔力が」
精霊融合が切れ
更に魔力切れも起こしたアークを
標的に変えてモンスター達は襲いかかる
「ダメ...ダメ!」
メイベルが気付いた頃には
アークはモンスターに押しつぶされ
グチャグチャになっていた
ブレイクとノワは邪神と戦い
邪神を追い込んでいた
「これでもうお終い!」
とノワがトドメを刺そうとした時だった
邪神はノワに痛恨の一撃を与えた
邪神の一撃はノワのお腹を貫き
ノワはその場に倒れた
「ノワ!!!」
ブレイクはノワと自身の子供を同時に失った
ローグは1人ヴィクトリア邸で
使用人達と隠れていた
「さて...私はこれで失礼する」
メイド長がローグに
「ローグさん危ないですから
私達とここに居ましょう!」
「だが、私にはやることがある」
メイド長が叫ぶ
「やめてください!坊ちゃん!」
「!?
確かにブレイクとは同一人物だが
貴女達とは何の関係も...」
「あります!坊ちゃんは坊ちゃんです!
私達にとって大切な人です!」
メイド長は涙ながらにローグを止める
「大切な人...か、ありがとう
また貴女達に逢えてよかった
だったら尚更、俺は行かなきゃ
皆を僕達を助ける為に」
ローグはメイド長の掴む腕をスルスルと離れ
ヴィクトリア邸の外へ出た
「...やはり、こうなったか
俺はこれで終わりにすると決めたんだ」
するとローグは魔法を展開し始める
ローグに魔力はもう残ってはいない
代わりに使うのは生命力
ローグは何千年と繰り返し寿命は残り少ない
自然死なら精霊になれた筈のローグは
今その選択をする
「時の属性を持つ者が出来る
時間に逆らう禁術か
俺の役目はここまでだ
この先は僕に全てを託そう
...時間遡行」
時間は巻き戻る
その時間、5分
たったそれだけの時間をローグは戻した
だが、それは重要な時間だった
ノワがトドメを刺す前に戻り
「危ない!」
ブレイクがノワを助けた
そして邪神の一撃は空を切る
『ほう、何だ?
時間が巻き戻ったな
お前の力か?ブレイク』
「いや違う...きっとローグだ
彼が助けてくれたんだ」
(でも御主人様?
時間が巻き戻ることは無いのよ?
いったいどうやって?)
「寿命を使えば僕にでも出来るけど
でも、たぶん...いや確実に死ぬ」
そう、ローグは自身の命を使い
時間を巻き戻したのだ
『ほう、ソイツは命を捨てたのか!』
「違う!命を懸けたんだ!
僕らは託されたんだ!お前を倒すために!」
ノワを下がらせ後ろから援護させるブレイク
邪神は段々と弱っていき次第に決着がつく
アデルがジュリアとバーバラを抱きしめる
「嫌な予感?かわからないけど
俺が迷ったからあんな目に遭うなら
俺はもう迷わない」
と2人を護る為にアデルは剣を取った
ヴィクトリアが気付いた時には
「危なかった!死んだと思ったが気のせいか?」
「アンタ大丈夫!?
あのワイバーンはさっさと2人で倒すわよ!」
魔力を有してる特殊な個体を先に片付け
ヴィクトリア達はワイバーンを倒していく
「...許さない」
「これなら、大丈夫そうだな」
マールはいつもの調子を取り戻し
ギデンも自身の戦いに集中でき
隙が無ければ有象無象にギデンはやられはしない
「ティラ!」
メイベルがティラを助け
「アーク、魔力は!?」
「危ねぇけど、どうにかな
でも精霊融合は無理だな」
とメイベルがアークを抱きしめ
「絶対、居なくならないで...」
メイベルはアークを常に確認しながら戦闘に戻った
ユージーンは戦況を見て
「まるで時間が巻き戻ったような
まさかブレイク君?」
ユージーンは前日に援軍を呼んでいた
「もうすぐで着く筈です!」
ワイト達、魔王軍だ
魔族の精鋭が1万人かなりの戦力を集め
ルア王国に着いた
「友好国のピンチだ!
今こそ恩義を返す時だ、行くぞ!」
ワイトが指示を出し
魔王軍はモンスターを次々に
薙ぎ倒して行く
「これで...もう大丈夫か」
ローグは先程の魔法の影響で身体が崩れ始め
ボロボロと皮膚が剥がれ始めていた
それをヴィクトリアが見つけて急いで駆け寄る
「息子!お前!」
「母さん...
最後に...頼まれてくれ
もう一度だけでいい
息子と呼んでくれないか?」
「ああ、当然だ息子...」
「俺は幸せ者だな
大切な人の腕の中で死ねるなんて...」
泣きながらヴィクトリアは息子を抱きしめる
その力で朽ちた身体は更に崩れていくが
「ありがとう
僕に言っておいてくれ
確かにお前は俺じゃなかった
あとはお前次第だと...」
そして完全に身体は崩れてしまった
「...」
息子を失ったヴィクトリアの
気持ちを測ることは出来ない
「ヴィクトリア...行くよ
一般市民を護らなきゃ
ブレイクが帰ってくるまで
持ち堪えないといけないでしょ?」
「ああ、わかってる」
と涙を拭きヴィクトリアは空へと向かった
ブレイクとノワは邪神を追い詰めていた
『これで終わりなのか!
またしても我は負けるのか!』
「あぁ、そしてお前を封印する」
『だが我は不滅だ!
創造神も破壊神も我を殺せはしなかった!』
「そうだな
それは自分達の子供だったからじゃ無いのか?」
『だが、我は必ず復活するぞ
どうなろうとお前達に復讐する為に』
「そうか...
お前とも仲良くなれると思ったんだが残念だ
お前の力を俺とノワに封印する
いいかな?ノワ」
「うん、仕方ないよ
でも大丈夫なの?邪神を私達に封印したら
私達が死んだ時に復活しない?」
「大丈夫だと思うよ
現に邪神が何も言えないんだ有効だと思う」
『やはり、こうなりましたか』
『やはり、こうなったな』
『創造神!?破壊神!?何故此処に居る!?』
その場に光の創造神と闇の破壊神が現れ
混沌の邪神がイタズラがバレた
子供のように焦り出す
『ブレイクにノワ
貴方達に任せっきりだったから
こんな事になってしまった私達にも責任はある』
『我々の唯一出来る事だ選択してくれ
邪神を我々が管理するか
ブレイク達が管理するか』
「均衡って事ですか」
『そうね、我々が管理すれば以前の様に
封印するけどいつ封印が解けるかわからない』
『だがブレイク達が管理するには
荷が重い筈だどうする?』
ブレイクは選択を迫られた




