第35話
「先程はすまなかった
父さんが間違っていた
お前はまだこれからやれる事がいっぱいあるのに
父さんが否定してしまった」
いきなり部屋に入るや否や
ユージーンは謝ってきた
「いや大丈夫だよ
親父の言う事もわかるし
ブレイクが特別なのは本当だ」
先程の事でアークは少し卑屈になっていた
「ブレイクもそうだけど
実はメイベルにも劣等感あってさ
2人とも重ねがけの契約をして強くなった
俺にはたぶん出来ないから
親父が言うように別の道を
探した方が良いのかもしれない」
するとライコが口を開く
「...そうかもな、そっちの方が楽だからな
だが孫、本当にそれでいいと思っているのか?」
ライコの言葉に反論したい気持ちもあったが
実際そうするしかないとアークが諦めていると
「シャルネには確認したのか?
試しもしないで諦めるのは愚かだぞ?」
え?とシャルネを見ると
「出来るのです!
お兄様は1人で考え込みすぎなのです!
ちゃんとシャルネにも頼って欲しいのです!」
重ねがけできるのか!?とアークが嬉しそうにする
シャルネが頷き2人は再契約をゆく結ぶ
「「今ここに血と魂の契約を!」」
アークの魔力が跳ね上がり
ユージーンは本当に先程の言葉を
言ってしまった事を後悔していた
「小僧これがお前が潰した可能性だ
よく覚えておけ、これは小僧お前自身にも言える」
え?とユージーンがライコを見るが
ライコは視線を合わせてはくれなかった
翌日、試しにアークは精霊融合を
どれほど持続出来るか実験した
まず5分は過ぎて
「まだまだ余裕があるな」
そのまま10分15分と過ぎていき
30分を過ぎたが魔力切れを起こす事なく
順調に記録を伸ばしていき結果
2時間の継続が可能だった
「5分から2時間かよスゲェな
何倍だ?24倍?今までより
約20倍以上魔力を使えるのか
これで少しは並べたかな」
劣等感の事は誰にも言って無かったが
ついポロッと言ってしまった事を
アークは後悔していた
「まぁ、でもそれのおかげで
ここまで強くなれた、な?シャルネ!」
「そうなのです!
お兄様はちゃんと強くなってるのです!
そして再契約で使える魔法も進化してるのです!」
茨魔法が光属性と混じり合い
光の茨になった光の茨魔法は
アークの思い通りに動かせ
相手を拘束するのも仲間を移動させるのにも
自身を空へと運ぶ事も出来る
「かなり便利になったよな
茨もかなり太く頑丈になった
俺の腕ぐらい太いしな」
「ちゃんとイメージすれば
割と何でも出来るのです!」
シャルネの説明にこれでブレイク達に追いつける!
と、アークは喜んだ
アークの戦力増加があり
夜明けの旅人のメイベルとアークそしてノワの
Sランクに上がる試験を受ける事になった
ギルドに呼ばれギルマスのベルズから
「メイベルにアークそしてノワの
ランクを上げろと各地の
ギルマスが集まる会議で議題に上がってな
特にバハムートを召喚出来るノワは
早くSランクになってもらわないと困る」
ギルマスが用意した試験内容は
ガバ帝国に居るはぐれの龍2体の討伐だった
「ちなみにブレイクは参加するなよ
ブレイクと契約した
スイレン、カルラにグレイシア
を除いた夜明けの旅人で討伐して来てくれ
ちなみにバハムートの飛行は禁止だ」
わかりました、とメイベルが
仮のパーティリーダーとなり
ブレイク達に見送られ
メイベル達は準備の為にギルドを後にする
「そうか、ベルズがそんな事を
頑張るんだぞ娘
帰ってきたら私よりランクが高い冒険者だな」
その言葉にメイベルは少し悲しそうだった
「母上と同じだったのに...」
ブレイクと同じランクになるのは嬉しい事だが
同時にヴィクトリアとは違くなってしまう
ヴィクトリアがBランクにいる理由は
指名依頼を受けないようにする為で
近衛騎士団副団長の地位にいる為
国と王を守る義務があり
常に来る指名依頼を受けるわけにいかず
ランクは上げられない
「そう落ち込むな
ランクが上がるのは基本良い事だ
私も誇らしい」
ヴィクトリアに誇ってもらえるのは
嬉しいメイベルなので
今回の依頼は褒めてもらう為に
頑張ろうとメイベルは意気込んでいた
数日後
「これから試験に挑む
皆、準備はいい?」
各々しっかり準備してきたので
ヴィクトリアやブレイク達に見送られ
メイベル達は迷いの森経由でガバ帝国に向かった
「今回のはぐれの龍は2体、土龍と闇龍だね
闇龍はアークが光の茨魔法で相性良さそうだけど
土龍はどうしよう?」
そこでバハムートが
「お前らは精霊融合して
主は龍人化してから攻撃すればいい
メソポリアの娘は...
まぁ、どうにでもなるだろう」
そう簡単にいくかな?とメイベルが考えるが
考えてても仕方ないので迷いの森を進んでいく
「なぁ、メイベル!
今日は迷いの森で野宿か?」
スゥがメイベルに聞くと
「そうだね、一旦迷いの森で野宿してから
翌朝に森を抜けようその方が安全だね」
その日は迷いの森の中枢部にテントを張り
メイベルとスゥ、ノワがテントに入り
アークだけ寝袋で外で寝ていた
火の番をグレンとシャルネがしてくれて
バハムートは勝手に寝ていた
それでもメイベルがリーダーとして
火の番をすると言い
グレンがメイベルを半ば
無理矢理仮眠を取らせる
翌朝テントをたたみ
メイベル達は迷いの森を突っ切る事にした
迷いの森を抜けてメイベル達は
はぐれの龍がいるであろうガバ帝国領に入り
討伐対象の土龍と闇龍を探す
索敵魔法を使える者はいないので目視で
はぐれの龍を探す
「あれ...か?
いやあれは違うか
無闇に移動しても体力消耗するだけだしな」
アークの言葉にメイベルは
「そうね、ブレイクの索敵魔法がないと
かなり不便なのよね
一旦ガバ帝国の城下町まで行ってみましょう」
まずは情報収集の為に
ガバ帝国のギルドによる事にして
城下町に向かう事にした
「ここね、すみません
はぐれの龍に関する情報が欲しいんですけど」
ギルドの受付嬢に情報を貰う
闇龍は今はガバ帝国の南にいるらしく
土龍は最近の目撃情報は無かった
受付嬢にお礼を言いメイベル達は
一度、休息をとりに宿屋に向かった部屋を借り
1つの部屋にアークとシャルネが泊まり
大部屋にはメイベル、スゥ、ノワが泊まり
グレンとバハムートは
外に出て行ってしまった
一度アークを大部屋に呼び
今後の動きを確認した
「闇龍の場所はわかってるから
先にそっちから倒しましょう
それでなんだけど
相性のいいアークを主戦力にして
私達がサポートしながら
倒そうと思うんだけど
アークはそれで大丈夫?」
アークは頷き夜明けの旅人はその陣形で
翌日、闇龍と戦う事にしその日は休息をとった
翌日、闇龍の所へ向かう
「シャルネ精霊融合しながら
茨も出すとなるとどのくらい維持できる?」
「茨の数によるのです
100や200なら1時間
1000なら20分が限界なのです!」
充分だな、とアークがシャルネの言葉に
勝機がある事をメイベル達に説明し
闇龍の所へ向かい歩いて行く
とうとう目視出来るほどまで闇龍に近付き
アークを主戦力にした陣形をとる
「何だお前達は?
私が闇龍と知って来たのか?」
アークが答える
「あぁ、お前を討伐しに来た!」
闇龍は笑い出し
「何を言い出すかと思えば...
ん?おい何故お前がいる?
龍神バハムート!!!」
バハムートに気付いたのか焦り出すが
「闇龍、安心しろ俺は手を出さん」
それならと闇龍はその言葉にホッとし
アーク達を片付けてしまおうと
いきなりブレスを放った
「人間など龍の咆哮で簡単に...」
光の茨がそれを防いでいる事に
闇龍は驚愕していた
「いきなりかよ、危ねぇな
じゃあ今度はこっちからいくか!」
精霊融合!とアークがシャルネが
精霊融合し光の茨を100本操り
闇龍の身体を拘束し締め上げ鱗を粉砕していく
頭部以外は必要ない為
光の茨が頭部以外を呑み込んでいく
「案外あっさり倒せたな...」
精霊融合を解き
頭部から角と牙を回収し
一度、宿に戻った
「なかなか見つからないわね」
メイベル達が土龍を探して1週間が経っていた
「仕方ねぇよギルドでさえ
情報収集、出来てないんだ
体力と魔力の管理をしながら
探すのにも限度があるしな
昨日まで情報無かったからなぁ
今日はあるといいんだけど」
ギルドに向かい施設内に入ると
受付嬢が駆け寄ってきた
「土龍の居場所がわかりました!」
マジか!?とアークが受付嬢に確認し
土龍はガバ帝国の東に居るとの事で
一行は土龍の所へ向かう
「粘った甲斐があったな!
後は倒すだけだ!」
するとバハムートが
「今回は俺も参加しよう
モグラ野郎には因縁があるからな」
バハムートの言う因縁とは
バハムートの根城を荒らされた過去があり
土龍を何度か殺しかけたが
魔力を下手に消費する訳にもいかないバハムートは
土龍を魔力なしでボコボコにするが
土龍は土の中に逃げて難を逃れた為
今回は逃がさんとバハムートもやる気になっていた
「主また、主導権を貰うぞ?」
わかったとノワが頷き
「じゃあ、先に行って殺してくる」
バハムートは龍人化の状態で飛行し始めた
「アレは良いのか?
バハムート飛行禁止だったよな?」
「いいんじゃない?アレはノワだから」
と、ルールの穴を突いたギリギリの所を
バハムートは勝手に解釈して
土龍の所へ向かった
「よう、モグラ野郎
今までは見逃してきたが今回は逃がさん」
「なっ!?バハムート...か?」
土龍は地面に潜ろうとしたが
既に尻尾をバハムートに掴まれており
バハムートは土龍を空へと投げ
ブレスを3連射する
そのブレスで岩龍は瀕死状態になり
バハムートは止めを刺して
メイベル達が到着する頃には
角と牙を回収していた
「私達、何にもしてないわよね?」
「まぁいいんじゃねぇか?
ノワの試験でもあるし
これで帰ってギルドに報告だな」
闇龍の時と同じように角と牙を
ギルドに鑑定してもらい
本物と確認が出来れば後は
書類を貰いルア王国に帰り
ルア王国のギルドに書類を提出すれば
試験達成となる流れだそうで
メイベルは書類を貰い
ルア王国に向かい迷いの森に入って行った
迷いの森をメイベル達は進んでいく
途中日が暮れたので野宿をし
翌日の昼頃にはルア王国に着いた
「おぉ!帰ったか!」
ギルドでギルマスのベルズが出迎えてくれて
ギルマスに直接書類を提出し試験は終わった
それぞれの家に帰宅する
家が別のアークとは別れ
メイベル達はヴィクトリア邸に向かった
「皆、おかえりなさい」
とブレイクが向かい入れてくれ
ヴィクトリアがメイベルに
今回はどうだった?と聞くと
「今回で分かったのは
いつもブレイクの索敵魔法で
探せていた対象を探すのが大変な事
あとは私はパーティリーダーに向いてない事
各々、戦闘レベルは上がっている事ですね」
と、メイベルはヴィクトリアに話す
「そうか、得られたモノがあったのか良かったな」
ヴィクトリアは
これから夜明けの旅人はもっと強くなるぞ!
と嬉しそうだった
ルア王国のギルドで1人の冒険者が荒れていた
「クソ!」
ガシャーンと酒瓶をギルドの地面に叩きつける
Aランク冒険者のバーンズは
以前から荒れた生活を送っていた
理由はSランク昇級試験に
何度も失敗していた為だった
「おい聞いたか?またダメだったらしいな」
「あんなに期待されていたのにな」
と周りがヒソヒソと噂し始め
居心地が悪くなったバーンズは
ギルドを出てバーンズは迷いの森へと向かう
バーンズはソロの冒険者だった
理由は自分1人の実力でSランクになってから
ヴィクトリアに告白する為だった
ヴィクトリアと並ぶ為には
やはりSランクの称号が欲しい
そんな中ヴィクトリアの息子ブレイクが先に
Sランク冒険者になってしまった
しかも今回パーティメンバーの他の
4人もSランクに上がり
冒険者として劣等感に苛まれ
バーンズは自信と尊厳を失っていた
迷いの森に入りバーンズは
手当たり次第にモンスターを狩り
モンスターの死骸の処理や
魔石を回収せずその場に置いって行った
迷いの森にいるモンスターでは
バーンズの鬱憤は晴れる事はなく
苛立ちを募らせていた
「これじゃダメなんだ
クソッ!一体どうしたら」
その答えは自身で見つけるしかない
バーンズはそのまま自身の使っている宿に戻った
その夜一匹の特殊なゴブリンが
他のゴブリンを率いて迷いの森を徘徊していた
そのゴブリンは人の言葉を理解し
冒険者から逃げ延び生きて来た
ゴブリンは落ちている魔石や
モンスターの死骸を喰らい始め
大量にあった死骸と魔石を喰らい
ゴブリンはゴブリンライダー
ゴブリンナイトと進化していき
ゴブリンキングまで進化した
他のゴブリン達もゴブリンナイトとなり
少しは知能が上がりゴブリンキングの指示が
わかるようになっていた
そのゴブリンキングだが
本来のゴブリンキングは体長3メートルは超えるが
この特殊なゴブリンが進化したゴブリンキングは
体長2メートルで小さかったが
そこらのモンスターとは比較にならない
知能を持っており
そのゴブリンキングはまず冒険者を観察し
1人はぐれた冒険者などを複数のゴブリンで襲い
装備を整えていった
剣や盾、鎧に膝当てなど
どんどんと装備は揃い始め
ゴブリンキングの目的は
装備の調達から冒険者を倒す事に変わっていた
まずは3人の新人パーティを襲い
使えそうな武器を回収して
仲間のゴブリンに装備させる
そうしてゴブリンの軍勢は
完成しつつあった
ゴブリンは弱いそれは事実だが
ゴブリンほど厄介なモンスターもいない
ゴブリンの妊娠期間は1日と短く
あっという間に増えていく
ゴブリンキングが指示を出し
高ランクの冒険者は襲わず
低ランクの冒険者を襲い続けると
迷いの森ではよくある事と
ギルドは危険視しておらず
3ヶ月間気付かずゴブリンの軍勢は
100万匹以上に増えていた




