第37話
ブレイクがヴィクトリアに
抱き抱えられているバーンズを見て呟く
「バーンズさん...」
カルラの治癒魔法が効かなかったのは
バーンズが致命傷だったからで
回復するだけの体力が残っていれば良かったのだが
バーンズにそれだけの体力は残っておらず
「バーンズ...」
(ヴィクトリアさん!
俺Bランクになったんだ!)
(舞姫はランクあげないのか?)
(娘が産まれたのか!?そっ、そうか)
ヴィクトリアはバーンズとの
思い出を振り返り涙を流した
「バーンズはギルマスの俺から見ても
誰よりも努力してきた
この結果は誰のせいでもない
バーンズが選択した事だ
それを否定は誰にも出来ない
俺達はバーンズの死を受け入れるしかねぇ」
ギルマスのベルズが遺体を抱えようとすると
「...私が連れて行く」
ヴィクトリアがバーンズを抱えて
被害の確認の為に集められた
広場に遺体をそっと置いた
「一般市民の死者0名、負傷者16名
近衛騎士団の死者0名、負傷者36名
魔法師団の死者0名、負傷者12名
冒険者の死者1名、負傷者25名
アレだけの数のゴブリンの軍勢に
ラストワンが出現した事を鑑みると
最小限に抑えられたか...」
ギルマスが報告書をまとめ始める
ギルドは王国に報告する義務がある為
ギルマスのベルズは事態の把握を急いだ
死者はほぼ出なかったが
1人の冒険者の命が犠牲となった
「あの...母さん、僕...」
ブレイクが責任を感じてヴィクトリアに話しかける
「...大丈夫だ、息子のせいじゃない
ベルズも言っていただろう?
冒険者とは常に死と隣り合わせだからな
バーンズは一般市民を守る為に頑張ったんだ
誰も無駄死になんて思わないだろう」
淡々とヴィクトリアが話す姿を見て
ブレイクがヴィクトリアの手を握る
すると...
「...気付いてはいたんだアイツの好意に
だが私は何も出来なかった
伴侶は1人でいいと思っていたし
弟のように思っていた」
ヴィクトリアはボロボロと泣きだし
ヴィクトリアの手を握る力が強くなった
「...バーンズさんは
僕を羨ましいと言ってました
きっと母さんと家族になった事もそうですけど
バーンズさんはそうは出来なかったから
僕に突っかかってきたんだと思います
でも最後には謝ってくれました
母さんが言った通り
バーンズさんの死は無駄には
ならないと思います」
ブレイクは手を握り返し
ヴィクトリアは糸が切れたように
その場で更に大粒の涙を流して泣き出していた
その日1人の英雄のおかげで
他に死者は出なかった事
それはきっとこの先、皆忘れないだろう
「ゴブリン程度ではダメだったか
ラストワンまでは順調だったが
肝心の魔石の頑丈さ
それに大きさが足りないな」
邪神は今回の事を踏まえて
あと5年実験を繰り返すだろう
そしてブレイクとノワを倒す計画を練って
邪神は2人を殺し自由の身になり
改めて創造神と破壊神を倒そうとするだろう
「...次が楽しみだ」
バーンズの死から数日経ち
王国は壊された城壁の修復や
街の復興を始めた
ヴィクトリアも近衛騎士団として
パンを配給をしていた
そんな時だった
「またパンかよ!
一体いつになったら
普通の生活が送れるんだ!!!」
不満を溜めた一般市民の男性が声を荒げる
更にパンを求めてヴィクトリアに掴み掛かった
「おい、まだあるんだろう?寄越せ!」
「配給は1日1人1つの決まりだ」
淡々とヴィクトリアが説明するが
そんなの関係ねぇだろ!と
無理矢理、盗ろうとした男性を
ヴィクトリアが取り押さえる
「痛ってぇな!
俺を抑える暇があるなら
こんな事してないで
ゴブリンを倒せたはずだろ!
どっかの冒険者が死んだらしいじゃねぇか!
ソイツは勇敢だったんだろうな!
お前と違って!」
「その冒険者、バーンズは...私より勇敢だった
お前達を守りながら傷だらけになって
足を引き裂かれ、それでも尚立ち上がり
皆を守って死んでいった!
...死んでしまったんだ」
悔しそうに言葉を口にするヴィクトリア
男性もその言葉に冷静になる
「すまない、怪我はないか?」
ヴィクトリアが拘束を解き
男性はヴィクトリアに頭を下げた
「俺の方こそ悪かったな
そのバーンズってのが今回
皆を守ってくれたのか」
「あぁ、忘れないでくれ
バーンズの犠牲無くして
皆の今日はないと言う事を」
そうか、と男性は今一度頭を下げた
そしてヴィクトリアは配給を再開した
「バーンズの功績を讃えて
故人だがバーンズを
Sランクに昇格にする事となった
バーンズはあんだけ目指していたのに
...皮肉なもんだ」
ブレイクはギルマスに呼ばれて
話を聞かされていた
「そう...なんですね」
(生きていれば喜んだだろうな
僕がバーンズさんを生き返...)
「ボウス!
死者蘇生なんか考えてんじゃねぇだろうな!
そんな事は出来ねぇ
死んだ者は蘇りはしない!」
心を見透かされたのに驚いたブレイクは
「そうだよ坊や、ソレはしちゃいけない事だからね
出来たとしても自我なんて残っちゃいない
ただ暴れるだけのモンスターを誕生させるだけだ」
カルラの言葉にブレイクはやはり
諦め切れないのか
「本当に...ないの?方法は」
「無いものは無い!諦めろボウス!
それにバーンズはもう墓の中だ」
バーンズはその日のうちに埋葬され
墓には沢山の花が手向けられていた
「そうですか...要件はこれで終わりですか?」
「あぁ、バーンズの事は
ヴィクトリアかボウスに
伝えた方が良いと思ってな」
その言葉を聞いてブレイクはギルドを後にした
(御主人様今日も行くの?)
(うん、でも今日で最後にするよ)
ブレイクはギルドを出た後にバーンズの墓に向かう
花を手向けにブレイクは墓の前で
1つ誓いを立てる事にした
(バーンズさん
貴方が大切に思っていた母さんを
これからは僕が守ります
安心して眠ってください)
ブレイクは墓の前でバーンズが
安らかに眠る事を祈った
ヴィクトリア邸に戻ったのは
既に夕方を過ぎた頃だった
夕飯を食べた後ブレイクは
ノワとバハムートを呼び止め
「本気で!?危なくない?」
ブレイクが提案したのはノワとバハムート2人が
本気でブレイクと戦う事だった
「怪我はするかもしれない
でも今回の事で尚のこと
強くならないといけないのは
ノワとバハムートも感じた筈だ」
確かにな、とバハムートが頷き
互いに本気でぶつかる必要がある
ブレイクはノワを連れ
城門を出て迷いの森へと向かう
「じゃあ互いに本気でやろう!」
するとバハムートがノワに
「今回は主に任せる
危ないと思ったら俺が前に出る」
ノワはブレイクの表情を見て心配になった
今にも泣き出しそうな悲しい顔をしていた
そのままブレイクは精霊龍王になり氷炎の拳を作り
龍人化したノワに向かって
攻撃を始めたがノワは避けるだけで手一杯だった
拳が地面に突き刺さったり空を切る
その度に拳は破裂し治癒魔法ですぐさま治していく
(御主人様こんな戦い方じゃ
身が持たないわよ!)
(...)
スイレンの忠告も聞かずブレイクはお構いなしに
拳から足にまで氷炎の魔力を集めて攻撃し
身体が破裂し回復するのを繰り返す
(これじゃあ契約する前の状態と同じじゃない!)
(...)
(スイレン!無理矢理
精霊龍王を解除するしかない!)
(わかりましたお母様!)
(坊や...)
精霊龍王が解けたブレイクは
ノワ目掛け拳を振るうが
今のブレイクは普通の子供で
龍人化したノワには
ダメージを与える事は出来ない
それでも殴り続けるブレイク
「...」
カルラとグレイシアがブレイクを取り押さえる
「もうやめな、坊や」
スイレンまカルラもグレイシアも泣いていた
スイレンとカルラは特に
ブレイクと心が繋がっている為
ブレイクの感情もダイレクトに伝わってくる
自分の不甲斐なさ、憤り、悔しさ
前を向かなければいけないのを
何故か後ろばかり見てしまう事
ブレイクの拳はもう潰れていて
カルラが治癒魔法をかけて治していく
「...僕は強くならなきゃ、皆を守らなきゃ
その為には力が」
「力を求めるか
それでどうする?
全てを破壊し尽くすのか?
なら邪神となんら変わらんだろう?」
バハムートがノワから離れ
ブレイクに話しかけた
「お前は託されたんだろう?
独りじゃないんだろう?
守るモノがあるのだう?
それを大切に守り続けて!
お前は皆と強くなり
託された想いを繋いでいかないといけない
いつまでも落ち込んでは
あの男にも顔向け出来んぞ!」
ブレイクは自身が泣いている事にすら
気付いておらず泣きながら
バハムートの言葉に頷いた
「...皆、ごめんね」
ブレイクが先ほどの事を謝るが
「ブレイク、こういう時はごめんじゃないよ」
ノワがブレイクに言葉を訂正させる
「そうか...ありがとう皆」
泣き疲れて酷い顔になっているが
いつものブレイクの表情に戻った
ヴィクトリアは孤児院に来ていた
「...」
「ヴィクトリア?大丈夫?」
いつもより静かなヴィクトリアに
「最近、ずっと無理してない?」
コレットがヴィクトリアを心配する
「...ん?あぁ、大丈夫だ
いや大丈夫ではないな
私らしくないのはわかってるんだが
やはりバーンズの死は辛い
孤児院の子供達を見れば
幾らか元気になると思ったんだが...」
孤児院の庭で遊ぶ子供達を見ながら
ヴィクトリアは暗い顔をしていた
「...ヴィクトリア」
コレットが今は無理矢理
元気にさせるものではないと考え
他のシスターに業務を任せ
ヴィクトリアの側に居る事にした
「バーンズの事は皆、多かれ少なかれ辛いと思う
でもそんなバーンズはヴィクトリアを護ったんだよ
護られたんだから前を向いて生きていくしかないよ
今はまだ難しいかもしれないけどさ」
そっとヴィクトリアの側に近付き
コレットはヴィクトリアを抱きしめる
そこでヴィクトリアは限界だったのか
泣き出し小一時間が経った
ヴィクトリアは落ち着きを取り戻し
酷い顔になってはいるものの
少しスッキリした様子で
ヴィクトリアは孤児院を後にした
「...ただいま」
玄関が開かれヴィクトリアが入った途端
ドタドタドタ
足音が勢いよく聞こえてきた
「おかえりなさい!母さん!」
息子に飛び付かれ
ヴィクトリアは驚いていたが
「あぁ、ただいま」
2人が顔を見合わせると
「「ぷっ...あはは!!!」」
2人して酷い顔をしており
互いに酷い顔だ!と大笑いしていた
そんな笑い声を聞いたメイベルが玄関にやってきた
「なに?どうしたの?」
2人の笑い声に何事かと見にきたメイベルだったが
ヴィクトリアにすぐさま捕まり
「たまには3人で風呂でも入るか!」
親子3人で大浴場に向かった
メイド達がタオルを用意して
タオルを巻いて3人で湯船に浸かった
その日は3人で寝る事にし
これまでの事、これからの事を
夜通し話して昼過ぎまでグッスリ眠った
その頃ガバ帝国に居た
ロード・メソポリアは
ルア王国の一報を聞きブレイクを心配し
ルア王国に向かい移動を始めた
「ボス〜
今更言っても意味ねぇんじゃねえか?」
カーラがギデンに走りながら言うが
「俺の予感が正しければ
ゴブリンを使った今回の邪神の脅威だが
これで終わりだと思えん
今は急いでブレイク達と合流した方がいいだろう」
ギデンの予感は正しかった
すぐ来るかはわからないが
邪神は必ずまたブレイク達を襲いにくる
それがわかっていてギデンは
ロード・メソポリアを連れ
ルア王国に向かうのだった
ヴィクトリアが手紙の整理をしていると
管理する領地から手紙が届いていた
シルヴァ領そこは大人気で理由は税がない事と
ヴィクトリア自身の人気が高い事
ヴィクトリアは公爵だが一般市民いわゆる平民にも
分け隔てなく接し領地で開催される宴会は
ヴィクトリアがその資金を出して
衣食住などもヴィクトリアが基本的に用意している
領民からすると税収も無ければ
そこに住めれば簡単に恩恵が受けられる
しかし住んでいる領民は
皆がヴィクトリアのファンである事から
ヴィクトリアの害になる厄介者は自然と排除される
ファン達による上納金集めには
領民、皆が参加する
ヴィクトリアは私の領地は
私の保護下だと公言しており
領民に不自由はさせない様
ヴィクトリアは領民達の手紙は
どうゆう内容であれ
全て目を通す様にしていた
「今回の宴会は息子達も連れて行くか
領民も息子達の成長が気になる様だしな」
ヴィクトリアが領地から届いた手紙を見て
数日後にブレイク達、夜明けの旅人を連れて
領地に向かう事を考えていると
ブレイクが夜明けの旅人のメンバーを連れ
依頼が終わりヴィクトリア邸に帰ってきた
「ただいま帰りました
ん?どうかしました?」
手紙を持ちながら部屋から出てきたヴィクトリア
「息子、数日後で良いんだが
皆で私の領地に行くぞ
宴会が開かれるから私と娘、息子
は参加して欲しいそうだ
特に娘は参加必須らしいぞ
だから夜明けの旅人、皆を連れて行こうと思う」
「わかりました
母さんの領地は去年行ったっきりだから
久しぶりに行きますよね」
メイベルは行った事があるが
「私、なんで必須なんだろう?
母上の領地だし母上が居ない時は
私が管理はしてたけど
なんかやらかしたかな?」
とメイベルは頭を悩ませるが
アークやスゥ、ノワは初めて行く
特にスゥはシルヴァ領と言うよりは
「メイベルが失敗する事なんてあるのか?
スゥは美味しいもの食べたいなぁ」
とスゥはご飯の事を考え始めて
ご飯まだ?とメイド長に聞いていた
「数日後だって言ってましたけど
それは友達呼んでもいいやつですか?」
「ん?あぁ
宴会は人が多ければ多いほど良いからな
誰か呼ぶのか?」
ブレイクは誘う相手に当てがあるのか
数日の間にクレアとメルを誘う為に
ミューラのところに行き
「こんにちはミューラさん
クレアとメルを
シルヴァ領の宴会に誘いたいんですけど
ウチに仮加入させてもいいですか?」
ブレイクの提案に他のエルフは反対していたが
「いいわよ
以前のグレイシア様の件での
お礼も出来てないし
これがお礼になるとは思わないけど
クレアとメルには少し休暇って事で
1週間くらい遊んで来なさい」
グレイシアの件というキーワードに
他のエルフは何も言えなくなり
クレアとメルを夜明けの旅人に仮加入させ
ブレイク達、夜明けの旅人は
ヴィクトリアが用意した馬車で領地へと向かう
ギュウギュウに詰められた馬車は本来1人か2人
多くて3人用なのだが今回
ヴィクトリアにブレイク
メイベルにアーク
スゥにグレイシア
ノワにバハムート
クレアとメルの10人が詰められていた
スイレンとカルラは空中に浮遊し馬車の周りにいて
グレンの場合はメイベルの中で待機していた
そんな経験が無いクレアとメルは
「私達、本当に参加していいのかな?」
「お姉ちゃんはもっと堂々とすれば...」
とメルが話している最中に馬車が大きく揺れ
「きゃ!」
体制が崩れたメルをブレイクが支える
「メル大丈夫?」
「...うん、ありがとう」
とメルの肩を掴んでいたが
ノワがメルを支えるのを交代して
「あ、ごめんノワ」
「え?...な、なにが?」
とノワに気を使うメルだったが
メイベルやスゥそれにノワと
ゆっくりとだが打ち解けていた
「やはり
私達は空を飛んでた方が良さそうね
ほら、バハムート!
私達は邪魔ですから飛びますよ」
グレイシアが狭い事を気にして
バハムートと空を飛んで馬車を追う事にし
少し馬車の中も空間ができた
そんな中ヴィクトリアは馬車の中が
未だ狭い事が気になり扉を開けて屋根に登る
「うん!こっちの方が広いな
息子、コッチに来い!
外の景色も良いぞ!」
メイベルが危ないから真似しちゃダメと言うが
ブレイクはヴィクトリアの差し伸べた手を取り
屋根に登り景色をヴィクトリアの腕の中で堪能する
「そろそろ見えてくるな!
あそこに見えるのが私のシルヴァ領だ!」
シルヴァ領は昔の話だが
ヴィクトリアの名前にシルヴァ
銀が入っている事から
外壁や街の中まで銀にしようとしていたが
ヴィクトリアが自然が好きな事もあり
ファン達はヴィクトリアに相談して
自然豊かな街にする事にした
自給自足が出来るほどの家畜を飼い
余った特産品を王国で売って
そのお金をヴィクトリアに
上納金として献上していた
「母さん、以前より牛が増えてませんか?」
「そうだな
また勝手に増やしたのか?
上納金は要らないのに
私にお金を持たせても
私は領民に還元するから
お金が回るだけなんだがなぁ」
暫くしてシルヴァ領に着き
領民の代表者がヴィクトリア達を迎え入れる
「領主!今年は豊作です!
野菜も家畜も特産品がいっぱい用意できました!」
ヴィクトリア達が荷物を持ち領地にある
ヴィクトリア別邸に向かう
「ヴィクトリアさん
なんで馬車を降りたんですか?」
クレアが疑問だったのかヴィクトリアに聞くと
「私の領地では
皆が使う道では馬車を禁止にしてるんだ
子供や老人は特にだが
そうじゃなくても
人と馬車がぶつかると大変だからな」
ヴィクトリアは領民第一にルールを決めており
それを守らないなら私は領民として認めないと
「母上は領民を大事にしてますし
領民にも大事にされてるから
余程の事が無い限り問題は起きないわね」
そうなんだ、とクレアとメルは感心していた
ヴィクトリア別邸に着くと荷物を置いて
ヴィクトリアは領民達に
今回の宴会の規模と予算を聞きそれを手伝い始める
「領主様!?
毎回言ってますが私達にお任せ下さい!
これではおもてなしではなくなってしまいます!」
「いいだろう?私がやりたいのだから」
とヴィクトリアは無理矢理準備に参加し
ブレイク達も手伝っていくのだが
「お嬢様!お坊ちゃま!
せめてお2人は座ってて下さい!」
「「嫌だ」」
2人してそれを断り一緒に準備を始めた
木を切り組んでいくと
いつの間にか日も暮れ始めて
そこにブレイクとメイベルが炎魔法を使って
キャンプファイヤーを始める
続々と料理が運ばれてきて
酒やジュースも行き渡り
「それじゃあ!
宴会を始める!食べて呑んで楽しめ!」
とヴィクトリアはグラスを高く掲げた
宴会が始まりメイベルの周りに人が集まり出して
ブレイク達も何事かと集まってくると
「お嬢様!
お誕生日おめでとうございます!
少し早いですが
私達からのプレゼントです!
お納め下さい!」
と領民がメイベルに手作りのカチューシャを送った
「...えっと、ありがとう」
メイベルは驚いてあまりリアクションが取れず
そんなリアクションを見た領民達は
「やっぱり、カチューシャじゃなくて
別の物の方がよかったんじゃ?」
「そもそも、私達のプレゼントでは
喜んで頂けないのでは?」
などと声が上がっていたが
メイベルが訂正する
「ごめんなさい
驚いてあまり反応が出来なくて
嬉しい、ありがとう」
とメイベルはカチューシャを着けて領民に見せると
うおぉぉぉお!!!と歓声が上がる
「プレゼントが目的だったから
娘の参加が必須だったのか」
ヴィクトリアがメイベルの頭に着いている
カチューシャを見て
似合っているな、と褒めると
また歓声が上がった
ヴィクトリア達と少し離れたところに
ノワとクレアそれにメルの3人が様子を見ていた
そんな中メルが口を開く
「ノワはブレイクが好きなの?」
いきなりの事にノワもクレアもビックリしていたが
「...うん」
恥ずかしそうにノワが答える
「そっか
なぁんだライバルお姉ちゃんだけじゃ無いのかぁ
お姉ちゃんとノワは可能性あるもんなぁ
う〜ん、でも諦めたくないな」
するとクレアがメルの言葉に答えるように
「私はノワもメルも可愛いと思うけど
私なんてただデカいし邪魔だし役に立てないよ」
と言ったところでメルに胸を突かれた
「お姉ちゃんはコレがあるじゃん
ブレイクだって男の子なんだから
コレには弱いでしょ」
と意地悪な顔をしてメルはクレアの胸を揉み始めた
「2人とも...ブレイクが好きなの?」
ノワが確認をとるように聞くと
「「うん」」
2人共、即答だった
「じゃあメルの言う通り
ライバル...だね」
3人はブレイクが好きな事を再確認し
その後宴会を楽しんだ
アークはと言うと酔っ払った領民に絡まれており
「お前!お嬢様とどう言う関係なんだよぉ
お嬢様は可愛いだろぉ?」
「そうっすか?」
「あ?はっ倒すぞ!お前!」
「はいはい、可愛いですねぇ〜」
「そうだろぉそうだ...」
オロオロオロ
盛大にアークの服にぶち撒けられる嘔吐物
(うわぁ、最悪だぁ)
酔っ払いはそのまま嘔吐物の上で寝始め
アークはと言うと
近くの川に行き服を洗う羽目になった
グレイシアは酔っ払いの看病の為に
氷を生成して氷枕を作っていて
スゥは肉をいっぱい食べて
お腹いっぱいでお腹が妊婦の様に膨れ
地面に横たわって星を眺めていた
バハムートはと言うと誰よりも酒を呑んでいた
その後も宴会は夜通し行われた
翌朝になると二日酔いで
体調が悪くなっている領民も多数いた
それをブレイクとカルラ
それにアークが治癒魔法で治していた
「皆さん呑み過ぎですからね
って母さんは二日酔いじゃないでしょ?」
とヴィクトリアも二日酔いの列にと言うより
ブレイクの列に並んでいた
「ここに並べはブレイクに看て貰えるんだ
ちゃんと並んでるんだ問題ないだろう?」
とヴィクトリアは意味のわからない事を言っている
ブレイクがメイベルにお願いして
ヴィクトリアを列から外す
「そんなぁ〜息子〜」
と情けない声が周りに聞こえていたが
ヴィクトリアは性懲りもなく
ブレイクに近付こうとする
二日酔いの列も無くなって
領民達は宴会の残りのご飯で朝食の準備を始め
ヴィクトリア達は今度こそ
何もしないで下さいと言われ
大人しく座っていた




