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第34話

残りは3体の人型のみとなったところで


氷魔は合体し始め1つの大きな人型になり


全長3メートルほどの氷の巨人になった


「...進化した?ただの変化じゃない

アレはさっきまでとは違う別の存在か

ブレイク!炎が使える私達がやらないと!」


ブレイクもスイレンとグレイシアを呼び寄せ


精霊龍王《ドラゴ・スピリット》になり火魔法を展開し


展開した火を集め黒炎を作り出し


氷の巨人にぶつけるがあまり効果は無く


メイベルも同じ結果で焦り出す


「どうしようブレイク!黒炎が効かない!」


氷の巨人がメイベルを狙い


魔法で氷の玉をぶつける


メイベルはそのまま吹き飛ばされた


「姉さん!」


メイベルは無事だったが


精霊融合《ソウル・ユニオン》が解除されており


グレンが小さくなっていた


「大丈夫か?メイベル

ブレイク!こっちは大丈夫だ

ソイツを倒すのに集中してくれ!」


メイベルの無事をアークはブレイクに伝えると


ブレイクは氷の巨人に向き直り


氷火の結晶を展開し始めた


(コレならいけるはず

念の為、魔石を狙った方がいいか)


氷魔にも魔石がありそこを攻撃しないかぎり


何度でも再生するそれは


氷の巨人になっても同じだろうと考え


ブレイクは魔石の位置を確認して


狙いを定め氷火の結晶をぶつけ


氷の巨人は完全に停止した





「魔石は回収してギルドに持っていきましょう」


メイベルが率先して魔石を回収し


氷の残骸をカルラとグレンが溶かしていく


「アンタ大丈夫なの?

そんなにちっちゃくなってるなら

お母様に任せてもいいんじゃない?」


スイレンがグレンを心配し話しかける


「スイレンちゃんの言う通り

休んでていいのよ?

私だけでも出来るから大丈夫」


カルラも心配してグレンに声をかけ


そこまで言われるならとグレンは休む事にして


氷の始末はカルラがまとめてする事にした


魔石を回収してブレイク達はギルドに戻る


「依頼達成ですね

そちらの魔石は?」


氷の巨人の魔石は所々穴が空いており


買取は出来ないと思って


ブレイクが持ち帰ろうとしたが


「少し値段は下がってしまいますが

買取はできるので大丈夫ですよ?」


と受付嬢に言われブレイクは


穴だらけの氷の巨人の魔石も


買取してもらう事にした


「こちらが今回の報酬になります」


穴だらけの氷の巨人の魔石が


大銀貨8枚で


氷魔の魔石が1つにつき


金貨1枚で56体居たので


大金貨5枚と金貨6枚に大銀貨8枚の


支払いが行われた


「結局コレでいくら貯まったんだ?」


アークがメイベルに聞く


「うーんと...大金貨1395枚と金貨3枚

大銀貨が5枚に銀貨が9枚大銅貨が4枚ね」


夜明けの旅人は遠方に行っても


宿に泊まる事なく野宿することが多い


普通は休息を取るために宿に泊まるのだが


精霊が複数いる為


火の番をせずに済んでいる


そのおかげでしっかりと休息をとり


武器はヴィクトリアが用意して


武器庫にしまってある為


お金はかからない


使い道があまりないのだった


「そんなに貯まったのか!

でも何に使う?俺達使い道なくないか?

でもブレイクがSランクだから

指名依頼バンバン来るしなぁ」


メイベル達はお金の使い道に困っていたが


ブレイクが提案する


「孤児院に寄付でもする?

母さんやコレットさんのやってるように」


それいいなぁ!とアークが賛成して


ヴィクトリアに相談しに


ブレイク達はヴィクトリア邸に向かった


「ダメだ」


相談をしたらヴィクトリアが聞き入れてくれず


ヴィクトリアの話では


まだパーティリーダーのブレイクが


成人していない事と


孤児院はヴィクトリア達


銀翼がどうにかすると言われ


ブレイク達は尚のことお金の使い道に困った


「まぁ、坊や達はまだ使い道がわからなくても

そのうちやりたい事も見つかるさね」


カルラが話をまとめる


「でも私こんな大金預かるの

結構プレッシャーなんだけど」


とメイベルが愚痴をこぼす


確かに大金貨約1400枚は


冒険者が持つには大金すぎる金額だったが


ヴィクトリアが


「大丈夫だ夜明けの旅人の年収は

私の年収とあまり変わらんだろう」


「それが問題なんです!

母上は近衛騎士団の副団長で

公爵なんですよ?

公爵領の税ではないですけど

上納金だってあるじゃないですか

それにあまり活動はしてないけれど

Bランク冒険者で指名依頼も結構ありますよね?

ルア王国で母上以上に稼いでる人いないですよ?」


そうか?とヴィクトリアは呑気なもので


「まぁ僕達は3年でここまで貯めて来たけど

結構年間通して忙しかったよね?」


そこにいる夜明け旅人のメンバーは頷き


「御主人様《マスター》のレベルも上がってる筈だし

この後、教会に行ってみましょう」


そうだねとブレイク達はヴィクトリア邸から


教会へと向かった


「俺はそろそろ2回目の転職かなぁ」


「それ言ったら私もだなぁ

ブレイクは光の勇者だから

レベルの上限250だから

まだまだ先は長そうだよね」


街を話しながら歩いていると


孤児院兼教会が見えて来た


シスターメリアが向かい入れてくれて


鑑定をしてくれた


鑑定でわかるのは名前、年齢、職業とレベルだった



ブレイク・クロノ・シルヴァ・ハート


12歳


職業・光の勇者(130/250)



メイベル・シルヴァ・ハート


14歳


職業・魔剣士(60/70)



アーク・レムロン


15歳


職業・魔術師(65/80)



「もう少しで転職かぁ

ってもメイベルの方が早そうだな」


アーク達は一度転職しており


二度目の転職に向けて


レベルを上げる算段をつけていた


レベルを上げると身体能力が向上し


転職をすると新たな技を覚えられる


転職は何度も繰り返す事が出来るが


その度にレベル上限まで


レベルを上げなけれならない


歴史上で見て最高転職回数は4回だった


夜明けの旅人の平均年齢は若く


全然記録を更新する可能性はあった


「僕も結構上がってるけど

いまいち強くなってるかわからないんだよなぁ」


ブレイクがまだまだ強くなる事を


示唆している数値だが


ブレイク自身は悩んでいた


(姉さんとアークはそろそろ2回目の転職か

ねぇスイレン光の勇者の次は

何に転職するんだろうね?)


するとスイレンが答える


(それは御主人様《マスター》次第じゃない?

何に成ろうとも私は付いていくけど)


(そうさね、大丈夫だよ坊や

私達はこれからの成長が楽しみだよ)


スイレンとの念話にカルラも混ざって3人で話して


ブレイクの不安は払拭された


「じゃあ、そろそろ帰りますか!」


アークが母マリアの事を考えると


さっさと帰った方がいいだろうと


ブレイク達は帰路に着いた




「あと少しだ」


邪神は異空間で力を蓄えていた


魔力を高め自身の分身を大量に創っていた


これだけの分身を用意していれば


ブレイクとノワですら太刀打ちできないだろうと


邪神は考えていた、だがしかし


「よぅ、3年と少しぶりだな邪神よ」


「バハムート!?一体どこから!?」


光の創造神と闇の破壊神の封印により


この異空間には誰も入れない筈だった


「俺の得意魔法は封印魔法だぞ?」


ニヤリとバハムートが笑い


ブレスで分身を殺していく


「何のつもりだ!?

お前は世界の事など

興味もなかったんじゃないのか?」


「あぁ、3年程前まではな

今は闇の巫女と契約できてしまってから

お前をどうやって殺すか

そんな事ばかり考えている」


バハムートが闇の巫女の召喚獣になった事により


邪神も懸念はあったが


バハムートが率先して攻撃してくる事はないと


考えていて、計画を滅茶苦茶にされ


邪神はバハムートに戦いを挑むが


流石の龍神バハムートだった


ブレスで邪神を吹き飛ばし


邪神も分身を創っていた為


魔力が枯渇していた


「流石に殺せんか

なら封印させてもらうとしよう」 


バハムートは封印魔法で


邪神を手のひらサイズの石に変えてしまった


「コレで暫くは時間が稼げるか?」


バハムートは今のままでは


ブレイク達に勝ち目がないのを感じており


ブレイク達とは別行動をとり


単独で邪神を封印したのだった




「大丈夫かな?」


ノワの側にスゥが待機してノワを守っていた


場所はというと元バハムートの根城


ガバ帝国の端にある洞窟


人の手に余ると言うのは


邪神の封印場所という意味もあり


バハムートはノワ達を連れて


久々に根城と戻り封印場所に入って行った


「終わったぞ

コレで少しは時間が稼げる筈だ」


まだまだ強くなって貰わないと


契約した意味がないとバハムートが


ノワの頭に手を置く


「時間が稼げるって言ってたけど

どれくらい稼げるの?」


ノワの問いにバハムートはうーんと唸った後に


あと5年だなとブレイクとノワが17歳になる頃には


バハムートの施した封印も解けるとの事


「もっと強くならなきゃ」


そうだな、とノワの意気込みに


微笑むバハムートだった


バハムートの背に乗りノワ達は


ヴィクトリア邸に向かい飛んでいき


到着するとノワはブレイク達に


バハムートがしてくれた事を話す


「...てな訳であと5年ぐらいだって」


ブレイクがバハムートから見て


自身がまだ弱い事に憤りを感じてはいたが


事実ブレイクの実力は打ち止めになっており


新たに力をつける必要があった


「そう焦るなブレイク

これから強くなればいいんだ

お前はまだ子供だ成長次第で

1人でも邪神を倒せるようになる

やはり主と戦うのが1番早いだろうな

魔力量がまだ足りん

精霊龍王《ドラゴ・スピリット》になると魔力量たりなくなるだろう?

安定して使えるようにならんと

邪神には太刀打ち出来ないぞ」


...わかった、とブレイクは未だ挫折を知らない


理解は出来ても納得は出来ない


「主、龍人化《ドラゴン・リンカー》の時

主導権を渡して貰えるか

ブレイク!精霊龍王《ドラゴ・スピリット》になって俺と戦え

今のお前に足りない部分を見せてやる」


ブレイク達は街の外に出て


ブレイクは精霊龍王《ドラゴ・スピリット》になり


ノワは龍人化《ドラゴン・リンカー》をして


どうすればいいの?とバハムートに聞くと


主は身を委ねるだけでいい、と言うので


ノワは身を委ねる


主導権がバハムートに移り


「精霊龍王《ドラゴ・スピリット》が解ければ俺の勝ち

その前に俺を倒せば

ブレイクお前の勝ちだ、じゃあ始めるぞ」


バハムートが低姿勢になると、次の瞬間


地面の抉れる音と共に目の前から消えて


背後に高速で移動する


息を大きく吸い込みブレスを放つ


それをブレイクは捉える事が出来ず


空中に吹き飛ばされる


(見えなかった...

ダメージはそんなでもないけど

目で追えないのは厄介だな)


(坊や!高速で移動しているだけで

そこにはいるんだまとめて吹き飛ばしちゃいな!)


ブレイクの両肩から龍の顔が出てきて


両肩とブレイク自身で


炎と水、氷を3種類ブレスを放つ


「ほう

もうそんな事が出来るのか、だが」


その技は龍人化《ドラゴン・リンカー》の技で


バハムートも同じように両肩に龍の頭が出てきて


ブレスを3つ放つ威力ほ同等なのか相殺され


これはまずいとブレイクが


氷炎の結晶を複数作り出し1つにし威力を高める


「悪いな、それは封印させてもらう」


バハムートが封印魔法で氷炎の結晶を封印し


その場に止めブレイクが


いくら魔力で操ろうとしても


ピクリとも動かなかった


(動かない!?

封印魔法をどうにかしないと)


「戦闘中に考え事か?」


バハムートが目の前まで迫っており


腕を引っ張りブレイクを下に投げると同時に


魔力を込めた尻尾でブレイクを地面に叩きつける


グハッと背中の骨が何本か逝ったようで


すぐに立ち上がる事は出来ず


治癒魔法で治療しながら


バハムートが何処にいるか確認する


索敵魔法には引っかからず


「こっちだ」


背後に回り込まれ更に魔力を纏った拳で


腹部を攻撃され内臓にまでダメージが入り


ブレイクは血を吹き出していた


「坊や!大丈夫かい!今、治癒魔法を!」


精霊龍王《ドラゴ・スピリット》の状態は解除され


吹き飛ばされたブレイクの所でカルラが


手当をしていた


「バハムート!やり過ぎです!」


グレイシアがバハムートに食ってかかるが


バハムートはこれでも加減はしたと言っており


ブレイクはカルラに手当てされながら


バハムートを見つめていた


「ブレイクお前の悪い所は

お前自身が強いから戦闘時に後手に回る事だ

いくら強くてもそのままだと

今回みたいな事になるぞ」


ブレイクはバハムートの指摘に


自身の甘さを痛感し


今後は改めるとバハムートに言い


「グレイシアさん

そんなに怒らないで

バハムートは僕を強くする為に

教えてくれただけだから」


バハムートに詰め寄るグレイシアに


ブレイクが仲裁に入るかたちで


その場を収めブレイクはまだまだ


強くなれると考え改めて


自身のレベルや技を磨く努力をする事を決意した


バハムートから主導権をノワへと戻し


中で見ていたノワもブレイクを心配し


バハムートに怒っていた


「やり過ぎだよ!

ブレイクに怪我させてどうするの!?」


大丈夫だから、とブレイクがノワを宥めて


皆、その日は解散となり


アークとシャルネ以外はヴィクトリア邸に戻り


アーク達も家に帰って行った




「ただいま〜」


とアークが家に着くと


「おかえりアーク

今日は何かあったかい?」


ユージーンが出迎えマリアはライコと


お風呂に入っておりシャルネは風呂場に向かった


「まぁ、何だか自分の力の無さを

痛感したんだ...と言うかブレイクは

何処までも強くなるのに

俺は置いていかれてる気がして」


今日あった事を事細かに説明して


アークが珍しく落ち込んでいるのをユージーンは


「そんな事があったのか

ブレイク君はかなり特殊というか

うーん、父さんもブレイク君にはどう足掻いても

勝てないからなぁ

アークはアークで別の道を

探した方が良さそうだね

同じ道を歩いていると

より速い方に目がいくから

比べちゃうしね

父さんも別の道を探して今歩いてるからさ」


諦めるというのも時には必要だと


ユージーンは言いたいのだろう


でもアークは諦めたいのではなく


挑戦したかったのだ


「うーん

俺にはわかんないや

まぁ、俺も俺で考えてみるよ」


ユージーンと別れ自室に向かうと


「ライコさん!そんな姿でうろつかないで!」


「お母様!せめてタオルを!」


「ん?どうした孫?暗い顔をして」


全裸のライコがアークを見て揶揄おうとしたが


アークは


「いや、何でもないよ

俺は先に寝るからおやすみ」


何事も無かったように振る舞って


それを見たライコが激怒した


(オイ!小僧!

孫に何があった!?)


ユージーンはアークと話をして


諦める事も大事だと伝えたと言うと


(バカか貴様は!

子供の可能性を潰してどうする!?

孫はまだ成長したがっているんだ!

親のお前がソレを否定したら

これ以上の成長はないぞ!)


改めて自身の言動にユージーンは後悔し


アークの部屋の戸を叩く


コンコン


「アーク?少しいいかな?」

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